株式会社NSM

株式会社NSMは、老舗の独立系SIerの事業基盤を引き継ぐ形で、2019年に設立されたシステム開発会社。同社の源流を遡れば、1973年に組み込み型マイコンのソフトウエアハウスとして創立された日本ソフトウエア株式会社に行き着く。その老舗SIerの東京事業所を分社化し、日本ソフトウエアグループの子会社、株式会社スタークマインドと合併する形で、NSMは誕生した。

設立間もない会社だが、日本ソフトウエアの東京事業とスタークマインドの事業を引き継いでいるため、経営基盤は安定している。日本ソフトウエアの顧客であった大手企業の案件を継続して受けており、長く取引しているクライアントが大半だ。

「所属するエンジニアのスキルに合わせてプロジェクトをアサインするのではなく、クライアントのニーズに合わせて当社のエンジニアがチームでプロジェクトを推進します。エンドユーザー直請けのプライム案件を中心にしているため、3次請け・4次請けのような立場ではなく、クライアントに近いポジションで仕事ができます。」（代表取締役社長・矢追龍之介氏）

同社が、クライアントに提供しているサービスは幅広い。システムコンサルティングからWebサイト制作・コンテンツ制作・運用まで、クライアントのニーズに応える形で技術力を強化してきた。

「SAPのERPシステムの導入支援からiPhone/Androidアプリケーションの開発、AR（拡張現実）やデジタルサイネージの企画・開発も手掛けました。当社が目指すのは、ICT(通信情報技術)を活用したお客様のニーズに合った、プロフェッショナルとしてのサービス提供。適切なタイミングでスピード感をもって提供することで、お客様のビジネスを強力にサポートできると確信しています。」（矢追氏）

ウォーターフォール型の開発だけでなく、アジャイル開発にも対応し、情報セキュリティに関する国際標準規格である「ISO/IEC 27001」の認証を取得。情報セキュリティ対策の経験を生かして、安全なソフトウェア開発を提供している。

受注管理システム・在庫管理システム・生産管理システム・倉庫管理システムと、様々な業務用システムを開発してきた実績を持つ同社がシステム開発事業の中で特徴としているのが、オフショア開発。ベトナムにあるグループ会社「3S Intersoft」を通じて、オフショア開発を活用している。

「ハノイ本社を中心に、約200名のエンジニアが在籍する3S Intersoftのオフショアチームは、ベトナム内外の顧客に対して、包括的なソフトウエア開発だけではなく、AI等の最先端の技術も提供しています。当社が所属するNSグループがベトナムで設立した会社であり、経営層に日本人も在籍しており、当社とも強力なパートナーシップを結んでいます。フロント対応は当社の日本人SEと営業が担当し、詳細設計・開発・単体テストの部分をベトナムにて実施します。」（矢追氏）

同社は、日本ソフトウエアを源流とする「NSグループ」の一員。NSホールディングス株式会社を中心に、グループ各社間でシナジーを創出し、グループ全体で拡大・成長を志向している。

1973年設立の会社を源流に持つ老舗の独立系SIerである同社だが、今の会社が誕生したのは2019年。昔ながらの会社が持つ良い面を継承しつつ、矢追氏の下でベンチャー企業のようなフットワークの軽さで事業を成長させていく予定。もちろん、組織面でもベンチャーのようなスピード感ある自由闊達なカルチャーの醸成を目指している。

「人と人の関係を大切にする会社にしたいと考えています。既存メンバーもみんな穏やかで優しい人達なので、人間味や情緒の溢れる会社であり続けたいです。会社の仲間と良好な人間関係が築けないと、プライベートも充実しません。その意味では、入社するメンバーとは、面談を通してカルチャーマッチを探りたいです。応募者にもいろんな質問をしてもらい、当社のカルチャーや価値観を理解してもらいたいと思っています。」（矢追氏）

会社の組織面や制度面を作り上げるために、同社では「衛生委員会」「ISMS推進委員会」等を定期的に開催し、社長と社員が直接話す「懇談会」を年に数回実施して、社員の声を吸い上げている。実現できるものから順次、会社に取り入れていく。そうして、社員達が望む組織を作り上げようとしている。

「当社は、まだメンバー全員の顔が見える規模の会社。だから、社員の要望は積極的に取り入れたいと思っています。もちろん、経営的に難しいケースもありますが、その際も社員にちゃんと説明して、チャンスがあれば実施する旨を伝えています。社員が働きやすい会社をみんなで作る。私はその“取り纏め役”だと思っています。」（矢追氏）

日本ソフトウエアの経営基盤という安定性の上に、新しく「NSM」の土台を作ろうとしている。他社でのエンジニア経験を生かして“自分達の会社”を作り、スキルアップを実現してエンジニアとして存分に活躍したい人材を、同社は広く募っている。

「大きなエンジンを積んで安定した走行ができる会社です。その経営基盤を社員が上手く活用できる会社にするのが、私の役目です。日本ソフトウエアの廉価版になることなく、親会社を追い越してグループ全体を牽引できるような勢いある会社を作りましょう！」（矢追氏）