株式会社フォチューナ

株式会社フォチューナは、Webサイト制作、Webマーケティング、インターネット広告運用、ECサイト運営およびシステム開発を手掛けているベンチャーだ。本拠地は秋田県秋田市に構え、東京と大阪に拠点を展開すると共に、ベトナムのハノイで自社のオフショア開発拠点を運営している。

同社の業務内容は、Webサイト分析・戦略策定、UX/サービス設計、Webサイト制作/システム開発、Webサイト運用保守、インターネット広告運用/集客、リード獲得/CRM導入、リード育成と、Webサイトの制作からWebマーケティングまでのあらゆる工程を一貫して手掛けている。
「これらの業務は、多くの企業では部分的に手掛けています。当社は全てをワンストップで対応することで、お客様とのコミュニケーションコストを大幅にカットし、高い品質と費用の削減を実現させています。そして、あらゆる工程でKPI/KGIを明確にすることで、お客様に対して納得感の高いサービスに繋げています」と取締役・Webプロデューサーの安田陵氏は胸を張る。

技術面では、2009年の設立当初からWordPressに力を入れ、現在は制作案件の80%で活用している。その理由を、安田氏は次のように説明する。
「当社の方針として『つくって終わり』ではなく、納品後にいかに運用しやすいサイトにするかを最重視しています。そのような、ユーザーに配慮した設計・構築がお客様から高く評価されています」

加えて、クライアントに対しては、ホームページ制作プランのようなパッケージを設定し、その範囲内でサービス提供を行うといった姿勢は取らない。
「お客様のWebサイトの現状における問題点等を遠慮せず指摘して、どうすればいいかのアドバイスもしています。ウエットに寄り添いながら、腰を据えてお客様の課題解決を支援するというスタンスが身上と言えます」（安田氏）。

こうしたサービスの質や幅の広さとスタンス、コストメリット等が評価され、クライアントは航空会社やスポーツ用品メーカー、大手アパレルチェーン、プロスポーツチーム、外国の観光局等著名なブランドが顔を揃える。2018年度の顧客数と発注数から2022年度まで5年間ですべて3倍以上に増え、売上は毎年120～130%伸びながら成長を続けている。

同社の設立は2009年7月であるが、創業は2004年にさかのぼる。インターネットビジネスが急拡大を始めた当時、異業界にいた代表取締役の八木澤栄治氏が将来の可能性を確信。知人で既にこの業界で活動を始めていた安田氏らと共に、Webサイトの構築を手掛けるサービスをスタートさせた。
「Webによるコミュニケーション環境の創造等、ITを活用してクライアントやエンドユーザーに新しい価値を届けることを理念に掲げて創業しました」（安田氏）。

そして、同社を設立するに際して、「すべてはITテクノロジーの先にある『感動』を創るために。」とのMissionを掲げた。

本拠地は、八木澤氏や安田氏の生活拠点である秋田市に構え、2013年には東京オフィスを設立。2021年にはベトナムのハノイにオフショア開発拠点を設立した。
「人材採用や運営コストを考え、自前の拠点にしました。結果、意思疎通もしやすくスムーズな開発体制がつくれています。現在、10名のエンジニアが在籍しています」（安田氏）。

また、2021年に大阪在住のメンバーが入社し、大阪にも足場を築く。近いうちに大阪オフィスも構える予定だ。なお、勤務地は東京、大阪、秋田、ハノイから選ぶことができる。

今後の経営計画として、5年後に現在の売上高の約5倍となる15億円を目指す。その成長戦略として、自社サービスの開発をスタートさせている。
「ビッグデータをマイニングし、AIを用いて未来予測を分かりやすく見える化。どなたにも使っていただけるようなプロダクトです。このために、新たにR&Dセクションを新設し、ハノイのエンジニアも加わって八木澤直下で開発プロジェクトを進めています」（安田氏）。

一方で、既存サービスの着実な成長戦略も進めていく。
「広告運用やメールマガジンの開封率、サイトのコンバージョン等のKPI/KGIの改善という当社の強みを地道にお客様に届けることで、地に足を着けながらの成長も志向していきます」と安田氏。

2023年1月現在、同社の社員数は34名（うち、国内組は24名）。女性が70%近くを占めると共に、20代が45%、30代が35%と若いメンバーが多い。そんな同社の組織風土づくりのコンセプトは、“Life with Community”。立場や経歴に関係なく、率直にコミュニケーションが取れるカルチャーを築いている。

そのための施策は多層的に実施している。まずは、小規模のチームに分けてのチーム別および全体での定期ミーティングを短時間で多めに開催。また、チーム内で話しづらいことでも、1on1ミーティングで拾い上げている。1on1では、目先の業務だけでなく、将来のキャリアビジョンも話し合っている。
国内3拠点に分かれると共に、フルリモートワークのメンバーもいる同社では、毎日オンラインでのランチミーティングを行っている。
「参加自由ですが、連日ほぼ全員が参加しています。これによって、大阪や三重といった秋田から離れた場所に一人でいるメンバーも、仲間意識や一体感を持って過ごせていると自負しています」と安田氏は言う。

さらに、毎年1回、全員が秋田オフィスに集まり、各チームのビジョンの発表と共有、および親睦を図る社員総会を開催。加えて、毎年2月の営業日を充当し、秋田に集まってスキーやスノボ等を楽しむイベントも行っている。

こうしてつくられている同社の雰囲気について、ゼネラルマネージャーの金谷遥氏は次のように話す。
「上下関係がフラットで、アイデアや意見はすぐに代表や幹部社員に言えるオープンでフランクな雰囲気があります」
「私はメンバーからよくからかわれます」と安田氏は補足する。

社員の成長にも力を入れている。個人のスキルアップを支援するため、資格取得に必要な諸経費を会社が負担するだけでなく、取得者には毎月資格手当を支給している。
また、業務以外でもイノベーションに繋がると会社が判断した取り組みには、会社が費用負担や業務の調整をして支援する「チャレンジ制度」もある。
業務に関する勉強会は、デザイナー、エンジニア、広告運用・マーケティング、およびバックオフィスという職種ごとにそれぞれ最低でも週1回開催し、知識やスキルの習得を図っている。

秋田オフィスは、2019年秋、市内に独自設計による2階建ての建物を新築した。スタイリッシュな内装で、気持ちよく働ける空間を実現させている。この狙いについて、安田氏は次のように説明する。
「ビル内のオフィスだと“職場”というイメージが強いと感じます。そうではなく、自分達が好みのライフスタイルに即したワークスペースをつくりたいと考えました。八木澤達が自ら設計し、理想の環境をつくり上げています。」

個人のワークライフバランスを重視する同社では、基本的に残業ゼロも大きな特長だ。
「就業時間は10～18時で残業がないので、私のような子育て中のメンバーも特に短時間勤務なしで対応できています。もちろん、短時間勤務が必要なメンバーは個別対応しています」（金谷氏）。

そんな同社が求める人材像について、安田氏は次のように期待を寄せる。
「相手を理解した上で、きちんとコミュニケーションが取れる方。意外にできていない人が多いと感じていますが、私達が最も重視していることです。そんな方にぜひ来ていただきたいと願っています」