シャープ株式会社

1912(大正元)年より、「他社がまねするような商品をつくれ」という創業者・早川徳次氏の哲学のもと、国産第一号のラジオやテレビ、世界初となるオールトランジスター卓上計算機や１４型TFTカラー液晶ディスプレイ、業界初のモバイルカメラ付き携帯電話など、数々の“業界初”“日本初”“世界初”を生み出してきたシャープ株式会社。

「8K+5GとAIoT※で世界を変える」を事業ビジョンに掲げ、卓越した品質のモノやサービス、ソリューションを提供する企業へと事業変革を進めている。
※AIoTとは、AI（Artificial Intelligence：人工知能）とIoT（Internet of Things：モノのインターネット）を組み合わせたシャープ独自の造語

「そうしたなか、最も大きく変わろうとしているのが、シャープ全体のIT化推進を担う部門である『ITソリューション担当部門』でしょう」と話すのが、同部を取りまとめる柴原和年氏。

「これまでのIT部門は社内のIT化を推進・サポートする業務を担いながらも、実際の開発や運用保守などのIT業務ほとんどを外部会社に委託するアウトソーシング。しかも、長い歴史を有し幅広い商品やサービスを創り出してきたシャープでは、事業や拠点ごとにさまざまな基幹システムが構築され、膨大なコストと労力を必要とする状況に陥っていたのです。それらを根本から見直し、新たな時代にふさわしいカタチに再構築する取り組みが2017年よりスタートしました。企画から開発、保守・運用まですべてを自らの力、体制で行う、いわゆる内製化を加速するため、これからの時代を担うITリーダーやシステムエンジニアの積極採用を進めているのです」（柴原氏）

2017年から始まった新たな挑戦。ガバナンスの強化を背景に、メインフレームの撤廃とSAP/ERPへの統合、自社データセンターの構築など、この5年間に着々と組織改革のための基盤づくりを進めてきた。「今、ようやく環境が整ってきたところ。本格的な改革へのチャレンジは、まさにこれから始まります」と柴原氏は語る。

目指すテーマは“DX”。業務の効率化やコストダウンという従来の社内ITに止まらず、国内をはじめ、米州、欧州、中国、アジアの５拠点を横断するグローバル次世代ITシステムの構築と運用で、新たな価値やビジネスの創出につなげる“攻めのIT”の実現だ。その先鋒を担う部隊であるITソリューション事業部DX推進部部長　関郊治氏もまた、新たに採用する人材に大きな期待を寄せている。

「現在、IT部門には約150名のメンバーがいて、その多くが20代、30代の若手です。その先頭に立って組織づくりを担うリーダーであり、かつ将来の幹部候補生として、これまでIT分野で培ってこられたさまざまな経験やスキルを大いに発揮して欲しいですね」（関氏）

ITリーダーやシステムエンジニアとして、今、シャープで働く魅力は「スケールの大きさと、自分たちの手でつくりあげる自由度」だと柴原氏、関氏は声を揃える。

モノづくりとデジタルを融合した新しいビジネスモデルへの変革を推し進めているシャープでは、世界のマーケットを見据えた商品開発や、企業力を高めるM&Aが活発に動いており、基幹システムの統合という面においても、調達・生産・販売・サービス・経理・人事など、多分野におよぶ規模の大きなプロジェクトが稼働する。

「そこで面白いのは、会社のしくみや業務全般を、上流から下流まで広く深く見通していけること。シャープほどの大規模な事業会社になると、モノづくりの全体を見渡しすべてのエリアで活躍できるチャンスはそうそうありません。自社内の業務改革とシステムづくりだからこそ、業務部門とシステム部門とが一体となって連携を図ることができ、自分たちの企画や提案、業務の一つひとつが、会社の発展や成長につながっていることをダイナミックに感じることができるのです」（柴原氏）

アウトソーシングを廃し内製化を進める今こそ、自分たち自身で考え、提案し、展開し、さらにその成果を見届け次への提案に活かしていく喜びややりがいが高まっていると言えそうだ。

また、DX推進部長である関氏は、この改革を進めるために2020年に入社した強力なメンバーの一人。大手ITベンダーやコンサルティングファームで活躍してきた経験を持つからこそ感じる、「ここで働くことの面白さ」があるという。

「例えば、自分たちで次世代ITソリューションの評価、世界で普及が進むオープンソースソフトウエアの積極活用、自動化を取り入れた仮想化やコンテナ化などのオープンスタック環境の構築、シャープの事業変革にどう活用すべきかドライブできるなど自由さがあること。クライアント企業からの“制約”に縛られることなく、ある意味社内を実験場にしてどんどん検証、改善を進めていくことができるんです。各事業の現場ユーザと直接コミュニケーションを図り、ダイレクトに反応が返ってくる点も、仕事へのモチベーションにつながります」（関氏）

さらに、リモートワークが進むコロナ禍でも、独自に開発したチャット、ビデオ通話コミュニケーションツール「LINC Biz」を社内で広く展開し、社内での対話がスムーズになるよう、部門を超えたオープンコミュニケーションを強く推進している。　この「LINC Biz」サービスは社外の顧客にもクラウドサービスとして提供がされており、内製化を実現する同社なればこそ。社内にノウハウを蓄積し、新しいビジネスチャンスを創出するという取り組みが、着実に成果を生み出しているのだ。

同社で働く魅力は仕事内容だけではない。100年以上の歴史を持つメーカー企業として培ってきた充実した労務環境は、IT業界に蔓延する「長時間の業務で過酷」「人間関係が希薄」「将来が不安」など、一般的に抱かれがちなマイナスイメージを見事に払拭する。

「まず、当事業部が最も重視しているのが教育です。ITエンジニアとして求められる技術的スキル、業務の課題を分析し改善に導くソリューションスキル、プロジェクトを適時的確に進行するマネジメントスキルという３つの能力の育成を中心に、独自のプログラムや研修体制で丁寧な教育指導を実施しています」（柴原氏）

そのひとつが、eラーニングを活用した講座開催だ。

「対象は全社員。エレクトロニクスメーカーの社員として必要な知識を網羅し、社員の環境意識を高めるのが狙いです。全体的な知識レベルを向上することによってITエンジニアの各業務がより円滑になり、より良いシステム構築の実現につながると思いますね。その際、私たちが重視するのが“難しく高度な知識”ではなく、“仕事に必要な生きた知識”の習得なんです」と、柴原氏は言う。

もちろん、充実した教育体制を整えるのはもちろん、日々の業務のなかで社員同士が気さくにコミュニケーションを図れる雰囲気や、気軽に質問や相談ができる人間関係など、職場環境の良さが社員一人ひとりのモチベーションを支え、成長へとつなげているようだ。

「ワークスタイルに関しても、働く時はしっかり働きながら水曜と金曜はノー残業デーを徹底。年間の有休消化もしっかりできるほか、産休や育休といったライフステージに応じた休暇制度も整っています。ITを担う部署としてのチャレンジと、老舗メーカー企業としての安心と安定。二つの異なる要素がバランス良く共存しているのが、当部署の最大の魅力かも知れませんね」（関氏）

次の100年に向けて、大変革に乗り出したシャープ株式会社。その可能性に満ちた挑戦を支える部門として、ITソリューション担当が果たす役割と責任は大きい。

「だからこそ、一人ひとりが自らの可能性を引き出し、存分に活躍できる組織を目指したい」と語る柴原氏と関氏。

ITリーダーやシステムエンジニアとしてより大きなやりがいを得たい、確かな未来を手にしたい、自らに潜む可能性に挑みたい――そんな意欲あふれる人はぜひシャープの門を開いてほしい。