ケイティケイ株式会社

名古屋市にあるケイティケイ株式会社は、プリンターのインクやトナーのリサイクル品を製造している。「リパックトナー」「リパックリボン」「リパックジェル」「リパックインク」と幅広い製品ラインナップで、オフィス用・家庭用を問わず、様々なプリンターでリサイクル品を活用できるようにしている。

使い終わったカートリッジを回収して、長野県駒ヶ根市と愛知県春日井市にある自社工場で解体・洗浄。トナーやインク等を再充填し、クライアントの元へ届ける一連の工程を同社では「リパック」と呼んでいる。以前は廃棄処分されていたカートリッジを廃棄せず再利用するため、無駄なゴミを生まないリサイクル効果がある。部品寿命、破損などで再利用できないカートリッジは、粉砕後に再資源化。廃棄物を出さない努力をしている。

「回収の徹底によりカートリッジのリユースとリサイクルを推進しています。当社の生産本部である駒ヶ根工場では、100％再資源化によりゼロミッションを達成。ゼロミッションとは、産業物から出る全ての廃棄物を他の分野の原料として活用し、廃棄物をゼロにする資源循環型の考え方です」（総務部 リーダー・藤田裕乃氏）。

使用済みトナーカートリッジを再利用することで、純正品を都度購入して使用するのに比べ、最大約60％のコストダウンを実現。“オフィスの無駄”を減らす「経費削減」、“ゴミ”を減らす「廃棄物削減」、“環境負荷”を減らす「CO2排出量削減」という、3つの削減効果でクライアントに価値提供している。

「アルプス山脈の麓にある長野県駒ヶ根市という水も空気も綺麗な場所に、リパックトナー用の自社工場と物流センターを設け、愛知県にも春日井工場と小牧物流センターがあります。北海道から九州まで19か所の営業拠点を通じ、全国のお客様に『リパック』製品をお届けしています。1977年からリボンの再利用を手掛けており、SDGsが世界的に盛り上がる前から、リユース・リサイクルにチャレンジしてきた会社です」（藤田氏）。

今後も取り組みをさらに進化させ、より豊かな循環型社会の実現に貢献する。それこそが、同社の存在意義だと考えている。

プリンターのリボン・トナーカートリッジの「リユース・リサイクル」に取り組んでいる同社。将来に向けたビジョンとして、2021年2月に「Change the office mirai」を掲げた。これまで築き上げてきた基盤事業をより一層強固なものとしていくのに加え、今後を見据えた事業としてITソリューションや環境ソリューション分野にも力を入れ、ビジネスの立体化（クロスセル・アップセル）を目指す。

ビジネスの立体化（クロスセル・アップセル）に関しては、既に取り組みが進んでいる。プリンターの消耗品から各種プリンター用紙、プリンター本体、そして文房具、事務用品、家電品等、オフィス用品を販売。約60万点の商品を掲載し、クライアントのニーズにきめ細やかに対応する自社通販サイトも運営している。

「長年かけて築いたお客様とのネットワークを最大限に生かすため、リパック製品の販売に止まらず、オフィス用品全般を販売しています。リパック製品のお届けにあわせてオフィス用品をデリバリーするので、購買先を減らすことで業務の削減になると、お客様から好評をいただいております」（藤田氏）。

さらに、同社では、PCやルーターの購入、VPN構築といったネットワークソリューションや、UTM、SubGateなどセキュリティソリューション、Web会議やコミュニケーションを実現する次世代会議ツールの導入等、ITソリューションも取り扱い、ホームページ制作も手掛けている。

その中で、同社が近年力を入れているのが、オフィスの「DX領域」。AI-OCR、RPA、入退室管理等のツールの導入支援に加え、ペーパーレスソリューションも取り扱っている。

「ビジネスのDXが進むのにあわせて“ペーパーレス”も普及するといわれています。リユース・リサイクルを推進してきた企業として、ペーパーレスへの対応も必要だと考えます。リパック事業とペーパーレスは、利益相反に映るかもしれませんが、限りある資源を守るために無駄を省くという理念は共通するものがあります。ペーパーレスソリューションを手掛けることで、当社として事業シフトにも繋がり、会社の未来に柔軟性を持たせることができ、経営の安定化に繋がります」（藤田氏）。

事業としてSDGsへ取り組んでいる会社だけあって、ケイティケイは働き方の観点でも、社員のワークライフバランスを重視している。「物心両面で社員が幸福になれる会社の実現」を目指して、数々の取り組みを続けている。

長時間労働の抑制と年次有給休暇取得の促進、業務の効率化と質の向上のための制度・システムの導入、社員を支援する資格取得支援制度等の取り組みを名古屋市に認められ「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業」に認定された。

また、ワークライフバランスの推進や働きながら育児・介護ができる環境づくり、今後の女性の活躍推進に向け提出した「あいち女性の活躍推進行動宣言」が認められ、愛知県から「あいち女性輝きカンパニー」の認証資格を取得している。

ワークライフバランスが充実させられる働きやすさ満点の会社で、ECサイト推進や幅広い分野のシステム運用、データの利活用にチャレンジできる今回のポジション。開発会社とは違った魅力・メリットがたくさんありそうだ。