CTO 清水 巌氏ご略歴をお教えください。
学生時代からゲーム会社と関わるようになり、プログラマーとしてファミコンソフトの開発に携わりました。 5～6年後、コンピュータの知識を活かしPC雑誌の出版社に入社します。その後、ソフトバンクの出版事業部に移り、1992年の『UNIX user』という雑誌の創刊メンバーになりました。編集長を経て、技術系の雑誌や書籍を扱うテクニカル局の責任者に就任しました。 1995年、出版不況という状況の中で、アメリカのZiff-Davis Publishingという出版社を買収しました。その後、1997年にジョイントベンチャーとしてIT分野の総合情報サイト『ZDNet Japan』を立ち上げ、私はそのスターティングメンバーとして加わりました。 1999年に『ZDNet Japan』を運営するソフトバンク・ジーディーネット株式会社が分社化され、私も転籍しました。その後、社名がアイティメディア株式会社に変更され、総合情報サイトも『IT media』に名称が変わりました。私は主に技術分野を担当しており、後に、常務取締役CTOとして東証一部（現・東証プライム）市場上場を果たしました。 ダイヤモンド社との初めての接点は、2018年の秋頃に知人から社長を紹介されたことです。DXについていろいろ話していると、「では、それをやってください」と依頼されました。1年に渡り熱心に誘って頂いた結果、大きな可能性と面白さを感じるようになり、2019年10月に入社しました。
入社を決めた時、どんなビジョンを描きましたか？
元々本や雑誌が好きでしたが、90年代にはこれからはインターネットの時代が来ると思いネットメディアに走りました。 しかしながら、出版事業はずっと心に残っていて、市場は縮小しているなどと言われる事もありますが、まだまだポテンシャルは充分にあると思っています。ダイヤモンド社から声をかけてもらった時、エンジニアキャリアの集大成としてリアルメディアにチャレンジするのもいいかなと考えたのです。ダイヤモンド社のコンテンツ力ならそれができるという可能性を感じました。 また、エンジニアが真に力を発揮できる組織を作り出したいと考えています。現在の多くの企業はエンジニアに専門外の隣接領域までも任せていますが、それでは全部が中途半端となってしまいます。エンジニアが力を発揮できるのは、そこを切り分けられる専門家がいる環境でこそ。そんな組織をつくれば、エンジニア自身も、企業も、そして社会全体にとってもいいという“三方よし”が実現できると思っています。
清水さんの仕事観をお聞かせください。
私は、仕事とは人と人との繋がりの力だと考えています。IT分野の総合情報サイト運営会社で20年間を過ごした後、現在の会社に移ったものの、多くの人から「また一緒に仕事がしたい」と言ってもらえたのです。かつて、その人との仕事で成果を上げたりなど、 彼らと良い経験を共有できたからだと思います。もし不快な思いをさせてしまったら「二度と一緒に仕事をしたくない」と思われてしまう。これが仕事の本質だろうと思うのです。 私は役職や雇用形態によって人々を区別することは好きではありません。同じゴールを共有するワンチームで一緒にやっていきたいという思いが強くあります。
社員に対して、御社でどんな経験を積んでほしいかの思いをお聞かせください。
成功体験を積んでほしいですね。よく、シニア層が「あの頃はひどかったね」という話をしますが、そうやってひどかった時期を笑い飛ばせるのは、苦労して乗り越えた共通体験があるからです。もし失敗のままなら、なかったことにするでしょう。せっかくの苦労をなかったことにするのは、不幸なことです。 ダイヤモンド・デジタル＆クリエイターズは創業直後。これから辛いこともたくさんあるでしょうが、5年後、10年後に笑い飛ばせるくらいの成功体験を積んでほしいと思っています。 これを読んでいる求職者の方が、新しいことにチャレンジしたくてもできない環境に悶々としているとすれば、当社で思い切りチャレンジするのは一つの手です。当社の規模はまだ20名に満たないほど小さいので、やりたいことは基本的に何でもやれる環境があります。その代わり最後まで完遂してもらうけれども、会社としても最後まで伴走します。会社が認めた後にチャレンジすることを止めるということは絶対にしないと約束します。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか？
犬と散歩を朝と夕方、嫌なことがあれば昼間もしています。気分転換や考えをまとめるのにちょうどいい時間ですね。 コンピューターについていろいろ読んだり考えたりもしています。例えばChat GPTが登場した時は真っ先に触って、 いろいろ考えたことを同様に考えている人のブログやSNSにポストしたり、議論したりといったこともしていますよ。
