株式会社CCP

機械設計、電気電子設計、ソフトウェア開発といった技術提供を行う株式会社CCP。1979年に創立された、歴史あるプロのエンジニア企業だ。創立者が機械設計の技術者だったことから、この機械設計領域は今でも御社の看板事業として展開している。

御社の歴史や特色について、エンジニア事業部・エンジニアサポート部のマネージャーである藤川氏に取材した。「機械設計を主力として、40年以上にわたる実績とノウハウを積み上げてきました。それ故に、全国の大手企業とも数多く取引しております」

主な取引先は、自動車や船舶のエンジンなどといった製造工場を持つメーカー、物流会社や通販関連企業の設備を手掛ける機械メーカーだ。

このあたりは想像しやすいかもしれないが、御社はもう一つ、特徴的な業界との繋がりがある。

「実は、生活インフラに関わる大規模な構造物の設計も得意としています。例えば全国各地の浄水場や下水処理場、火力や地熱、原子力といったエネルギーを作るために稼働させるタービン。こういったものは皆さんの生活に大きく影響するものですから、かなりの知見や技術が必要になります。当社はその点を企業様から信頼していただいているんですね」

こう聞いてみると、取引先のジャンルはかなり多岐にわたる。当然取り扱う製品も、目的も、工場や倉庫の仕組みも千差万別だ。そのため、同社ではクライアントに合わせたエンジニアリングサービスを提供している。

40年以上の実績がある機械設計事業。クライアントのニーズに合った技術を持つ人材やチームをクライアント先へ派遣し、現場で設計を行う。企業内で幣社の事業スペースを構えての請負事業。クライアントとプロジェクトを協働し、企画から完成までワンストップで手掛ける。また、企業からプロジェクトの一部を任せてもらう準委任事業も展開している。いずれも、幣社の高い知見やノウハウを最大限生かすからこそできることだ。

このように同社はものづくりにおける自身の技術にプライドを持ち、社会的影響力のある大企業の命ともいえる製造・物流ラインづくりを担っているのだ。

「Core Creater Populations」――その思いは、社名の由来にも色濃く表れている。

歴史の長い同社は、40年以上取引が続くクライアントも多い。新規クライアントとの繋がりも、信頼してもらった既存クライアントからの紹介がメインだという。

しかしその信頼構築は、老舗企業というシンプルな要因だけではない。

まず取り上げたいのは、“提案”というアウトプットの部分だ。
「既存クライアントとのプロジェクトも、新規クライアントへのお仕事も、ご提案を大切にしています。企業様によってものづくりの目的や課題は全く異なりますから、エンジニアが現場を把握し、きちんと顔を見合わせながら話を進めています。やはり精密機械を作るには、現場でモノを見ながら設計することが大切です。クライアント先には基本的に工場が併設されていますので、クライアント先の社員同然にエンジニアは常駐しています」。

一方幣社は、クライアントからのインプットも怠らない。組織力向上に向けた社内プロジェクトが動いており、エンジニアを交えてディスカッションする機会がある。その時、クライアントからの要望や現場の困りごと等もしっかりと共有しているという。

「『今この業界はどんな状況なのか』『どんな人材が求められているのか』といったヒントを、現場だけで終わらせてしまうのはもったいないことではないでしょうか。こういった“成長の原石”を様々な現場から集め、多くのクライアントへ貢献できるよう、当社全体で戦略を考えるんです」。

コツコツと地道に積み上げる情報収集と戦略が、個々のクライアントへの堅実な提案に繋がっているのだ。

その結果、各現場のエンジニアの評価は高くなる。同社では「自己改革評価表」という年1回の制度があり、クライアントからの声とエンジニアの自己採点を記録している。またエンジニアサポート部はクライアントとの面談も定期的に実施。こういった機会に、クライアントがエンジニアを深く信頼している姿がうかがえるという。

インプットもアウトプットも、エンジニア一人ひとりの行動力があってこそ。個の力が集結したチームワークは想像以上の強さになるだろう。

しかし同社は現状に甘えず、さらなる体制強化を計画している。

「2023年から、当社はワールドワイドな視点を持って動き始めました。海外の事業所を持ち、アジアを中心とした高い技術力を持つエンジニアも採用しているんです」。

こうした海外の優秀な人材を取り入れることで、もちろんクライアントへの貢献度は高くなるだろう。しかしそれだけでなく、世界レベルで知見を共有（インプット）すれば、国内のエンジニアの成長にも繋がりそうだ。

かなりの技術力を誇る幣社。しかし入社前の経験については、要求ニーズに言及することなくポテンシャルも重視している。

「現在メインで活躍しているエンジニアは30代前後です。経験を豊富に持っているというよりは、社会に出て数年程度。初めから高い設計技術を持って入社する方はあまりいません」と藤川氏は説明する。

では、どうしてここまで優秀なエンジニアが活躍しているのだろうか。それは、同社の三つのフォローアップ制度にあった。

まず一つ目は、“人間力向上”を支援する「ROD研修（Realization Originality Drawing）」。自分の理想のエンジニア像を思い描き、そのためのキャリアプランを練るのだ。例えば自動車業界に強いエンジニアになりたい社員は、まずその基本技術を身に付けられるような案件に入り、段階的にスキルアップしていく。まさに、自身のキャリアを“設計”する大事なフェーズと言えるだろう。

「またRODでは、自分の思いを言語化することを大事にしています。しっかりとした大人でも、言葉にするのって意外と難しいものなんですよね。ですが、言葉に出すことで、イメージの解像度は上がるんです」。

二つ目の制度は、“創造力の深化”を支援する「IOC（Idea Originality Creator）」。RODで形にした理想のエンジニア像に向けて、まずは“ものづくり”（creativity）を心から楽しみ、創造力と技術力を生み出す制度だ。スキルアップ研修はもちろん、社内プロジェクトでものづくりを行うこともある。アイデア出しから始まり、形にしていく。中には特許を取れるような技術を完成させることもあるのだとか。

そして三つ目の制度は、エンジニア交流会「IEM（Information Exchange Meeting）」。経験年数や業種の壁を越えた、エンジニア同士のコミュニケーションの機会だ。

「人間は、目の前の仕事だけこなせば良いわけではありません。時にはキャリアにも迷うかもしれませんし、プライベートで悩むこともあるでしょう。そんな時、他のエンジニアはどのように考えて解決しているのかを知れれば、人生の大きなヒントになります。誰かに話すだけでも気が晴れて、一歩踏み出せることもありますしね」。

こうした多方面からの支援を行うことで、同社のエンジニアは立派な技術者として成長を遂げられるのだ。

「当社は、“エンジニアが主人公”の企業です」と語る藤川氏。単なる歯車として働くのではなく、高い技術を誇って人生を豊かに送れる――そんな支援を同社は全力で行っているのだ。こういったエンジニア思いの組織だからこそ、一人ひとりの帰属意識も高い。

これから様々な価値観やさらなる自由な働き方になっていく社会の中でエンジニアを志す人、自身のエンジニア人生で迷っている方、あるいは目標を叶えたい方は、同社の扉を叩いてみてはいかがだろうか。