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モベンシス株式会社

  • IT/Web・通信・インターネット系
  • 製造・メーカー系

三菱電機と資本業務提携!インダストリー4.0で注目を浴び、グローバルに飛躍する未来へ

外資系
上場を目指す
自社サービス製品あり
シェアトップクラス
グローバルに活動
残業少なめ
カジュアル面談歓迎

企業について

1996年からファクトリーオートメーション(FA)の世界で先進技術を開発し続けてきた小さなソフトウェア会社が、今、大きな飛躍のチャンスを迎えている。モーションコントロールソフトウェア「WMX」を開発するモベンシス株式会社だ。

モベンシスの事業内容を理解するためには、FAの世界を知る必要がある。ファクトリーオートメーションとは、生産工程の自動化を図るシステムの総称で、とりわけ製造業での自動化を指す。この取り組みは1950年代から始まり、1960年代には産業用ロボットが登場し、現在では世界中の工場がオートメーションで製品の生産を行っている。

モベンシスが開発するモーションコントロールソフトウェアは、産業用機械を動かすモーターを制御する仕組みだ。生産の自動化の成否はモーションコントロールにかかっており、同社のプロダクトはFAの核心技術といえる。

モベンシスのモーションコントロールには、他社とは異なる大きな特徴がある。それは、PCで動作するソフトウェアである点だ。モーションコントロールは普通、PCLと呼ばれるハードウェアとして作られるが、1台で16のモーターを制御できるPCLに対し、モベンシスのソフトウェア「WMX」ならPCを使って最大128軸のモーターを制御できる。

「ハードウェアのモーションコントロールはCPUの性能などの問題で制御できるモーターに限りがありました。高性能なCPUを搭載しているパソコンに目を付け、ソフトウェアでモーターを制御する方法を編み出しました。当社のモーションコントロールソフトウェアを使えば、異なる通信規格のモーターでも1台のPCで制御可能です」(代表取締役社長・梁富好(ヤン・ブホ))

モベンシスの創業者である梁富好は、京都大学工学部数理工学科を卒業し、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院機械工学科ロボット工学で博士号(Ph.D.)を取得した研究者だ。MIT時代から産業装置の制御機能を向上させる制御ソフトウェアの開発に携わり、その研究成果をもとに1998年、ボストンにて「Soft Servo Systems, Inc.」を創業。これがモベンシスの源流となる会社だ。

「私は日本生まれの日本育ちです。ボストンで起業したのち、2006年に日本でモベンシスの前身である法人を立ち上げました。クライアントが多い韓国で法人を立ち上げ韓国の営業活動が活発化していますが、開発の中心は日本です。当社のモーションコントロールソフトウェアは、開発当初はFA業界で前代未聞の技術で『10年先の技術』と言われました。その後インダストリー4.0、スマートファクトリーの概念が登場し、一気に注目の技術となりました」(梁氏)

インダストリー4.0。製造業におけるオートメーション化およびデータ化・コンピュータ化を目指す昨今の技術的コンセプトに付けられた呼び名である。一般に第四次産業革命とも位置付けられ、世界の産業界が注目している大きな社会潮流だ。

インダストリー4.0を実現するためには、工場のすべてをオートメーション化するだけでなく、データ化しなければならない。つまり、ハードウェア制御のモーターもインターネットに接続する必要がある。その点、PCを活用するモベンシスのモーションコントロールソフトウェアなら、インターネットへの接続はお手の物なのだ。「WMX」は一気に注目を浴びることになった。

2020年、PayPalの創業者であるのピーター・ティール氏が率いる投資ファンドから50億円の出資を受け、2023年5月には「FA業界の巨人」である三菱電機と資本業務提携を締結した。

「2019年、三菱電機が開発した次世代のオープンネットワーク規格『CC-Link IE TSN』に対応するPCベースのモーションコントローラがなく、当社の『WMX』を CC-Link IE TSNに対応してほしいというオファーがあり、三菱電機との協業がスタートしました。業界の巨人である三菱電機と一緒にインダストリー4.0の流れに乗って、モベンシスの技術力を世界に示すチャンスが訪れました」(梁氏)

三菱電機は、FA業界においてグローバルシェアトップレベルの会社。グローバル市場のインダストリー4.0を牽引する三菱電機の戦略を、モベンシスの技術が支える。モベンシスにとって途轍もないビッグチャンスなのは疑いようのない事実だ。

「世界的な半導体不足も当社にとって大きな追い風となっています。基板を必要としないモーションコントロールソフトウェアに大きな注目が集まっているからです。日本は半導体製造では後れを取ることになりましたが、半導体製造装置の開発・製造では、今も世界トップレベル。その半導体製造装置に三菱電機の製品が使われています。アジア各国で半導体製造装置の生産拡大も期待され、当社のソフトウェアもそれに伴って販売拡大を実現していきます」(梁氏)

モベンシスのビジネスは「ライセンスモデル」。同社の『WMX』でモーション制御する産業機械が工場で使われるにしたがって、売上が積み重なり会社の業績は右肩上がりとなる。三菱電機という競争力のある大企業と協業することで、小さな会社であるモベンシスは効率の良い成長が期待されている。

三菱電機との協業で、アジアを中心としたグローバルマーケットでの勝負が視野に入ってきたモベンシス。2023年4月に、もう一つ大きな動きを見せた。

インテリジェント自律移動ロボット(AMR)制御に関連する、アメリカ・マサチューセッツ州のMIT発スタートアップ企業「Skylla Technologies Inc.」を買収した。Skyllaの買収を通じて両社のソフトウェアを統合することで「トータルAMR制御プラットフォーム」の事業領域に参入する計画だ。

「モベンシスとSkyllaは、マサチューセッツ工科大学からスタートした共通点があり、それが今回のM&Aにつながりました。両社の技術を融合することで、1台のPCでAMRの走行ナビゲーションとロボット/FA機器の制御を可能とする制御プラットフォームを開発し、FA業界におけるゲームチェンジャーを目指します。買収を機に『ボストン先端R&Dセンター(BARC)』を設立。SkyllaのメンバーやMIT教授陣と共同で、プロセス機器と物流機器間のデータ接続を最適化するソリューションを開発していきます」(梁氏)

FA業界のグローバル市場で存在感を示そうとしているだけでなく、AMR業界でのゲームチェンジャーも目指しているモベンシスだが、グループ全体で100名に満たない規模の会社なのだ。モーションコントロールソフトウェア「WMX」の開発拠点である日本法人に至っては18名という小さな組織。まさに今、劇的な成長へ向けて走り始めようとしているタイミングなのだ。

「2023年10月、長年オフィスがあった立川を離れ、西新宿に移転。ビジネスの拡大に合わせてメンバーの積極的な増員も計画しており、広いオフィスに引っ越しました。前のオフィスは古い雑居ビルでしたが、今回はメンバーが快適に働ける環境を整備すべく、オフィスの内装にも多額の投資をしました。フレックス制度を導入するなど、働き方や福利厚生などの整備も順次進めていく予定です」(梁氏)

モベンシスのソフトウェア開発は、C/C++によって進められる。ソフトウェアエンジニアの中でも、機械工学を専攻していた人材やメーカーなどで組み込み開発に携わっていた人には、グローバルで活躍する絶好の機会といえる。

「日本と韓国、そしてアメリカ、3つの拠点が連動してモベンシスの開発は進められます。英語を使う機会も多く、グローバルなフィールドで活躍したいエンジニアにとっては最適な環境です。ベンチャー企業と名乗るには創業が古すぎますが、脚光を浴びたのはほんのここ数年。助走期間があったスタートアップだと考えてください。実際に現在はIPOを目指しており、社員へのストックオプション制度も整備されています。これから入社するメンバーも、創業メンバーに近いマインドで、モベンシスの成長の原動力として積極的な活躍を期待しています」(梁氏)

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インタビュー

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京都大学工学部数理工学科卒業。米国マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院機械工学科ロボット工学の分野で博士号( Ph.D. )取得。産業用ロボットなどの各種産業装置の制御機能を向上させる制御ソフトウェアを開発。その研究成果をもとに1998年、米国ボストンでSoft Servo Systems, Inc.を創業。その後、日本法人、韓国法人を設立し、代表取締役社長を務める。2023年3月からモベンシスグループ会長に就任。

── ご経歴や学生時代のことを教えてください。

京都大学大学院に進学後、MIT教授と共同研究する機会があり、その教授の誘いでマサチューセッツ工科大学(以下:MIT)に留学することになりました。これだけ聞くと、華々しい人生のように感じられるかもしれませんが、若いころは波乱の人生だったんです。運良く京都大学に入学できましたが、高校は家庭の事情で中退しなければいけなくなりました。アルバイトに明け暮れながら高卒認定試験を取り、大学受験と沢山苦労をしましたね。MITに入学後は、ロボティックスを専攻して博士号を取得し、その後はMITで研究助教授として5年間勤務しました。

学生時代は、「自分は一体何者で、何の... 続きを読む

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企業情報

会社名

モベンシス株式会社

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > ソフトウェア/パッケージベンダ

製造・メーカー系 > 電気・電子・機械・半導体

IT/Web・通信・インターネット系 > IoT・M2M・ロボット

企業の特徴
カジュアル面談歓迎、外資系、上場を目指す、自社サービス製品あり、シェアトップクラス、グローバルに活動、残業少なめ
資本金

5000万円

設立年月

2006年04月

代表者氏名

代表取締役社長 梁富好

事業内容

当社は、ファクトリーオートメーション(FA)の世界で、産業用機械のモーターを制御する「WMX」を開発するITベンチャーです。

マサチューセッツ工科大学で博士号を取得した創業者が編み出したソフトウェアを武器に、インダストリー4.0の流れに乗って注目を浴びることに。2020年にPayPalの創業者であるピーター・ティール氏率いる投資ファンドから50億円の出資を受け、2023年5月には三菱電機と資本業務提携を締結しました。

AMR制御に関連するアメリカのスタートアップ企業「Skylla Technologies Inc.」も買収し、今後はグローバル展開も加速していきます。

株式公開(証券取引所)

非上場

従業員数

17人

平均年齢

39歳

本社住所

東京都新宿区北新宿2丁目21番1号 新宿フロントタワー20F

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