ARSTECH GUILD株式会社

ARSTECH GUILD株式会社（アルステックギルド）は、高い技術力を駆使してハイクオリティなゲーム開発を提供する開発スタジオ。大手ゲームパブリッシャーの有名タイトルの開発も手掛け、コンシューマーゲームでもスマホゲームでもヒット作を持つ、国内でも数少ない実績を持つ。

コンシューマーゲームでのミリオン（100万本販売）と、スマホゲームでのアプリストア1位（売上）、2つを実現したゲーム会社は国内でも数えるほどしかないが、ARSTECH GUILDはそのうちの一社だ。だが公にその事実をあえて公表しておらず、その点がARSTECH GUILDらしさでもある。

最大の特徴はその技術力の高さで、自らを「CG領域の精鋭・職人集団」と称しているように、CG領域で高い技術力を有している。リアルタイムレンダリングの技術には定評があり、CG技術が不可欠な現代のゲーム開発において市場価値が急増しているという。

「現在はゲーム開発をメイン事業に据えているため便宜上はゲーム会社を名乗っていますが、ARSTECH GUILDは技術主体のCGスタジオ。ゲーム制作会社と映像制作会社の強みを併せ持った開発スタジオです。リアルタイム技術を活用した映像制作やインタラクションを含む動的な映像コンテンツ等、新時代の映像を提供できる会社です。人気テレビアニメのエンディング映像の制作を手掛けた実績もあります」（執行役員 CHRO・小泉啓明氏）

アーティストとエンジニアのみで構成された「アート＋テクノロジー」に100%振り切った日本でも珍しいスタイルの開発スタジオ。「アートとテクノロジーで世界No.1のエンターテインメントを」というミッションを掲げ、国内TOPスタジオの地位確立を目指し前進している。見据える先は「世界でTOPランクのエンターテインメントの実績」。国内の地盤固めは着々と進行しており、現在もビッグタイトルを開発中だという。

「ゲームは日本が世界に誇る産業の一つです。ゲームハードの開発で世界の先頭に立ち、グローバルなゲーム会社がいくつもあります。しかし、開発スタジオで世界進出した会社はありません。国内の開発スタジオは日本のゲーム会社のタイトルを開発するだけ。当社は海外のゲームメーカーから開発を依頼される会社を目指しています」（小泉氏）

日本のゲームはかつて世界一だった。しかし、近年は欧米だけでなく、中国や韓国のゲームがマーケットで存在感を示しており、ゲーム開発の世界で日本の立場は脅かされつつある。そんな苦境に立たされる日本のゲーム業界に一石を投じたいという思いを抱いているという。

「CG映像の制作費は海外の一線級と比べると低価格。当社が開発スタジオとして海外進出することで、日本の開発現場に海外案件を持ち込むことができ、クリエイターへの還元を少しでも大きくしたいという想いもあります。幸いにも現在は円安の影響もあって、海外メーカーは日本の開発スタジオへ制作依頼をしやすい環境があります」（小泉氏）

一方で日本のゲームは国内だけでなく、世界でも評価の高いゲームは多数存在する。日本のゲーム開発のアイデアや表現手法、技術等は、現在も世界でもトップクラス。日本の開発スタジオにゲーム開発を依頼したい海外ゲームメーカーはたくさんあると、同社は分析する。

「日本人にしかできない表現や思いつかない発想はあると思います。日本の企画や技術・考え方・センスは世界で戦えるという話です。これまでは、国内のパブリッシャーの元に集結して、開発したゲームタイトルを海外へ送り出していましたが、当社は“開発”を世界に提供したいと考えています」（小泉氏）

ARSTECH GUILDが「開発スタジオの海外進出」に向けて、最も力を入れているのが人材採用。優秀なクリエイターやエンジニアを結集して、海外進出にチャレンジする。あるいは国内TOPスタジオの地位を確立するためにも、技術力に優れ志の高い人材を必要としている。

「当社は働いているメンバーそれぞれが大切にしている価値観ややりがいを尊重し、クリエイターにとって働きがいのある環境を目指しています。給与面を改善したり働く環境を改善したり、メンバー全員に可能な限りマッチした会社となるよう常に努力をしています。大好きなゲーム作りで豊かな暮らしができる。そんな会社があると最高ですよね」（小泉氏）

高い技術力を武器に海外進出をすることで、日本のゲームクリエイターやゲームエンジニアの待遇改善を目指しているARSTECH GUILD。国内の開発スタジオと比べて、非常に“尖った社風”を持っているのも魅力だ。

「ARSTECH GUILDは秘密結社のような会社です。HPの開発実績記載なし。メディア掲載実績なし。講演・登壇・寄稿実績なし。インタビュー記事なし。SNSを使った情報発信なし。故にネット上に詳細情報がほぼありません。誰がいて、何名いて、何をやっているのか分からない。これは、私たちにとっての最大の誉め言葉であり、私たちのブランディング方針であり、ポリシーです」（小泉氏）

ARSTECH GUILDが秘密結社のように、浮上することなく水面下で確実に実績を上げているのは「カリスマ」を作らないためだ。日本のゲーム業界は、これまで幾人ものカリスマクリエイターを生み出してきた。翻せばそれは、輝かしい個人のネームバリューの影に、多くのクリエイターやエンジニアが隠されてきた歴史でもある。

「当社はチームの力を強みにしています。ネームバリューこそありませんが、非常にハイスキルな人材が集まっています。ARSTECH GUILDというのは影に隠れた存在です。当社がバリューを発揮できるのは、カリスマクリエイターの存在ではなく、開発現場で働く一人ひとりのクリエイター・エンジニアの努力の賜物です。そのために、これまで“露出”を控えてきました」（小泉氏）

2023年7月に旧社名「GUILD STUDIO株式会社」から現在の社名に変更した。新社名の「ARSTECH（アルステック）」は「ARS（ARTの語源となるラテン語）』と『TECH（テクノロジー）」を組み合わせた造語だ。

「2016年の創業時に、ちょっとわがままだけど、凝ったものや面白いものを作るのが大好きな職人達が集い、各々がエンターテインメントに対してこだわりと価値観を持って向き合う。そんなスタジオでありたいという想いからGUILD STUDIOを社名に決めました。その想いをこれからも引き継いでいくためにGUILDという言葉を残しました」（小泉氏）

人材採用においても、リファラル採用をメインに据え、転職エージェントや転職サイトへの求人は控えてきた。海外進出を本気で考え始めた今、同社はこれまでのスタンスを修正し、優秀なクリエイター・エンジニアの積極採用を開始する。一流の環境で活躍したいクリエイター・エンジニアには、千載一遇のチャンスだといえる。