株式会社エム・アンド・アイ

株式会社エム・アンド・アイは、13期連続黒字経営を継続している独立系SIerである。東京本社のほか、福岡にも事業所を構えており、社員数は約180名。2022年3月期の売上高は23億5,000万円だ。取引先は製造や銀行、金融、保険業界が中心で、日本を代表する大手製造系企業等も名を連ねている。しかも、長年取引が継続している顧客が多数を占めていることも特徴的だ。取引が長い分、業務知見の蓄積も豊富で、顧客にとって大切な取引先としての関係性を築けているのだろう。
「お客様の中には、前職からお付き合いいただいている企業もありますが、私が当社に入ってから既に13年経っており、その間、お客様との関係性をより強いものにしてくれたのは、誠実に仕事に取り組んでくれている社員のおかげでもあると思っています」（代表取締役社長・笹治真人氏）。

手掛けるシステムやアプリケーションは業務系であり、インフラやセキュリティ構築案件も少なくない。上流工程から下流工程まで、インフラからアプリケーションまで幅広いプロジェクトにチームで参画しているため、実務の中で人材を育成していく環境があるのも強みの一つだと笹治氏は語る。
「未経験者や経験の浅い人でも、下流工程から経験を積みながら技術を磨いていくことができます。力が付けば、上流工程にステップアップもできるので、エンジニアとして幅広い技術や知見を身に付けることも可能です。同じチームには経験豊富な中堅、ベテランエンジニアがいるので、分からないことがあれば、気軽に聞ける点も安心なのではないでしょうか」

チーム単位でプロジェクトに参画できるのは、顧客との信頼関係があるからこそだ。顧客との関係性が良好であることは、手掛けるプロジェクトの半数以上が一次請けであり、エンドユーザーとの直接取引がある点からもうかがい知ることができる。エンドユーザーに近いポジションで仕事ができるため、ユーザーの生の声を直接聞きながら企画・設計・開発に携われる機会があり、そこをやりがいと感じている社員も多い。

だが、同社が社員定着率95%以上を誇る理由は、これだけではない。

同社は、社員の“自己実現”を大切にしている。その後押しとなる仕組みや制度づくりも積極的に進めており、その一つといえるのが、2023年4月に実施される事業部制への転換だ。

転換前は社長の直下に八つの部門があり、それぞれを部長が統括していたのだが、顧客の業種や技術、東京本社、福岡事業所といった地域をベースに四つの事業部へと再編して、独立採算制を導入。事業部長を配置すると共に、事業部長を役員に登用するという。
「事業部長として事業部の運営・業績に対する責任を明確にすることで、今まで以上にモチベーション高く取り組んでもらえるようにするのが狙いの一つです。また、役員として経営に携わることで、経営人材の育成にも繋げていきたいと考えています」（笹治氏）。
事業部長が事業運営に集中することで業績の拡大や利益率の改善を進め、会社の成長へ繋げていくこと、同時に、事業部長として事業部の経営を経験することで「後継者を育てていきたい」ということだ。
「4月には札幌に事業所を開設する等、部署をまとめる、業績に責任を持つといった経営を体感できるポジションを今後も増やしていき、社員が自己実現できる機会を増やしていきたいですね」（笹治氏）。
今後、魅力的な会社や事業があればM&Aを行い、ホールディングス制を導入する考えもあるそうだ。そうなれば、さらに経営的ポジションで経験を積むチャンスが増すことになる。

また、社員から自社サービスをつくりたいという声もあり、「早ければ来年の春くらいから投資していこうか」と考えているそうだ。このように世の中の動きや社員の熱意に柔軟に対応しながら事業を拡大していき、2030年度末には売上高70億円、社員数500名、平均年収700～800万円の企業へと同社を成長させることを目指している。
「社員には、仕事にやりがいを持ちながら働いてほしいです。仕事を通して自己成長も実現してほしいという思いも強くあります。さらに、エム・アンド・アイという器の中で、いろいろなことができる環境を整えて、年齢を重ねても働き続けられる、そんな自慢できる会社を目指しています」（笹治氏）。

経営的ポジションにおける経験を、魅力的だと考える社員ばかりではないだろう。だが、同社では「成長の手応え」や「働きやすさ」に通ずる制度整備にも力を入れているので、やりがいを実感しながら業務に携わりやすい環境がある。例えば、「セルフデシジョン制度」。これは、自身のキャリアを自分で選択できる制度だ。仕事に対する適正や今後のキャリアについて、ある程度具体的にイメージできるようになる30歳前後のタイミングで、技術スペシャリストを目指すか、組織管理職を目指すか選べるようになっている。

また、仕事の習熟度を高めてくれる各種研修制度もある。入社後のビジネスマナーやビジネス基礎研修に始まり、IT基礎研修、プログラミング研修等、未経験者でも安心して実務に入っていけるプログラムがあるだけでなく、外部研修機関の約150種類に及ぶ講座を自由に受講することが可能だ。

「社員がやりたいことに経営陣が耳を傾けてくれるのも、当社の魅力です。一方的に仕事を与えられるのではなく、社員の意見を吸い上げようという文化があり、社長に意見を言いやすい雰囲気もあります。お客様との交渉事を任せてくれる懐の深さもあるので、主体的に仕事に取り組むことができる点もいいですね」（取締役兼 ビジネスソリューション第１事業部 事業部長・五十嵐氏）。

ただ、このような環境があろうとも、社員自身に“それを生かそう”という意識がなければ宝の持ち腐れとなってしまう。だからこそ、「自己実現意欲の高い人、目標の高い人」を求めていると笹治氏は言う。
「目標や実現したいことは、人それぞれで構いません。お金でも時間でも技術でも人脈でもいいと思います。ただ、仕事を通じて自分の幸福度を上げていきたいという気持ちは、強く持っていてほしいと思っています」

そして、エム・アンド・アイという会社を活用して自己実現に繋げてもらいたいと続ける。
「当社だからこそ築けるネットワークや技術というものがあります。当社には、特にそういったものを手にするチャンスが数多く埋もれています。そして、当社で得たものは、必ずや、将来に対して強いツールとなるはずです」（笹治氏）。
「夢を持ち、それを実現したいと思っている人は、ぜひ一度話をしましょう。その夢の実現を会社としてサポートできるかもしれません。お待ちしています」（五十嵐氏）。