TradFit株式会社

“Voice Tech”スタートアップの、TradFit株式会社。同社は、"Voice Tech"、クラウドAI、IoTなどを活用し、宿泊施設の収益性改善や旅行者の宿泊・旅行体験を向上させるサービスを提供しています。

同社は、宿泊施設に特化した音声端末向けアプリケーション、17言語におよぶ多言語対応有人及びAIによるハイブリッドチャットボット、それらをシームレスに繋げた管理画面を独自開発。これらのサービスを宿泊施設に提供することで、宿泊施設の抱える多言語対応、人手不足、離職率の高さという課題の解決を行なっています。

宿泊施設で働く従業員様が対応している旅ナカの問い合わせ、客室からの電話や受付での問い合わせ対応から解放し、より付加価値の高い人でしか出来ないお客様への“おもてなし”やそれ以外の業務に集中して頂くことを支援しています。

“観光立国”を目指す日本政府は、2020年に4000万人、2030年には6000万人のインバウンド旅行者を訪日させる目標を掲げ、諸施策を打ち出しています。一方、受け入れる側の宿泊施設様においては、人手不足、サービス産業の中でも省庁のデータより飲食と並び最も高い離職率で入社率と離職率がほぼイコールな業界、外国語の多言語対応といった課題を抱えていいます。同社のサービスは、これらの諸問題を解決し、宿泊施設様の収益性改善、従業員様のワークライフバランスの改善、宿泊者様の宿泊・旅行体験の向上や満足度向上を行なっています。今後は地方創生。各地域の活性化を行なって参ります。

これまで実証実験を中心にサービス導入を行なってきましたが、現在は小田急センチュリーサザンタワーといった大手の宿泊施設をはじめ、導入先を広げ始めているところだ。

同社は、ステルスで知財戦略を国内外で早いタイミングで行い、既に参入障壁を築くことに既に成功。サービス課金先含めて全て非開示としている。サービス導入先が増える中、一緒に日本発・日本初でのメガスタートアップをチームと協働して達成出来る仲間を募集しています。

同社を創業した代表取締役の戸田良樹氏は、祖父が政治家、祖母や両親、兄が経営者という家に生まれ育つ。自身も政治家もしくは起業家を目指して早稲田大学政治経済学部で学び、2008年の卒業後、野村證券株式会社に就職する（インタビュータブ参照）。

「生まれ育ったバックグラウンドから自然と世の中の不平等を解消したいという強い想いがありました。そのため、自らリスクを取って起業する事を決心しました。そこで、新卒1年目から様々な業界の未上場のオーナー経営者、スタートアップの経営者、投資家、監査法人などと仕事をご一緒させて頂ける可能性があり、お客様、パートナー、上司、後輩、様々な関係者から知見を得れ、経験を積め、セールス・ファイナンスを高いレベルでOJTやOFFJTで学べる野村證券に関心を持ち、面接を受け、ご縁があり入社させて頂きました。」（戸田氏）

1年目からあらゆる業種の企業経営者、投資家などの富裕層に接し、資産コンサルティング業務などに従事。その後、支店企画業務や国内外の野村ホールディングスにて野村グループ国内外全体の広報業務、投資銀行部門でのITセクターに特化したIPO支援や資金調達、M&Aのアドバイザリー業務などに携わる。

「約10年間勤務して色々な部署で様々な経験を積ませて頂き、当時スタートアップに対するエコシステムが昔と比べて相当程度良くなって来たという肌感覚とタイミングが重なり、起業するなら今だと退社届けを出させて頂き、当社を創業しました」（戸田氏）

そんな戸田氏が宿泊施設向けの当該サービスに着目した理由は、①市場規模、②市場課題の大きさ、③市場参入のタイミングという3点から。

「欧米や中国でAIスピーカーをはじめとした音声端末利用が進み始めていましたので、いずれ日本にもこの波は来ると確信しました。国内本格普及においては2019年がその元年であると想定しています。また、"Voice Tech"の他領域の広がりも会社の成長戦略を考える上でとても魅力的です。」と戸田氏は言う。

現状は、サービスを提供する市場課題の大きさからバーティカルに旅行・観光・宿泊施設向けにリソースを集中させているが、将来的には他業種への展開も視野に入れている。

まずは国内市場における課題を解決しながら、“アジアの時代”を背景に、アジア展開を視野に入れている。

同社が掲げるミッションは、「世界中の音声情報を整理し、世界中の人々に音声を通じてより良い暮らしを提供する」というもの。

その背景について、戸田氏は次のように話す。
「あらゆる領域において声で検索や操作をし情報やサービス享受を行うといった時代が既に訪れていますし、今後益々拡大していくと思います。音声領域はこれからますます進化を遂げていくでしょう。」

2017年8月にスタートした同社のメンバーは、2019年11月時点で役員および正社員7名で、うちエンジニアが4名を占める。ベトナム人、台湾人、中国人、アメリカ人などによるボーングローバルの多国籍企業でもある。顧問・参与も6名擁し、元・三菱地所理事、ロイヤルパークホテルマネジメント代表取締役社長、元・電通執行役員、元・野村證券取締役、元・日本航空関連事業室部長／株式会社JALUX取締役といった顔ぶれが揃い、経営面、戦略面、国内・海外展開面、メディア戦略面などにおいて大所高所からアドバイスを受けている。

風土づくりの軸は、メンバーがイキイキと自分で考えやりたいことがやれることに置いている。具体的には、リモートワークOK、フレックスタイム制、服装や副業自由など。そして、メンバーの成長を最大のテーマに置き、“逆ピラミッド”の組織づくりに取り組んでいる。
「メンバーが一番上で、マネージャーが下で支え、一番下に経営陣がいて全体を支えるという考え方をしています。リーダーもその時々で変わっていくと思いますし、そうした組織風土や企業文化をチーム全体で創って行きたいです。」（戸田氏）

経営情報も基本的には社員全てへ開示し、オープンな風土を築く。

企業にありがちなビジネスサイドとエンジニアサイドのハレーションを避けるために、ビジネスサイドはプログラミング研修を通じて開発業務の全体像を理解し、逆にエンジニアサイドはビジネスを理解し融合を図る機会も設ける。
「規模が大きくなってから急にオープンかつフラットな組織にするといっても、そう簡単なことではないと考えています。ですから、最初から多国籍なグローバル企業となることを意識し、こうした施策を取り入れています。」と戸田氏は強調する。

親睦面では、新人歓迎会やBBQ、皇居ランなどを参加任意で実施。「さらにいろいろなイベントを企画していきたいです。」と戸田氏。
成長意欲があり、素直で他人の気持ちが理解できる人。そして、挨拶、お詫び、関わる全ての人に感謝の気持ちを持てる基本的な部分が自然と身についていてチームワークを大切にする人。そんなチームワークに向いた方なら、同社で活躍できるだろう。
日本発のグローバルメガスタートアップは、ほとんど登場していない。そんな中、その可能性を秘めた同社は注目に値するだろう。