株式会社CLLENN

株式会社CLLENNは、登録者数3,000万人以上を誇るプラットフォーム「DMM.com」の運営を行うDMMグループ内の1社として、オリジナルデジタルコミックを制作する役割を担っている。電子配信で読者が読むことを前提とした「ボーンデジタル(デジタルファースト)」の出版社として既に15年以上事業を継続している。

これまで同社は、読者のニーズに合わせた多様なジャンルでのレーベル展開を行っており、2,000タイトルを超える作品をリリースしてきた。そのタイトルを展開する中で、累計300万ダウンロードを超えるヒット作を生み出し、海外での作品配信もするなど、国内はもちろんグローバル規模でのコミック需要に応え続けている。また、作品の映像化やイベント開催、グッズ販売といったメディアミックス事業も盛んに行うなど、コミック制作を軸とした幅広い活動によってヒット作を生み出しているのも、同社の特徴と言えるだろう。

「今回100人採用を進める理由は、たくさんの新たな作品をより多くの読者さんに届けたいという思いからです。自社の編集ノウハウを未経験のメンバーにも落とし込み、出来るだけ早期に編集者として実践を行ってもらいます。何が面白いのか、何が売れるのか、何が作家さんにとって大切なのか、を現場で覚えて頂きながら仕事を進めていきます。そういう意味では、当社の特徴は、作品を生み出す上での“打席数”が多いという部分があげられるかもしれません」

そう語るのは、DMMグループ内デジタルコミック事業部において副部長兼編集局長を務める布川敦司氏。同事業部には、株式会社CLLENNの他に、「株式会社コミックストック」という同じくデジタルコミック事業を行うグループ企業があり、布川氏はその企業の代表取締役も務める、いわばグループ内での編集総責任者となる人物だ。作品を生み出す上では、成功だけではなく失敗に終わるケースが当然あるわけだが、同社では作家様との関係性を重視しながら積極的に作品を世に出し続けていく必要があるというのが、制作現場の先頭に立つ布川氏の実感である。

「“打席数”を増やす上では当然コスト予算も必要になりますが、グループとしての規模があることもあり当社はそれを確保することができます。そのメリットを活かし、ニーズのあるジャンルにおいて作品を提案し続けられるのは、間違いなく当社の強みの1つとなっていると思います」（布川氏）。

「デジタルコミックの領域で業界No.1を目指す」という今後の同社の目標を達成する上でも重要な要素になるのは、作品のIP展開になる。布川氏が自社の強みの1つにも繋がっていると語るのは、グループ会社としてのシナジーだ。アニメ化、ドラマ化、紙出版、グローバル展開等、事業を拡大する際にはコミック作品の魅力を伝えやすいフォーマットに変換し、多方面へのメディア展開が必要になると布川氏は語る。その多角的な戦略を実行する上で、グループとしてのシナジーはより大きな力を発揮するということである。

「デジタルコンテンツの領域でトップを目指すには、もちろん時間は掛かるわけですが、何事も“No.1を目指す”という意識で取り組まなければ面白くない、というのが当社の考え方です。その目標達成のために、作品の多言語化はもちろん、紙媒体での展開、映像化等も含めたあらゆる施策を実施していきたい、コミックをベースとした事業を網羅的に展開したいという思いを持って、現在は企画立案から取り組みを始めているところです」（布川氏）。

その目標を達成するための施策の1つは、グループとしての注力事案となっている『編集者100名募集』という採用プロジェクトである。母体である合同会社DMM.com、株式会社コミックストックと共に、グループ内3社で展開するこのプロジェクトは、コミック編集業務の未経験者も対象とし、自社の制作体制を強化することに加え、業界内の人材獲得にも貢献したいという思いがあると布川氏は語っている。

「サブスクリプションが拡大している現状がある一方で、デジタルコミックの業界は課金コンテンツを販売するビジネスモデルが未だ主流です。コンテンツ業界の中でこのようなケースは、かなり稀有なケースだと思っていますし、その成長市場で結果を残すことで人材の成長も見込めるというのが私たちの考えです。もちろん経験者の方も広く募集し、またデジタルネイティブやZ世代と呼ばれる世代の方々の感覚も取り入れ、業界に“新しい風”を入れながら活性化していきたいと、当社では考えています」（布川氏）。

100名規模での人材採用プロジェクトを進める同社において、現在活躍しているメンバーたちはどのような特徴を持っているのか。また、どんな人材がマッチし、編集者としての成長を実現できるのか。その問いに対し、布川氏は次のように答えている。

「マンガが好き、エンタメが好きという共通点はもちろんあると思います。これから加わっていただく方々、当社で成長を目指す方々に対しては、その“好き”という気持ちはもちろん持っていてほしいですし、加えてご自身のキャリアプランを明確に描きながらチャレンジしてほしいと思っています。今回の『編集者100名募集』は、経験者の方は編集長やさらにその先のキャリア登用も見据えた成長が可能ですし、未経験者の方にとっては“ゼロをイチに”するチャンスがあります。その意味では、当社への転職をステップアップのために利用する、という意識で臨んでいただいても良いと思います。数年間時間を掛けて自分に自信をつけながらキャリアアップする場として捉えていただきたいですね」（布川氏）。

布川氏は、デジタルコミックの業界で編集者として活動する上での“やりたいこと”は、与えられたミッションを完遂する仕事の中で見いだすのではなく、自分自身の考えを基にした取り組みによって具現化するべきだと考えているという。良い作品を自身で見いだしながら作家と共に歩み、世の中に価値を問うことができるデジタルコミック業界は、自己実現のチャンスに溢れたフィールドであるというのが、布川氏の考えだ。

「“ゼロをイチに”したい未経験者の方にも、また業界内でのキャリアアップを目指す経験者の方にも、当社や当グループの面白味を実感していただきたいと思っています。もちろん、結果を残せばその実績に加え、報酬などの形で評価を得ることもできますし、何よりも新しいことに積極的に取り組み、変化を感じ続けることができるのが当社の魅力です。これまで異業界にいた方でも、ご自身が興味を持つことを具現化したい、面白いことにチャレンジしたいという思いをお持ちであれば、ぜひ当社の業務に参加していただきたいと思います」（布川氏）。