東陽建設工機株式会社

東陽建設工機株式会社は、鉄筋コンクリート造建築物に組まれる鉄筋や、その鉄筋を切り・曲げ加工した製品をつくる鉄筋加工機の専業メーカーだ。本社を大阪市大正区に置くほか、営業所6カ所（仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡）、自社生産工場4カ所（東京、滋賀、大阪、福岡）を配置し、「TOYO」ブランドは業界のデファクトスタンダードとなっている。
【主な事業内容】
・鉄筋加工機等の開発、製造および販売
・小型加工機、設備、工具等の販売
・鉄筋加工ＩＴシステムの提案
・海外販売事業

創業は昭和8年（1933年）と古く、1950年には日本初の鉄筋加工機の開発に成功。業界のパイオニア的な存在であり、まさに「鉄筋加工機の歴史はTOYOの歴史」ともいえる。1959年に法人化した後も次々と新製品を開発。営業所や工場も増やしていき、全国へ販売網・サービス網を広げてきた。現在は北海道から沖縄まで、納品から維持・保全、最終処分までのサポートに対応。この体制をもとに、顧客との密接な信頼関係が築かれている。

海外向けには、1971年にシンガポールに自社初の海外販売代理店を設置する等、早くから動いてきた。直近10年では、24カ国に販売実績がある。

国内シェアは80％と高く、市場では独占的地位を占める。身の回りにある建物や道路等は、そのほとんどがTOYO製品で加工された鉄筋でつくられている、といえるだろう。会社の規模は決して大きくはないが、業界で知らない人はいないほどの存在感を示す。財務基盤も強固で、安定した経営を継続させることができている。

東陽建設工機が掲げる理念は、「安定的に施工できる環境を構築し、災害に負けない、安全・安心な国土を支援する」こと、そして、「業界との共存・共栄を図り、その発展に寄与する」ことだ。TOYOの機械がなければ日本の土木・建築は成り立たない、そんな社会的な「存在意義」を噛みしめつつ、求められる「技術」、喜ばれる「製品」、信頼される「企業」の創造を目指す。

東陽建設工機は、時代に応じた技術の開発はもちろん、あらゆるニーズへの対応力を磨き続け、現在のところ製造・販売する鉄筋加工機は80種類にも及ぶ。さらに、関連設備や工具類の販売、現場生産性向上の提案等も手掛け、鉄筋加工や工事に関することなら、何にでも対応できる総合力がある。以下、それぞれの事業ごとに簡単な解説を加えていく。

■鉄筋加工機の開発・製造・販売の分野では、鉄筋の切り・曲げ形状等、あらゆるシーンに応える鉄筋加工機を手掛けている。

■鉄筋加工ラインシステム等の提案も行っており、既存/新規工場設備の相談から、工場ライン稼動の企画・立上げ、導入後のアフターフォローまでトータルに対応する。

■長年にわたり培ってきた鉄筋加工のノウハウを活かし、コンクリート・二次製品業界や住宅基礎業界向けに、汎用性の高い加工機の開発も行う。

■鉄筋工事関連設備の販売では、小型（手持ち）の鉄筋加工機や、簡易型の作業台・搬送装置、クレーン設備、その他工具等、鉄筋加工に関するあらゆる商品を取り揃える。

■近年、力を入れているのが鉄筋加工におけるITシステムの提案だ。加工品質にこだわりながら、鉄筋の積算、搬入、加工、加工品の搬送・出荷までを一元管理するトータルシステムを提案する。

パワーアップや自動化、複合化、システム化、無人化等、求められるテーマは常にレベルアップしているが、東陽建設工機は業界の先駆者として、これらの課題を一つひとつクリアしてきた。この実績が、常に新しい未来を切り開いていく社風の基礎となっている。

今後の東陽建設工機は、コンクリート業界向けの加工機等、新分野への展開を進めていく方針だ。また、加工機のIoT化とデータの利活用にも力を注ぎ、上に述べたITシステムのさらなる精緻化に取り組む。海外販路の拡大にも取り組み、東南アジアを中心に、新たな市場の開拓を図る。ゆくゆくは世界で必要とされる鉄筋加工機メーカーを目指す。

2020年12月時点の従業員数は約200名で、平均年齢は41歳、男女比は男性：女性＝9：1の比率となっている。新卒・中途の割合は、新卒55％、中途採用45％とバランスが取れている。平均勤続年数は14.8年と、比較的長い（全国平均は12.1年　※厚生労働省 平成29年賃金構造基本統計調査）。

福利厚生が手厚いのも、東陽建設工機の大きな特徴だ。福利厚生サービスの会員となっており、全国のホテルや旅館、ゴルフ場等を優待料金で利用できるほか、様々な生活関連のサポートメニューを受けられる。独身者には、借り上げマンションを6,000円/月から提供する（規定あり）。

会社が一部拠出する「共済会」からは、ライフイベント時（結婚、出産、葬儀、退職等）に慶弔金が支給される。また、従業員持株会（拠出金額に応じて奨励金あり）や、人間ドック、がん検診等を個別に受けられる費用の一部を、会社が負担する制度もある。

社員教育制度も充実している。国家資格である技能検定（技能士）の取得にあたり、事前学習のための講習費や受験料等を会社が負担する。合格者には褒賞金も支給される。グローバル人材を育成するため、英語力の強化にも注力。英会話教室等の学費や教材費の一部をサポートする。TOEICで一定以上のスコアを達成した人には、褒賞金もある。また、Eラーニングによる自己啓発支援も行っている。

求める人物像は、「災害に負けない、安全・安心な国土を支援する」という社会的使命（＝経営理念）に共感できる人だ。同時に、自分で考え、工夫し行動できる自立性があり、あふれる向上心でチャレンジできる人を求めている。

東陽建設工機には、新しいニーズを掘り起こし、製品として具現化する喜びがある。ユーザーの要望等をダイレクトに製品としてカタチにできる面白さがある。日々の仕事が顧客や社会に利益をもたらし、「社会に貢献できている」という、確かな満足感も感じることができる。