株式会社ブライトシステム

株式会社ブライトシステムは、大阪市に本社を置き、福岡を含む2拠点で事業を展開するシステム開発会社である。同社の事業は大きく、デバイスソリューションとシステムソリューションの二つに分かれる。デバイスソリューション事業では、自動車、産業機器等で必要とされる組み込み・制御システムの開発を行い、システムソリューション事業では、業務システムの開発を軸に、IT活用のコンサルティングからサーバー構築、各種システムの運用・保守まで一気通貫で手掛けている。

2023年2月現在、売上の軸を担うのは、デバイスソリューション事業だ。カメラ開発の技術をキーテクノロジーとして、デジタルカメラはもちろん、センサー、SLAM（自己位置推定）、物体検知、画像認識や音声認識、AI・Deep Learning、AR・VR等の技術を組み合わせ、ウェアラブルビデオカメラ、自動搬送ロボットや工場の検査装置、自動調光装置等、多種多様なデバイスの開発に携わる。

執行役員・山田佳之氏は語る。

「小規模でリソースが限られていることもありますが、付加価値の高い仕事を選んでいます。未来に繋がる技術です」（山田氏）。

その技術力の高さが、同社最大の強みだ。
同社に依頼が来るのは、量産化に向けた製品開発だけではない。研究開発や試作品開発の相談も多数寄せられる。

デバイスソリューション部 課長・今西完治氏が語る。

「近年は特に、ドライブレコーダーや電子ミラー等の車載器、IPカメラ等の開発ニーズが増加中です。例えばAmbarella、Qualcomm、NVIDIA、Rockchip等のSoCを使用したカメラや画像処理案件は年間十数案件あります。こういったSoCに対応できる開発会社は少ないため、全国からご相談を頂いています」（今西氏）。

そういった案件に対応しながら蓄積したノウハウを集約した『4Kカメラ開発キット』も、カメラ製品メーカーの試作工数を削減するソリューションとして、好評を得ている。

大規模な開発会社にはない、小回りの良さも強みの一つだ。細かい修正依頼にも臨機応変かつ、迅速に対応できることが発注者側にとっての利便性に繋がる。また試作の開発は、プロジェクト期間が短く、一人で１カ月という案件も少なくはない。そのため一人ひとりのエンジニアが、入社間もない時期から多種多様な案件に携わることになる。そのような環境があるため、技術的な引き出しの多いエンジニアが育成され、優位性に繋がっているのである。

こうした実績を積み重ねながら、既存顧客からの紹介や、展示会でのデモンストレーション等を通じ、毎年、新規顧客を増やし続けてきた。カメラ関連以外にも、ロボットや医療機器、水質計等、幅広い組み込みソフトウェアの開発実績がある。また、システムソリューション事業は、売上に占める規模自体は小さいが、基幹系システムのソフト開発やサーバー構築の開発実績もある。

コロナ禍に入ってからも順調な事業展開を継続している同社だが、今後、さらなる進化を遂げるために開発リソースの拡充を図っている。

同社が設立されたのは1997年だ。設立以来、組み込み制御、業務系、ジャンルを問わず、最新技術の獲得に取り組んできた。ビジネスの軸足をメーカーや大手SIerに常駐する技術者提供型のビジネスに置いていたが、リーマンショックを乗り越えた後は、請負型ビジネスにシフトし、現在の基礎を築いたのである。

常駐型から請負型への転換が進んだきっかけは、車載機器の開発案件が増えたことである。自動車の電子化が進み、ドライブレコーダーや追従ドライブ支援システム等の開発ニーズが増大。車載機器の開発はプロジェクトの規模が大きいこともあり、一気に売上の主軸を担うまでにボリュームが拡大した。現在も電子ミラーの開発や、カーナビとドライブレコーダーの連携が進む等、車載機器は今後も、著しい成長が見込める分野である。

また最近は、CPUの大容量化によってドラスティックな進化を遂げ始めたデバイスも生まれている。代表例がIPカメラだ。従来、IPカメラで撮影した映像の処理は、ネットワークで繋がったパソコンやサーバーで処理する必要があった。しかし、CPUの高性能化によりカメラ単体で動かせるようになると共に、4Kでの撮影も可能となっている。そのため世代交代が加速し、同社への開発依頼も急増している状況だ。

このように、最新技術を取り入れた画像・映像系デバイスの開発ボリュームが急増する一方、従来から取り組み、同社のコア技術を築くきっかけにもなったデジタルカメラ、または業務システム、さらに、比較的新しい領域のロボット関連のニーズも増えている。今後は、車載機器やIPカメラ等の開発を着実に伸ばしながら、開拓し切れていない領域にも積極的に取り組み、事業の柱を増やしていきたい考えである。

その取り組みを先導しているのが、2021年7月に入社した山田氏だ。山田氏自身、制御系の技術者出身で、高梨氏とは1990年代、独立系の大手システムインテグレーターに在籍していた頃からの付き合いがある。

「当社とは、SIerで技術者をしていた頃から一緒に仕事をしてきました。その頃から、当社の技術力の高さは実感していましたので、注力し切れていない分野をしっかり拾っていけば、まだまだ伸びる可能性があると思っていました。私自身は前職では管理部門で役員まで務めた経験がありますので、私が入ることで、管理体制を強化し、事業成長に貢献したいと考えて参画しました」（山田氏）。

現在、同社では40名弱の社員とパートナーを合わせ、随時60名前後のエンジニアで事業を展開している。当面、目指しているのは現状の規模感の約1.5倍だ。3年以内の達成を目指し、大阪、福岡の両拠点で、組み込み制御系、業務系、各領域のエンジニアを積極的に採用している。

“チャレンジ精神、グローバル的視野、そして他社に負けない技術力で、輝く未来を創造することのできる情報企業”。それが当社の掲げてきた企業理念だ。その理念に基づき、あえて未知の領域の案件を受注して、突破していくチャレンジもしている。取り組むプロジェクトの選定では、技術者の意見を優先している。

「当社は経営者自身がエンジニアのため、新しい技術領域には、惜しみなく投資をしています。今すぐ、大きなビジネスに繋がらない事業領域でも、エンジニアがやりたいと言えば、チャレンジさせてくれます。技術者にとって力を発揮しやすい環境であることは間違いありません」（山田氏）。

25年以上の事業実績がある同社には、40代、50代のベテランエンジニアが多数在籍している。その一方で、車載機器の開発案件が増えてからは、人材を確保するために経験の浅い層も積極的に採用してきたため、20代の若手社員も増えている。同社が受注する案件の規模は大小様々だが、どんなに小規模な案件でも、ベテラン層と若手を組み合わせてプロジェクトにアサインすることで、若年層の育成に努めている。

そんな同社が現在求めているのは、今後の事業展開を踏まえ、3年以上の実務経験を持ったプログラマーからSE、プロジェクトリーダー（PL）まで、幅広い層のエンジニアだ。

「求めているのは技術に興味がある人です。勉強する時間の確保や、研修の機会等は、会社でバックアップします。組み込み系、業務系、いずれの領域でもベテラン層が存在していますので、そういった技術者からの指導も受けられます。興味さえあれば、成長できる環境は揃っています」（山田氏）。

技術の獲得に貪欲で自身の具体的な成長イメージを持つエンジニアにとって、同社は最適な環境が用意された会社である。