ゴウリカマーケティング 株式会社（旧社名：コニカミノルタマーケティングサービス株式会社）

「サイエンスの力でマーケターのやりたいを実現する」というミッションを掲げ、100年近く変化のなかったリアルマーケティングを革新しようとしているゴウリカマーケティング株式会社（以下ゴウリカ）。

現在、販促物製作のプロセス改善、コスト削減をはじめ、マーケティング効果の可視化、顧客行動解析など、最先端の4つのマーケティングサービスを提供している。

■magonote
印刷業界で経験を積んだスペシャリストがクライアント企業に常駐し、デザイン発注や印刷・発送・在庫管理等、販促物に関する業務を最適化するサービス。
グローバルに存在する数千ものサプライヤー網に入札をかける仕組みにより、案件ごとに最適なサプライヤーを選択することで、販促コストを削減することができる。さらに、スペシャリストが販促マーケターの業務代行も実施することで、マーケターがコア業務に注力することも可能にしている。

■Go Works
販促物やカタログの製作業務の効率化を支援するクラウドツール。
これまで販促物の数量手配、案件管理、発注管理は紙やエクセルで行われ、製作物のデザインデータも属人的に管理されてきた。それらの業務をGo Worksに置き換えることで、マーケターのノンコア業務にかかるコストを削減することが可能になっている。

■Go Insight
小売店舗の天井にカメラを設置することで、買い物客の属性や滞在状況、購買行動を可視化・解析し、新たな施策につなげるコンサルティングサービス。
従来のPOSデータを生かした分析は、商品が購入されなかった場合や販促物の効果測定ができない、という課題があったが、Go Insightは画像解析技術とAI技術を用い、これまでは解析できなかった顧客の購買行動が解析できるため、クライアントに新たな示唆をもたらすことができる。

■Go Analytics
クライアント企業の所有するあらゆるデータを収集・整理・分析することにより、モデルの構築、そしてツール化まで支援するサービス。場合によっては、クライアント企業のマーケターへの教育。組織設計までをコンサルティングすることで、データドリブンな組織へ移行する支援も行う。もちろん、顧客行動解析ツールである『Go Insight』と組み合わせることも可能だ。

海外では、販促物製作をコスト削減し、削減したコストから適正なフィーをもらうというビジネスモデルが既に確立されている。ゴウリカはM&Aによってこのスキームを取得し、Magonoteとして日本に展開している。しかし、日本に競合はいないため、この業界のことを知らない人からすれば、少し怪しいサービスだと思われてしまうことも少なくない。

そのため、ゴウリカのビジネスの仕組みをきちんと理解してもらうために、営業の際は「なぜこのような取り組みをしているのか」という基本的な部分から時間をかけて丁寧に説明している。きちんと理解してから企業に導入してもらうために、マーケティングのトップが参加するカンファレンスやラウンド形式のイベントを活用し、ゴウリカの経営陣自ら売り込みに行くことも多い。サービス導入には半年から1年がかりで丁寧に導入していく。

課題を認識していないクライアントもまだまだ多いため、潜在的な課題意識を呼び起こすところから営業活動をする必要がある。ゴウリカでは「エクセルの仕事はやめませんか？」「その仕事、そもそもマーケターがやるものですか？」といった内容のセミナーやイベントを主催するなどして啓蒙活動を行い始めている。

一方で今後は中小の企業にもビジネスの対象を広げていくべく、Go Worksにより一層力を入れ、SaaSとして拡販していきたいと考えているのだ。

現在はMagonoteをはじめ、Go AnalyticsやGo Insightは大規模なコスト削減効果が見込める大手企業がメインのクライアントだが、Go Worksに関してはSaaSとして中小企業を含めてのビジネス展開を検討している。
価格が高くないため、潜在顧客も現在より多くすることができるため、これを入り口にして、今度は他のサービスを販売することも可能であると考えている。

ゴウリカでは組織を日本の旧態依然とした縦割りにはしたくないと考えている。

今後も縦割りにすることはなく、顔が見えてフラットで、官僚的ではない組織を目指しており、規模が大きくなっても、小さいチームが沢山あるような会社にしたいという話が常々されている。採用や人事業務も、トップダウンで降りてくるのではなく、まずは各事業のメンバーが自分で考えて動くことが求められている。

組織もビジネスの状況に合わせ、3ヶ月に1回程度の頻度で柔軟に変容を続けている。もともとはサービス別で分かれた組織だったが、その後営業やエンジニアといった機能別に、そして今後はそれら両軸で組織づくりが行われるという。メンバーを一つの場所に固定してしまうと、自分の責任範囲に線を引き成長が止まってしまう恐れもあるため、変化していく組織の方が健全だと感じているためだ。

ゴウリカではリモートワークやフレックスタイムや私服勤務を取り入れており、働き方の多様化にもコミットしている。メンバーの中心層には30代が多く、男性スタッフの中には子育て中の社員も多くいるため、女性のみならず、男性の育休も取りやすい環境となっている。保育園の送り迎えの予定が共有カレンダーに記載されることも多い。

さらに、新しい知識を得ることに貪欲な社員は、承認さえ下りれば、新しい領域について学ぶためのセミナーへの参加や書籍の購入は自由に行えるなど、充実した環境で働くことができるのも魅力の一つだろう。

ゴウリカでは、求職者に「素直さ」や「柔軟さ」を求める。どの職種でも、従来とは異なる新たな手法を取り入れているため、前職や自分の経験に基づいて判断を下すだけではなく、「そういう考えもあるのか」と受容していく能力が求められているのだ。中途入社メンバーが多いこともあり、フラットで溶け込みやすい環境である同社で、素直さを持ちながら、自ら積極的に動き、世の中にない新たなサービスを共に作っていきたいと考える人材にはピッタリの会社となるだろう。