株式会社トゥインクル

株式会社トゥインクルは、東京都多摩市に本社を置くITサービスの会社だ。システム開発やサポートのほか、人材派遣等も手掛け、技術と人的リソースで数多くの企業の活動を支えている。同社は、1996年にデータエントリーの会社としてスタート。「現社長が創業し、当初のデータエントリー業務から、次第にお客様から『システム開発を手伝って』『コールセンターを手伝って』等ど言われるようになって、それに応える形で業務を拡大してきました。様々な業務を通じてノウハウを蓄積し、今のように何にでも対応できる会社になりました」こう話すのは、オンサイトサポート部の部長を務める山根氏だ。

真摯に業務に向き合いながら、創業から25年以上が過ぎ、現在の同社はシステムサポート、ヒューマンサポート、コールサポート、ソリューションサービスの四つのサービスを展開する。システムサポートは汎用系、オープン系のシステム開発を、SESや受託開発の形で支援するサービスで、ヒューマンサポートはヘルプデスクやWebコンテンツ構築・運用、および事務系スタッフの人材派遣サービスだ。コールサポートは、インバウンド・アウトバウンド両方のコールセンター人材の提供に加えて、コールセンターやヘルプデスクの構築から運用、品質管理までを含めたワンストップ対応まで、様々なニーズに合わせたサポート業務を提供する。ソリューションサービスは、ネットワーク、サーバー、セキュリティ等のインフラをメインとした構築、導入、運用等のサービスだ。

このように、創業以来堅実に事業を拡大し、現在では総勢400名強の規模になっている。この発展に大きく寄与したのが、2000年頃に取引が始まったNECグループとの絆だ。一時期は同グループのお膝元である田町に営業所を構えていたほど（現在は移転）。NECグループ内でトゥインクルは「重点パートナー」に認定されており、人材を必要とする際には、真っ先に声を掛ける存在となっている。

NECグループだけでなく、三菱電機や富士通、東芝グループ等の大手各社とは軒並み取引があり、様々なプロジェクトに参画してきた。これらの会社を含めて取引先は多岐にわたり、その数は大手を中心に100社以上に上る。トゥインクルのホームページに、その一部が紹介されている。いずれも錚々たる企業だ。

このように書くと、「そこそこの規模のよくあるITサービス会社だ」と思われるかもしれない。が、そうではない。トゥインクルの最大の特長で、存在意義でもあるのは、社員を非常に大事にすることだ。山根氏は「当社には営業部と人事部がありません」と言う。この規模の会社では珍しいが、それは山根氏も含めた部門長達がメンバー一人ひとりと丁寧に向き合い、仕事の内容・状況や今後のキャリアの希望等を逐一、把握しているからだ。

同社には10の事業部門がある。カンパニー制のように各事業部門の独立性が強く、人材の募集・採用も様々な事務処理も、お客様への営業活動もそれぞれの事業部門で全てやる。それを統轄するのが部門長だ。1事業部門は30人～50人の規模で、さながら小さな会社の社長のよう。お客様先にいるメンバー一人ひとりに至るまで、部門長の目が行き届く規模だ。

「最低でも月1回は顔を合わせて話しますし、何かあればいつでも、会いに行ったり電話で話したり。現場に問題があればお客様とも話しますし、解決が難しければ、異動させる等してフォローします。日頃から出勤状況やお客様の評価等、細かいところまで見ているので、様子がおかしければ気付きますし、何か悩みがあるのかと働き掛けます」と山根氏。手厚さは、ほかの事業部門も同様だ。

この一人ひとりを大事にする姿勢は、創業時からの社長のポリシーだ。社長の堀内哲二氏は、元々同業の別会社にいたが、そこは必ずしも満足のいく職場環境ではなかった。そこで、理想の会社をつくるために同僚と共に創業したのがトゥインクルだ。その精神は26年を経ても変わることはなく、今のトゥインクルの社風をつくっている。

その結果が、「入社した社員の継続率は全社で95%」と山根氏。体感的には、ほとんど人が辞めない会社だ。「例えばウチの事業部門では、弊社からのメンバー約30人で構成しているヘルプデスクのプロジェクトがあります。そこは半分の人がプロジェクトに入って10年以上。ほかの現場に行きたくないと言っています」と山根氏。同社の居心地の良さを象徴するエピソードだ。

山根氏が所属する事業部では、お客様先に常駐してシステム運用やヘルプデスク業務、社内SE等の業務に当たるほか、コールセンターのアウトソースサービス等を手掛ける。中には一人、二人で行く現場もあるが、チーム単位も多く、例えば大手企業の大規模基盤システムの運営チームの一つとして、開発や運用を行う現場等がある。このような案件では、日々の運営を通じて感じる課題の改善提案や、システム改修時における上流工程から構築・運用までのワンストップ対応等、幅広い業務を任される。

メンバー一人ひとりのキャリア観、志向や希望は、このような多様な案件を通じて実現するのが、トゥインクルの基本スタンスだ。山根氏は言う。「タイミングもあるので、一人ひとりの希望を100%叶えることは難しいですが、『ここは譲れない』という点は守り、結果的に、常に8～9割方は希望に沿えています」

山根氏自身は、異業種からの転身組だ。飲食業界で複数店舗を統轄するマネージャーを務めた後、心機一転、知人の紹介でトゥインクルへ。契約社員でオペレーター業務に従事した後、正社員になり、その5年後に部門長になった。「当社では、本人が希望し、上長も素養があると判断すれば、最短3年で部長になります。元々風通しが良く、お客様の評価も全て分かるので、このような『任せてみよう』という判断になるのでしょう」

事業部門をまたいで異動し、キャリアを形成することもある。例えば山根氏の下にいたヘルプデスクのメンバー。サーバー構築業務を希望し、自学して必要な資格も取得していたが、実務経験がないため、部門内でのアサインは難しかった。そこでほかの部門にも照会したところ、案件があり、現在はすっかりサーバーエンジニアとして活躍している。「部門としては、手放すのは惜しいですが、本人の希望が優先です。スキルがあるなら、それを伸ばせる仕事を、こちらも意地でも探します」山根氏がそうするのは、会社のポリシーに加え、やる気があってこそ人は成長すると信じているからだ。山根氏自身、ここで前職とは全く違うキャリアが花開いた。

人を大事にする会社だけに社内の雰囲気も良好だ。コロナ禍前は、事業部門の飲み会や全社の社員旅行等、交流を深める機会もあり、好評だった。「社員からは、仕事が楽しい、やりがいを感じるという声をよく聞きます。我々も安心して長く勤めてほしいので、そのための努力は全力でします」と山根氏。

現在のトゥインクルは、次々と来る案件に対して人材が全く足りていない状況だ。新しい仲間を求めている。今、スキルがあるのに力を発揮できていない、自分の思い描くキャリアに向かっていないという人に伝えたい。トゥインクルなら案件があり、相談も提案もできる。息長く働き、キャリアを形成できる。活躍の場を求める人に相応しい場だ。