株式会社フロム・ソフトウェア

コンピュータ用ソフトウェアの設計・開発を目的に1986年に設立された株式会社フロム・ソフトウェア。設立当初はビジネスアプリケーションの開発を行っていたが、「ユーザーに直接届くものをつくり、それが評価される場でビジネスをしたい」という思いから、1994年にゲームソフトの開発を開始。
デビュー作となったのは1994年12月に発売されたPLAYSTATION®用3DリアルタイムRPG「キングスフィールド」。当時の日本製ゲームとしては非常に少なかった主観視点、リアルで硬派な世界観などがゲームファンに評価され、スマッシュヒットとなった。以降20年余り、ゲーム機の進化や世代交代などの時代の変革を乗り越えながら、より豊かなゲーム体験を提供すべくゲーム制作に取り組んでいる。

ゲーム制作において、同社が最も大切にしているのは「リアルな感覚」。これは単に写実的という意味ではなく、感覚的にリアリティを感じる世界観作りを徹底して行うということを指している。ゲームをプレイしながら、実際の生活のように試行錯誤を繰り返したり、喜怒哀楽を感じたり、達成感を感じられるというのが同社のゲームの特徴だ。

『DARK SOULS』シリーズは、世界累計出荷数が2,700万本を突破。2019年に発売した『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』は「The Game Awards 2019」で GAME OF THE YEAR を獲得するなど、日本のみならず海外でも多くのゲームファンに喜ばれる会社に成長している。

ゲーム制作はチームで行われるため、同社では社員同士がコミュニケーションを取りやすい職場環境作りに力を入れている。気になった時にすぐ声を掛けられるよう、必要以上に個人のスペースが区切られていない、お互いの顔が見えるようなフロア造りを行ったり、プロジェクトや職種、役職などを超えた社員同士の交流を活発にするために、忘年会や有志でのイベント実施、サークル活動の支援などを行っている。

「自ら学ぶ」姿勢を大切にする同社。自立した競争力のある社員に育って欲しいという思いから、新入社員研修などの基本的な研修を除いて会社主催の定期的な研修等は行わず、必要に応じて各社員がセミナーに参加することや研修を受けることを推奨している。事例はまだ多くないというものの、そういったセミナー等を受講した社員が自主的に社内向けに勉強会や報告会を開催することもあるという。

もう一つ同社の社風を表すものに「公平性」がある。会社が社員に提供できるリソースには限度があるため、「ポジション」、「機会」、「お金」、「経験」、「裁量権」などの有形無形のリソースを配分する際は公平性を重んじるべきであるというとい考え方だ。さらに同社では「公平」とは“全員に等しく”ではなく、“個人に応じて等しく”であると定義し、器の形が違えば、容量が違うのは当然とした上で、個々の容量に応じたリソースの配分を行い、変化があれば、柔軟に配分を変えていくことで、リソースを最大限に活用するよう努めている。

「少しでも良いものを」。これがフロム・ソフトウェアの基本にあるモノ作りの精神だ。会社は一つの"場"であると考える同社。社員がこの"場"を利用してやりたいことに打ちこみ、『より良いもの』を世に送り出すことによって、遊んでくれるユーザーには喜びを、ゲームを扱ってくれる流通や小売店には誇りを、社員全員には満足を共有していって欲しいのだという。そのためにも、社員が『より良いもの』を追求していけるような、より良い"場"を目指し、今後も制度作り等を通じて環境整備のためのさらなる努力を続けていく予定だ。

フロム・ソフトウェアはシンプルな会社です。

面白いゲームを、より正確に言えば「価値のある」ゲームを作りたいと考え、それに真剣に取り組んでいたいと考えています。

まずはそうした単純さ、そして真剣さを共有できる方と、一緒に仕事をしたいと考えています。

そしてゲーム制作は、大抵の場合「協働」になります。

ですから、多くの人間で目標を共有し、面白い、価値のあるものを目指して協働する中で、他者のビジョン、アイデアあるいは成果に共感し、それにより自分を高め、また他者を共感させられる、そうしたポジティブなサイクル、あるいは切磋琢磨の一環となれるような方と一緒に仕事をしたいと思っています。

もちろん、実際は簡単な話ばかりではありませんし、一般的に、ゲーム制作自体、決して甘い仕事ではないと思います。

それでも、真剣に協働して価値あるゲームを作る、それはとても楽しいことです。

次の、より価値のあるゲームを、一緒に作っていきましょう。