株式会社イデアライブ

株式会社イデアライブは、大阪に本社を置き、全国に取引先を持つシステム開発会社だ。2010年10月に設立以来、業務系システムから個人ユーザー向けのモバイルアプリまで、幅広い領域での開発実績を築いてきた。2023年4月には、株式会社ディスコの資本参加を受け、さらなる成長に向けた体制作りを進めている。

同社の取引先は、大手SIerからスタートアップ企業まで、業種業態も規模も様々だ。技術領域も幅広く、物流管理システムやレセプト自動点検システム、準大手求人広告サイトや美容サプリECサイト、大手靴販売チェーンのECアプリ、第三者評価を基準に従業員のキャリアを可視化するHRテックアプリ等、業務系システムからWebアプリ、モバイルアプリまで多種多様な開発実績を持つ。

最大の特徴は、創業以来経営理念に掲げている通り、“イメージ通り+α”の提案を大事にしていることだ。機能構成の検討に入る前に、マーケティングファーストの観点からペルソナの策定や類似サービスとの比較など、訴求ポイントを絞り込むところからスタート。場合によっては、サービス内容や組織の体制作りなどにも関わる。

人事と営業を担当する羽場遼太氏が語る。

「お客様がご相談に来る際に感じておられる課題感は漠然としたものです。そこから具体的なイメージに落とし込んでいくのがまず私達の仕事です。その過程の中でお客様の要件を満たすために必要な機能を、ユーザー目線に立って提案しています」（羽場氏）。

このようにクライアントと共に本質的な課題解決を目指す親身な対応が顧客からの高い評価に繋がり、紹介を中心に取引先を拡大してきた。特に直近3年間は、売り上げを200%以上伸ばすなど、著しい成長を遂げている。

幅広い開発を行う同社の中でも、近年、特に引き合いが増えているのがモバイルアプリの開発案件だ。約4年前からアプリ開発にFlutterを採用したことで開発効率を劇的に向上させている。また、管理機能やAPIの開発では、LaravelPHPの管理系フレームワークVoyagerに独自のカスタマイズを施したものを使用することで、高レスポンスで拡張性の高い開発を行うとともに、高品質で使いやすいシステムを実現している。

このような技術を駆使し、増え続ける案件に対応してきた同社。アプリ開発の実績だけで100件以上に上る。従来は紹介ベースで取引先を増やしてきた同社だが、2022年には営業チームを組成。今後さらに、モバイルアプリ及びWEBシステムの開発事業に注力する構えだ。

代表取締役・松嶋隆士氏は、大手SIer出身のエンジニアだ。約6年間の在籍期間中には、大型テーマパークの入場者数管理システムの開発や、電子入札システムの提案活動等に従事。退職後はフリーランスエンジニアとして、通信系大手グループの開発案件に携わり、2010年10月に同社を設立している。

「物づくりにおいては、指示通りに作るよりも、それを超えたものを作った方が、お客様にも喜んでいただけますし、開発者自身の達成感も得られます。大手SIetでは難しい、自由な開発ができる会社を目指しました」（松嶋氏）。

経営理念の“イメージ通り+α”は創業当時から一貫して変わっていない。それを実現するために、松嶋氏自身、エンジニアとしてのスキルアップにとどまらず、マーケティングや組織運営、中小企業診断士などの資格取得を通して、幅広い視座を獲得し、開発業務に生かしてきたのである。

会社設立時、従業員数3名でスタートしたイデアライブ社だが、現在（2023年8月）は、20代から30代の15名のエンジニアが在籍している。同社が着実な成長を遂げられた背景には、エンジニアの育成力がある。未経験からでも2か月間でプロジェクトに参加し、開発業務に携われるようになる開発カリキュラムを独自に構築すると同時に「分からないことは質問する」「教えることで自分も成長する」文化を醸成。同時に「お客様のビジネスを向上させるサービスを構築する」「お客様は大切な友人である」「無限にスキルアップを続ける」という基本方針の浸透を図り、意識を高めてきた。これらの取り組みを通して未経験または経験の浅い若い人材を、短期間で一人前のエンジニアに育成しながら、顧客の期待を超える開発力を維持・発展させてきたのである。

今後はキャリタスグループの一員として、グループの開発に全面的に関わる他、クライアント獲得の後方支援など、グループのシナジーを生かした事業拡大が見込まれる。さらに、同社が独自に組成した営業部隊の取り組みによって、受注数も上がり始めている。

そういった中、課題となっているのが、これまでに育った若いエンジニアを束ねられるマネージャーやリーダー層の獲得と育成だ。

「事業拡大に向けて開発体制を強化するため、人事制度の再設計も進めてきました。若いメンバーが集まる会社ですので、新しい技術を貪欲に取り込み、会社全体のスキルを伸ばして、お客様の開発に生かしたいと考えています」（羽場氏）。

人事制度の再設計にとどまらず、同社は、ディスコグループへの参画を機に、社内体制の再構築を進めているところだ。例えばエンジニアリングチームを、バックエンドやサーバーサイドの開発を担当するサーバーチームと、アプリ開発を担うフロントエンドチーム、基幹システムなどの開発を支援するエンタープライズソリューションチームの3つのセクションに分けた。今後は各チームを独立した事業部として確立し、収益基盤の強化を図っていく計画である。

また、社内のセキュリティ管理を担うセキュリティマネジメントチームを新設。ディスコグループのセキュリティ基準に合わせたセキュリティ体制にアップグレードすることで、大手の開発に対応できる準備を整えている。今後も必要に応じた社内整備を進めていく予定だ。

その一方では、これまでに築いた同社としての基本的な文化は維持していく考えだ。もともと同社は、フラットで自由な雰囲気が定着してきた。社長を含めて役職名で呼ぶ習慣はなく、服装も自由だ。リモートワークの環境整備も進め、取り入れ始めている。そういった雰囲気の中、若い技術志向のメンバーが集まり、お互いに技術や知識を共有しながら幅広くプロジェクトを通して切磋琢磨している。

また、個人のキャリア形成は各自が考え、チームで築くスタイルを採る。技術を追求したい人、マネージャーとして活躍したい人等、将来のキャリア設計はエンジニアによって様々だ。そういった個人のキャリア設計を、会社全体で理解し、実現できるようプロジェクトにアサインしている。

また「無限にスキルアップを続ける」という基本方針に沿って、従業員の学習意欲を後押しする。技術書などの書籍購入や外部研修参加の費用は惜しみなく投資する。マネージャー層の研修など、未整備な部分についても、社員が参加したいと申し出れば承認する方針である。同社は創業以来、社員の自己研鑽を積極的に後押しし、各自の取り組みで獲得したナレッジを社内に展開してもらうことで、会社全体の底上げを図ってきた会社であり、今後もそれは変わらない。

「目の前のお客様の期待を超える開発をすることが当社の信条です。自社サービスを作り、資金調達をして世の中を変えるといった大それたことは考えていません。自由に様々な技術を取り込み、お客様に還元して貢献していく。そこにやりがいを見出せる方を採用したいと考えています。今回採用する方には、プレイヤーとしての貢献はもちろん、いずれメンバーのマネジメントもお任せします。興味を持たれた方はぜひご応募ください」（羽場氏）。