株式会社R.project

アウトドア領域におけるリーディング・カンパニーを目指している株式会社R.project。国内No.1のキャンプ場成長支援プラットフォーム「なっぷ」の開発を手掛けるデザイナーやエンジニアを求めている。

現在、R.projectでは合宿事業、キャンプ場事業、BBQ事業の3事業を展開している。

【合宿事業】
主に地方の遊休施設を活用し、スポーツ団体や学校、企業などのトレーニングや研修などを目的とした宿泊施設を運営。現在、富士山の麓に人工芝と天然芝のサッカーグラウンドや全天候型の運動場などを擁する施設など、関東圏を中心に11施設を運営している（2024年度に2施設増加予定）。

「チームが日常を超えるための伴走者になる」というミッションを掲げ、合宿を行うチームの練習目的や内容をヒアリングし、ハイタッチなサポートを行うことが特長的だ。

この事業においては、地方に散在し、施設の維持管理費が重荷となっている"未活用不動産"を活用する社会的意義や、合宿に最適化されたリノベーションにより施設の本来価値と現状価値のギャップを解消するビジネス的意義を追求している。

【キャンプ場事業】
子会社の株式会社Recampによるキャンプ場運営事業（2023年10月現在、6道府県で13施設）、R.projectによるキャンプ場成長支援プラットフォーム「なっぷ」事業、地域における魅力的なアウトドア体験の創出を支援する「官民連携アウトドアコンサルティング」事業、アウトドア産業の持続可能性を考える「アウトドア・イノベーション・センター」運営事業などを展開。

特に「なっぷ」は、5,000件超のキャンプ場情報を掲載し、年間約2,000万人ものUUを集める国内No.1のキャンプ場検索・予約サイトだ。それだけでなく、各キャンプ場に予約受付・管理やCRM、顧客分析、緊急通知などの基幹システムの諸機能や専任スタッフによるサポートなどを提供する“キャンプ場成長支援プラットフォーム”として、アウトドア業界の発展に貢献している。

【BBQ事業】
子会社の株式会社HEROが、都市公園内のデイキャンプ・バーベキュー場や民間遊休地のバーベキュー場を管理・運営（2023年10月現在、首都圏に17施設）。「手ぶらでBBQ」のムーブメントをつくったパイオニアだ。合宿やキャンプともシナジーが強いBBQは、アウトドアビジネスのリーディング・カンパニーを目指す上での重要なピースとして、2020年10月にM&Aによりグループ化した。

R.projectの創業は2006年11月。創業者で代表取締役の丹埜倫（たんの・ろん）氏は、それまでリーマンブラザーズ証券東京支店で日本株のトレーダーに就いていた。その傍ら、スカッシュの日本代表として世界選手権に出場するほどのスポーツ選手でもあった。そんな丹埜氏が独立して同社を創業した動機について、「地方の遊休資産に興味があった」と話す。

「私の父親はオーストラリア人なのですが、日本の古民家が大好きで、千葉県の古民家を別宅にして毎週末はそこで過ごしていたのです。東京の土地は高いですが、地方の土地は非常に安く、本来の資産価値と現状の資産価値にギャップが生じています。このギャップがビジネスチャンスになると確信して、地方の遊休資産に活用した事業を始めました」

千葉県鋸南町の保田臨海学校を千代田区から譲り受け、2007年に「サンセットブリーズ保田」という第一号の合宿施設に再生する。

「私にはホテル業のバックグラウンドがなかったことと、スカッシュ選手としてスポーツ合宿への理解があったことから、ホテル運営ではなく合宿施設の運営という選択をしました。合宿施設の立地には軽井沢や箱根のようなブランド価値が無用だったことも大きなポイントです。むしろ訪問者が少なく行き帰りに渋滞しないほうがいい。したがって遊休資産は合宿施設に最適と考えました」

キャンプ事業は、2カ所目の合宿施設に併設されていたことがきっかけとなった。想定以上に人気を集めたことから徐々に増やし、2019年4月にRecampを設立して分社化する。2021年には「なっぷ」を運営する株式会社スペースキーから「実際にキャンプ場を運営している企業が『なっぷ』を手掛けたほうがより成長させられる」と事業譲渡を受け、資本提携も締結した。

BBQ事業は、アウトドア領域を強化する方向性の中でM&Aを実施して参入した形だ。アウトドア領域の可能性について、丹埜氏は次のように話す。

「今後もテクノロジーが進展し、世の中がますます便利になることは間違いありません。そうした中で、あえて火起こしから始める不便なキャンプが人気を集めているのはなぜか。アナログレコードやフイルムカメラがリバイバルしているのはなぜか。私は、手間を掛けることでのみ得られる“不便益”の価値が求められていると思います。

一方、“VUCA”の時代にあって、自ら考え判断し変化に対応する力が求められています。まさしくアウトドアは“VUCA”そのもので、人を既成概念から解放する力があり、鍛えるのに最適な環境として人材育成ニーズに貢献できる。これら二つの側面から、今後も大いに伸びると考えています」

なお、合宿は英語で“Camp”と表現される。「日常のドアから非日常の環境に出る」といった文脈で“アウトドア”の一環とR.projectでは定義している。

R.projectの社員数は約130名で、RecampやHEROなどグループ企業を加えると約230名。各施設などで働くアルバイトを含めれば、1,000名ほどに及ぶ。そんなグループ全体の従業員全体を束ねるMission、Vision、Valueは、外部のコンサルティング会社も交えて検討しているところだ。
ただし、グループ化以前の合宿事業を手掛けていた段階で、次の6項目のコアバリューを策定している。

●先入観にとらわれない
●変化を楽しむ
●批判より提案
●人の喜ぶ姿に喜びを感じる
●非日常を信じる
●自分でハンドルを持つ

「このコアバリューはグループとなった現在でも基本的には変わっていません。このコアバリューをベースに新たなMVVの検討も進めていきます」と丹埜氏。コアバリューの浸透・推進策として、まずは人材採用において、カジュアル面談の段階から繰り返し応募者に伝えて理解や共感を確認し、選考している。入社後も、人事考課の指標に組み込むなどの工夫をしているという。

「全体会議で各部門の報告をする時、メンバーが自主的にトピックスの意義をコアバリューに結び付けて話すのを見て、相当浸透しているのだと実感しています」（丹埜氏）

人材育成においては、年齢や経験年数などは無関係にポテンシャルがあるメンバーにはチャレンジングな役割にアサインしてストレッチする機会を意図的につくっている。

「合宿事業部門の平均年齢は42歳ですが、部門長はアルバイトから社員に登用された32歳の若手が就任しています。そういう点では非常に実力主義と言えます。意欲や能力が伴っていれば年齢や経験に関係なくチャレンジする機会が沢山転がっています」と丹埜氏は説明する。

このGreenで募集するエンジニアやUI/UXデザイナーの採用を中心に進めていく。

「私が証券会社でキャリアをスタートした時は、アナログな証券取引がシステム化される転換期でした。テクノロジーが業界を大きく変えることを目の当たりにしましたが、それと同様の変化をアウトドア業界で起こしていきたいと考えています。困っている施設やオーナーさんがたくさんいます。『なっぷ』のブラッシュアップはもちろんですが、アウトドア業界全体のDXにチャレンジしていきましょう！」