株式会社グリフィン

＜ITシステムで社会を支える　～設立以来黒字計上～　＞
株式会社グリフィンは、Web・オープン系のソフトウェア開発から組込みシステム開発、ネットワークシステム構築までをSES、受託開発によって請け負うほか、ニアショア開発や自社プロダクト開発、展示会のサポート事業等、多様なビジネスを展開。クライアントも幅広く、物流や製造、金融等に加え、官公庁の入札案件も10数年にわたり受注している。しかも、案件のおよそ4割はエンドユーザーとの直接取引だという。

こういった多様な開発や、多業種にわたるエンドユーザーとの取引を通じて得た知見を基に開発した自社プロダクトが、『勤怠管理・経費・交通費精算ぜ～んぶおまとめ Grikinクラウド』だ。これは、人事管理・勤怠管理等に特化したサポートシステムで、2021年にリリースしており、SES型の契約受発注機能など拡充を順次進めていく予定だという。

＜ITで共に「これから」を創り出す＞
「近年は、深刻なエンジニア不足を背景に、ラボ型ニアショア開発に興味を持っていただけるお客様も増えてきています。当社は日本全国約80社以上のニアショア企業と連携しており、半年、1年間等の一定期間を定めて、お客様専属の人員として開発に従事するエンジニアを確保し、サービスを提供しています。オフショア開発の場合、言語や文化・慣習の違いによる壁がありますが、ニアショア開発ではその懸念もありません。また、ニアショア企業との窓口を当社のエンジニアが担うことで品質の確保にも注力する等、サービス品質の高さがコストメリットと共に喜ばれています」
こう語るのは、代表取締役・上妻英一氏。連携可能なニアショア企業が80社以上にも達する背景には、上妻氏が一般社団法人ニアショアIT協会の副理事長を務めるほか、IT業界の今後や地方創生に対する想いを地道に伝え続け、ニアショア開発企業との関係性を築いてきた積み重ねがある。

多様な業種業界のお客様の幅広い開発案件で、実績を積み重ねて強固な事業基盤を構築してきた同社は、さらなる発展を目指して注力する分野を絞っていくフェーズに入ったと上妻氏は語る。
「官公庁、物流、製造、金融に分野を集約してリソースを集中することによって、お客様との信頼関係や業務理解等を深めていき、“〇〇分野ならグリフィンに頼めば間違いない”という明確な強みをつくっていきたいと考えています。それとともに、エンドユーザーのお客様との直接取引を7～8割ほどへ増やしていくことを目指しています」

＜経営理念：「信頼」　～信頼をより大きな信頼へ～　＞
同社が多くのお客様と取引を行えている最大の理由は、“信頼”関係の構築に重きを置いているからだ。
「私達は、“信頼”を重要な経営基盤としています。また、“さらなる信頼の獲得”を永遠のテーマとして掲げ、常にお客様にも仕事にも真摯な姿勢で臨み、私達ならではの価値を提供することを目指しています」（上妻氏）。

同社が重視する“信頼”の対象は、クライアントに限ったことではない。何よりも社員との信頼関係、そして、そのベースとなる「社員のモチベーションを高く保てる職場」、「働きやすい職場」づくりに注力している。
「社員に還元せず会社の利益だけを追求し、私利私欲を優先してしまう会社もあります。しかし、私はそのような考え方には賛同できません。そもそも、当社を起業した理由も、利益を社員に還元し、信頼関係で結ばれた社員と一緒に成長していく会社をつくりたいと思ったからです」（上妻氏）。

＜社員を大切に　～人がやめない会社づくり～＞
社員を大切にするという会社は少なくないが、上妻氏の言葉には結果が伴っている。新卒・中途採用を積極的に行っている同社だが、その離職率は一桁前半と非常に低く、新卒入社後3年間の離職者がゼロであることも珍しくない。人材の流動性が高いIT業界において、社員数220名以上という企業が、これほど低い離職率を維持するのは容易なことではない。

では、具体的に同社が何を行っているのか。一つは、経営をガラス張りにしていることが挙げられる。業績が良い時も悪い時も隠すことなく社員に開示し、改善策についてもオープンにすることで、社員と目指す方向を共有している。驚くことに決算賞与の計算方法もつまびらかにしているそうだ。
「社員に隠し事をしない会社であれば、社員も信頼しやすいと思うのです。会社の数字をガラス張りにすれば、社員自身が一生懸命頑張って生み出した利益が、どこに、どれほど使われているのかを知ることができます。その内訳が、職場環境の整備や社員教育、給与等に使われていれば、会社の誠実さを理解してもらうことができます」（上妻氏）

＜全社員が豊かで働きがいがある会社へ　～全社員の給与ベース20％アップ～＞
社員重視の経営スタイルは、業績をガラス張りにすることだけではない。5年かけて全社員の給与のベースを20%上げるというビジョンを掲げており、取り組み初年度は平均8%アップを実現。社員の成長意欲を後押しするべく、教育にも力を入れており、技術研修や勉強会ヒューマンスキル研修の他、資格取得支援や自己啓発支援など、継続的に成長し続けられるサポートを徹底している。

IT業界は長時間労働等ハードな労働環境が指摘されることも多いが、同社は早くからワークライフバランスの取れた働き方を目指し、2016年と2020年に「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業」に選定。2020年には認定企業の中で最も優れた企業として「大賞」を受賞している。2017年には、「プラチナくるみん」にも認定された。

＜社員主体の会社づくり＞
特筆すべきは、このような取り組みが委員会制によって社員主導で行われている点だ。挙手制により社内有志を募り、様々な取り組みが進められている。社員の労働環境を改善する活動は、環境改善委員会、社内イベントの企画や実行は、イベント企画委員会のメンバーが中心となり進めているという。その他、技術力向上委員会や階層別研修委員会、資格取得率向上委員会や事業計画推進委員会など毎年メンバーが入れ替わりながら社員の1/3が所属し、改善提案を行っている。
「会社として、社員にとって働きやすい環境がどういうものかを考えることは当然行っていますが、やはり当事者である社員が、自分達にとってより良い働き方を考え、発信・実現するのが一番です。そのため、社員の声はとても大切に考えています。こういった前向きな意見は仕事においても同様で、やりたい仕事や身に付けたい技術などを言ってもらえれば、その希望を叶えられるように動きます」（上妻氏）。

社員の意見を尊重するには、社員が意見を発信しやすい社内環境が整っていることも重要。その点についても、上下や横の繋がりを大切に、社員同士、経営陣と社員間の交流を積極的に持つことで、発言しやすい風土が根付いているそうだ。

「このような社風や“信頼”を大切にする考え方に賛同してもらえる方で、主体性を持って仕事に取り組める方、コミュニケーションを大切にチームで働きたい方に、仲間に加わっていただきたいです。当社は、社員がモチベーション高く働ける環境づくりに力を入れているので、ぜひこれまで培った経験や知見を生かして、ご活躍いただきたいと思っています」（上妻氏）。