株式会社シグマクレスト

株式会社シグマクレストは、食品メーカーを中心とした製造業向けの業務用ソフトウェア・システムの開発を請け負うシステム開発会社。生産管理、原価計算、販売管理システム等の業務システムの構築をはじめ、財務会計、経理、人事、営業業務のシステム開発、パッケージ導入のサポート、イントラネットWebサイトの構築と、企画・開発から維持・保守、運営までを幅広く担っている。

「2001年に6名の体制で設立後、人間味豊かなスタッフに恵まれ、確実な足取りで成長を続けています。受託開発にこだわり、エンジニア派遣事業には手を出さず、20年かけてここまで歩んできました。受託開発オンリーのスタイルを貫くために大変なことも多々ありましたが、長く付き合いのあるクライアントにも助けられ、信念を曲げずに会社を存続させてきました」（代表取締役・高橋和美氏）。

食品メーカーの業務知識に明るいのが、シグマクレスト最大の強み。代表の高橋氏が銀行系のシンクタンクでエンジニアをしていた頃からの繋がりで、大手総合食品メーカーの仕事がメイン。それ以外にも大手だけでなく、中小の食品メーカーの業務用システムを開発している。そんなシグマクレストのモットーは「小回りの利くシステム開発」だ。

「私達は常にお客様の最大の理解者であろうと心掛けています。お客様と対面するのではなく、『隣』の感覚で接してもらえるように努力を続けています。私達は創業以来、規模でいえば小さな、しかしお客様にとって重要なシステム作りと保守に専心してきました。お客様がコストをかけられない部分を進んで引き受け、結果を出してきました。大手のSIerから私達に依頼先を切り替え、コストダウンを実現した案件が数多くあります」（高橋氏）。

シグマクレストは、創業時に考えたキャッチフレーズを今も大切にしている。それは「土の香りのソフト屋さん」。育むこと、実らせることを重視してきた同社らしい素敵な言葉だ。

「クライアントからも社員からも『温かい会社ですね』と言われる会社にしたくて、付けたキャッチフレーズです。土には物を育む力があります。多くの生き物にとって基盤となる土台です。ひと時でも私達と時間を共有する社員一人ひとりや数々のお客様にとって、居心地の良い、すくすく成長できる環境を作りたい。そんな気持ちを込めています。お客様と有意義なコミュニケーションを通じて『土臭いサービス』をご提供する。それが、私達『土の香りのソフト屋さん』、シグマクレストです」（高橋氏）。

クライアントとの信頼関係を築いて、食品業界に関する豊富な業務知識を強みに、20年の長きにわたって受託開発を続けてきたシグマクレスト。しかし、受託開発だけを手掛けているわけではない。同社では、パッケージの販売も手掛けている。

「お客様である食品メーカーの売上アップ、経費削減に繋がる選りすぐりの製品を、開発元のソフトウェアハウスと代理店契約を結んで販売しています。それに伴う導入支援も手掛けています。現在は、食品工場の衛生管理をデジタル化した『衛生管理アプリ』や受話器を取る前にお客様情報が分かる完全クラウド型おもてなし電話サービスのシンカCTI『カイクラ』等、七つのソリューションを取り扱っています。お客様の食品メーカーの課題にマッチしたパッケージを活用することで、売上アップ、経費削減を実現します」（高橋氏）。

パッケージ製品の販売だけでなく、シグマクレストでは、自社開発のパッケージ製品も提供している。食品業界の需給管理業務でよくある悩みを解決するソリューション『需っ給さん（じゅっきゅうさん）』だ。

たいていの食品メーカーや原材料メーカーでは、本社と工場が違う部署になっており、離れた場所にあるケースも少なくない。商品の廃棄や販売の機会損失が発生しないように、適切な在庫管理と生産管理が必要とされる。しかし、多くの中小メーカーでは、業務が属人化していたり、専用ソフトを使っていないため非効率であったりして、在庫の最適化ができないという。

「食品業界に特化して約20年の私達だからできる業界唯一の需給管理システムです。オーダーメイドの価格がネックで導入できないという相談があった場合、お客さまの同意を得てパッケージ化し、販売しています。大手メーカーは既に独自のシステムを開発して導入していますが、中小の食品メーカーでは、高額な導入コストがネックとなって需給管理システムを導入できないところも。パッケージ化することで低コストでの導入が可能となります」（高橋氏）。

食品ロスを減らすことで社会貢献にも繋げられる『需っ給さん』。食品メーカーの業務知識に明るく、「小回りの利くシステム開発」をモットーにしているシグマクレストだからこそ開発できた、現場のニーズにマッチしたソリューションだ。今後も食品メーカーの現場で発生している課題を解決するソリューションを開発していく予定だ。

「システム開発会社である私達にとって、ソリューションやアプリ開発は目的ではなく、結果です。VCを入れて資金調達し、エンジニアのリソースも積極投入して、サービスを開発するスタイルではありませんが、自分達のペースを守りながら受託開発というフロービジネスだけでなく、ソリューション開発というストックビジネスも事業の柱となるように、少しずつチャレンジしていきたいと考えています」（高橋氏）。

エンジニアが安心して働ける環境を守るため、エンジニア派遣には手を出さず、外部から資本も入れずに20年間、コツコツと地道に自分達の身の丈に合った開発を進めながら、歩んできたシグマクレスト。しかし、会社には壮大な目標がある。それは、食品メーカーのシステム開発だけで売上高460億円を達成すること。

「なぜ、460億円なのかと問われますが、政府の資料を基に試算したところ、食品業界のシステム開発でトップシェアを取るには476億円という数字が出ました。現在の売り上げが4億円程度ですから、会社の規模を100倍にしなければなりません。壮大な野望すぎて社員は笑っていますが、社名にも『シグマ＝総和』『クレスト＝頂点』、仲間と共に頂点を目指すという高い志を込めています。実現できるかできないかよりも、山の頂を目指してみんなで進む会社であり続けたいという願いです」（高橋氏）。

技術力よりも豊富な業務知識が強みのシグマクレストでなら、食品業界の業務知識というエンジニアとして一つ武器を手に入れられる。今は食品業界の知識がなくてもOK。

「テクノロジーは日進月歩。技術系のスキルは、常にキャッチアップが必要です。しかし、特定の業務知識に明るくなれば、40歳以降に安定したエンジニアライフを送ることが可能となります。食べ物なしに人は生きることができません。食品業界は『不況に強い業界』でもあり、安定したキャリアを築きたいエンジニアにはピッタリです」（高橋氏）。

シグマクレストは、新卒・中途を問わず「相思相愛」を採用コンセプトにしている。新卒採用の一次選考で、ボーリングやダーツといった「遊び」を社員と一緒に行うといったユニークな取り組み「アミューズメント採用」も実施していた。これから共に働く仲間として理解を深めるための選考だ。その根底には、「仲間と共に頂点を目指す」という社名に込めた思いがある。

「常々私は、一緒に仕事をする仲間とビジネスライクな関係では物足りないと思っています。高校・大学時代に合唱部で指揮者をしていたのですが、色んな困難を乗り越えた時、一番綺麗なハーモニーを奏でられます。調和の取れたハーモニーは、互いの個性を尊重した人達が共通の目的に向かって共に進む中で生まれるもの。お互いへのねぎらいの思いやハードな練習を乗り越えて築き上げた信頼関係等、色んな要素が重なって、ハーモニーは生み出されます。仕事にも調和の取れたハーモニーを求めています！」（高橋氏）。

仲間と一緒に喜びを分かち合いながら働ける環境が欲しい。そんな思いを持つエンジニアなら、シグマクレストで仲間と最高のハーモニーを奏でられるだろう。