アングー株式会社

スマートフォン向けゲームの企画開発を手がける、アングー株式会社。2015年2月に設立されたばかりのベンチャーであるが、代表取締役の中川裕史氏は、ゲーム大手のカプコンで、あの『ストリートファイターⅢ』の企画やプログラミングを手がけ、全世界で数千万人ものユーザーを楽しませた実績を持つ。さらに社員の大半は、長年大手ゲームメーカーで同様に世界的にヒットしたハイエンドのコンシューマーゲームを手がけたクリエイターが占める。

「こうしたゲームづくりの経験と実績が、当社の最も大きな資産であると自負しています」と中川氏は胸を張る。

スマートフォン向けのゲームを手掛ける小規模なベンチャー企業の中では、「当社のように家庭用ゲーム機向けのハイエンドなコンシューマーゲームを手がけた経験のあるクリエイターの比率がここまで高いチームは珍しいと思います」と中川氏。

3Dでキャラクターが動きまくるようなハイエンドのゲームは、アクションや背景などの表現力でブラウザゲームを圧倒する。そういった表現のノウハウを、性能が大幅に向上したスマートフォン向けゲームでも取り入れられるようになった今、同社は大きなアドバンテージを獲得しているといえる。

「スマートフォンの性能が、一時期の家庭用ゲーム機に追いついてきています。だからこそ、当社のノウハウを生かしたタイトルが開発できると考えています。当社は、家庭用ゲーム機で培ったハイエンドなノウハウを活かしつつ、よりクオリティの高いゲームづくりを指向しています」と中川氏は意気込む。

そんな同社の第1作目のタイトルが『はじける ぶっとびアクション「スマッシュ＆マジック」』だ。
同社は設立直後にゲーム会社gumi（東証一部上場）と資本業務提携を締結。gumi社との協業タイトルとして『スマッシュ＆マジック』の開発・運営を担当。
“フリック1つで爽快アクション！”“ド派手なマジック、100種類以上！”“4人で協闘！マルチプレイ”といった特長がある。2017年7月19日にリリースされ、1週間で500万以上のダウンロードを記録した。キャラクターなどのIPを活用したものではなく完全新規のオリジナルタイトルとしては、非常に良いスタートを切った。
この『スマッシュ＆マジック』は、多くのコアなファンに惜しまれながら、2018年10月にサービス終了を迎えた。

自分のたちが本当に面白いと思うものでなければ、人の心に届くことはありえないという考えから、アングーとしては特定のジャンルや方向、デバイスやプラットフォームに拘泥するのではなく、自分たちが本当に面白いと思う企画を、幅広いユーザーに届けることが出来る会社でありチームを目指している。

「世界中の子どもから大人まで、あらゆる人に愛され、人の記憶に残り続けるようなコンテンツを作っていきたいと考えています」（中川氏）

中川氏は、同社を設立した動機について次のように語る。

「私は、1993年4月、カプコンへ入社しましたが、当時のゲーム業界はゲームクリエーターにとって良くも悪くもとても刺激的で自由な風土がありました。社会的な常識にやや欠けるところはあるけどとても尖った能力をもった先輩が、とてものびのびとものづくりに集中し、それを会社としても全力でサポートしている。そういう環境や風土から、世界中を熱狂させる日本発のコンテンツがどんどん生まれていたのです」

いまの日本のコンテンツは、当時と比較すると世界に飛び出して多くのユーザーに親しまれるものがだいぶ少なくなってきていると感じています。

もちろんコンテンツが面白くて質が高ければヒットするわけではありませんが、その前に改めて本当に面白いもの、質の高いコンテンツをつくる。このことを真に最優先として取り組むチーム、会社でありたい。

そのためには何が必要か、何が必要ないかを根本から考えて、新しいチーム作り、会社作りに取り組みたいと思っています。そのためには多少常識から逸脱するようなルールだろうが、より良くするためにはどんどん実行していく。そういうチームにしていきたいと考えています。

現在の同社は、55名程度で平均年齢31歳ぐらいのチームとなっている。「メンバーは大人しいタイプが多いが、私の意見も軽くスルーしたり（笑）、超フラットで和気あいあいとした雰囲気です」と中川氏。

「さきほどお話したように、本当に面白いものをつくるチームが最優先課題ですので、クリエーターとして高みを目指したい方と一緒にやりたいと思っています。ものづくりに人生を賭けているような、とにかくいいものづくりをしたい方、愛されるものをつくりたいと熱望している方に来ていただきたいと願っています。同時に優秀なクリエーターの方がこのチームじゃないと…と思っていただけるような環境、ルールつくり、チーム、会社を目指していきます。まだまだ実績も少ない小さな会社ですが、一緒に本当に面白いものをつくりあげていきましょう！」と中川氏は呼びかける。