「中国」と「日本」の違いを知りつくし、中国オフショア開発で着実に成長している企業が、グラッド・ソフトウェアだ。
オフショア開発とは、SI企業などが、システム開発・運用管理などを海外の事業者や海外子会社に委託することである。グラッド・ソフトウェアは日本と中国に拠点を置き、日本企業のオフショア開発を受託している。
一般的に、オフショア開発で問題となりがちなのが、言葉や文化の違いである。同社は中国に開発拠点を置いているものの、日本語教育を徹底しており、言葉の壁を感じさせずにオフショア開発が出来ることや、日本と中国の開発における文化の違いを踏まえたうえでのプロジェクト管理能力を持ち、基本設計から詳細設計、製造、連結テストまでの開発を行うことにより、オフショア開発市場での実績を確実に出しているのが最大の特徴だ。
事業内容は金融、証券、通信、流通、ERP・SCM・CRMとOA系のソフトウェアの開発や、ネットワーク、通信・制御、製品組込、画像処理などのソフトウェア開発、またシステムのコンサルティング、構築、代理販売、技術サポートなど、非常に多岐に渡っている。
このように幅広い開発を手がけ、成長を続ける同社の売上高は年間15億円。リーマンショック後一時売上を下げたが、その後は順調に毎年増収増益の一途を辿っている。当社の日本法人、中国法人が協力して、最適な人材配置と、開発工程の分担を行い、またこうした努力の成果として、当社の開発動員力、開発品質、マネジメント力がお客様から高く評価され、発注量が年々増大していているためである。
日本のソフトウェア業界におけるオフショア開発は特殊な事ではなくなり、日本のソフトウェア開発現場では外国人と一緒に仕事をすることは日常となっている。昨今では日中関係の悪化もあり、ベトナム、フィリピン、インドなど東南アジア諸国にオフショア開発先を求める動きもあるが、それでも中国オフショア開発の20年に渡る実績が生み出す信頼性と人材の厚みはそう易々と超えられるものではなく、また日本語に対する親和性やソフトウェア専門人材の育成力や人数も他の東南アジア諸国の比ではなく、中国が今後も日本の最大のオフショア先であることは変わらないものと予測される。
またユーザ企業自ら社内システムの開発、維持管理でオフショアを利用する動きも活発化してきており、グラッド・ソフトウェアはこうしたユーザ企業への対応も進めている。
今後もグラッド・ソフトウェアが活躍する場が広がることは間違いない。