MKIテクノロジーズ株式会社

MKIテクノロジーズ株式会社は、2007年10月に三井情報株式会社の子会社であるMKIテクノサービス株式会社と、エムケイアイソフトウェアサービス株式会社が統合して誕生した。“多様化するICT時代と向き合うプロフェッショナル集団”と自らを位置付ける同社では、エンドユーザー向けITヘルプデスク・コンタクトセンター業務を推進する「テクニカルアシスタンスセンター」、バックオフィス業務の標準化・最適化・サービス化・自動化を実現する「シェアードサービス」、システムの運用保守工程から次の時代に向けたDX/CXをつくり出す「サービスデスク」、最適なICTプラットフォームの提供を目指す「アカウントサービス」という四つの軸で事業を展開している。

MKIグループの企業としての統合から15年が経過し、現在の同社は“安定化”を果たした段階から、次なる時代に向けた“盤石化”を図るフェーズを迎えているという。

「売上高、利益に関する目標を達成し、事業基盤が安定する中で、現在はダイバーシティ推進や中途採用、そして人材育成にも取り組みながら、社内体制やビジネスを盤石にするための動きを加速させています。例えばコールセンターに関する業務も時代の流れの中で様々な変化を遂げてきましたが、現在は労働集約型の運営から高度なシステム化へとシフトしつつあり、AIチャットボットやクラウド基盤といった「新技術商材」に取り組んでいます。また「品質の可視化」をはじめとした当社としてのデジタルトランスフォーメーションなどの展開を進めている状況です」との説明があった。

直近では、直下型地震に対する防災対策を進める東京都と歩調を合わせる形で、「既存事業の盤石化」にも注力。親会社である三井情報株式会社の「音声クラウド商材」を利用し各顧客企業向け機器保守サービスの冗長化ニーズに対応する施策も積極的に実施する等、まさに時代に即したプロ集団としての活動を展開している。サービス提供の面で、変化するニーズにマッチした展開を続ける同社だが、その最大の強みはどこにあるのか。

「総合商社である三井物産株式会社の情シス機能をルーツとする当社は、柔軟に時流に対応してきた歴史に特徴があると思っています。高度化観点では「品質可視化」にAIやクラウドといった技術を活用できたのも、SI領域等の多様な事業領域との連携があったからこそ。「新たな付加価値を自分達で打ち出す」ことができるのが、「私達の強み」だと言えます」という答えであった。

企業体制と事業の“盤石化”を図る中で、同社が今後の展開において特に力を入れていくのが「品質の可視化」に関する取り組みだ。自社サービスの利用状況を把握し、自分達の役務がどのような影響を顧客に及ぼしているかを明らかにし、その効果を計測していくことが、これからの時代を迎える同社の中心的な施策になる。

「システムやサービスの運用・保守に関する専門会社として、ご提供したものがどのように使われているか、お客様にとっての投資効果が最大化されているかを見極めることが、これからの私達のミッションになると思っています。DXに関する取り組みの成果をお客様と共有しながら、CX（カスタマーエクスペリエンス）と結び付ける。その結果、システムデータと私達の業務が結び付き、運用・保守の工程に役立てることができる。その取り組みを進めるために、利用ログやエンドユーザーからのメール等を自動処理し、AI等を活用しながら分析していくことに、今後は注力していく考えです」との説明があった。

その取り組みに必要となる人員の増強も、同社にとっての大きな課題になる。人材力に関しても他社との差別化を図るタイミングだという考えであり、提供する価値を高めるための教育手法の検討を進めているのも、現在の同社の大きな特徴と言えるだろう。

「“基礎的な理解”の証しとなる国家資格を有する人材の採用や、独自のカリキュラムを充実させた教育体制によって若年層の育成を行う等、業務の品質を高めるための採用・育成手法の変革も行う段階に当社は入っていると考えています。実力のある人材を採用し、運用・保守工程という業務領域を経験してもらいながら、新しいことにチャレンジする意識を養っていただきたいと、私は考えています」という言葉が同社の統括部長からあった。

その方針の下、同社ではより「個性」を重視した採用を進めている。その人材がこれまで挑戦的に取り組んできたこと、そしてキャリアの築き方に対する考えを確認し、特性を見極めながら自社サービスの発展に寄与してもらう。新たに迎える個性的なメンバーと共に挑戦を続けていくことこそ、未来に向かう同社の考えなのである。

約480人のエンジニアが在籍し、大手商社グループに属する同社に対しては、厳格な雰囲気を持つ大手企業というイメージを持たれることも多い。しかし実際の同社には、各メンバーが個性を発揮できるオープンな雰囲気がある。大企業としてのフォーマットに社員達が合わせるのではなく、個性を結集させることで自社の次の業態、そして企業として進む道がつくられてきたのが同社だ。

「マネジメント側も、現場のメンバーがいかに頑張っているかを常に認識しています。そのオープンな雰囲気が当社の魅力で、先日の懇親会にはもちろん代表取締役も参加しましたし、取引先やグループ企業の方々も参加していただき、大いに盛り上がりました。こうした“現場重視”の文化は、当社が総合商社を原点とする企業だからかもしれません。“こういうビジネスをやりたい”という社員の意思を尊重し、トップダウンではなく現場発信の形で事業を発展させていく。老舗企業の関連企業でありながら、IT業界の変化に対応できる“勝ち組”になる上でも、その文化は大きな力になっていると思います」との説明があった。

同社では、職域を問わず技術職のメンバーにも「顧客に寄り添う」という意識が共通している。その意識の下、社員達が“顧客が何のためにITを活用するか”“何を実現するための技術を取り入れるか”ということに着目し、共通のゴールを設定しているからこそ、ニーズに対する的確な対応が可能になっているのだろう。そんな社員達のキャリアに対し、次のような考えがあると語ってくれた。

「“キャリアパスは自分で考えるもの”と突き放すことなく、教育に力を入れながらその成長をサポートする文化があるのも当社の魅力の一つだと思います。1on1の面談を通してキャリアに関する相談も受けていますし、また他部署の上司も含め、誰にでも質問・相談ができる文化もありますので、キャリアパスを自分で考えるための材料が豊富だと感じていただけるはずです。個性を発揮しながら自分の居場所をしっかりと認識し、多様な先輩や上司と接しながら自分のキャリアも描くことができる。IT業界のビジネスが次の段階に進む今、自社の事業を進化させる面白味、そして自身の成長を実現するための環境が充実していると実感できる当社に、ぜひ来ていただきたいです」。