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株式会社 Hacobu
Green Premium Interview
「運ぶを最適化する」
物流ビッグデータで複雑な社会課題を解決する



私たちの社会を支える「物流」。ある商品が私たちの手元に届くまでには、原材料がメーカーの工場に運ばれ、完成した商品が物流センターに集められ、スーパーやコンビニ、デパート、ホームセンター、ドラッグストアなど小売店に届けられます。こうして私たちは、物流によって生活に必要な物を購入して消費することができます。

社会が機能するために必要不可欠な物流は、今、大きな危機を迎えています。日本では、トラックドライバーをはじめ、物流の現場で働くワーカー不足が進行しています。さらに物流業界の複雑な構造によりデジタル化が遅れており、FAXや電話といったアナログな業務で現場は疲弊しています。

そのため、ITテクノロジーで効率的なロジスティクスを実現するため、物流に関係する企業では「物流DX」の推進を加速させています。

「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ、物流DX推進のアプリケーションを開発・提供している株式会社Hacobu。彼らがチャレンジしているロジスティクス最適化への取り組み、物流DXがもたらす社会の姿など、物流の現状と未来を紐解いてみましょう。

Toida1
執行役員 CTO
戸井田 裕貴 氏
株式会社gloopsにて、ソーシャルゲームの新規立ち上げや運用、エンジニアリングマネージャーに従事。その後、2人目のエンジニアとして株式会社Candeeに入社し、ライブコマースを新規立ち上げ。ライブ動画配信インフラ・バックエンド・フロントエンドを1人で担う。2019年1月より株式会社Hacobuにてオープンプラットフォーム開発に従事。
Kamai1
プロダクト企画本部 プロダクト企画部 プロダクト責任者
釜井 達矢 氏
新卒で富士フイルムに入社。デジタルカメラの在庫・出荷管理、生産管理、マーケティング、商品企画業務を担当。その後デロイト トーマツ コンサルティングへ移り、主に製造業クライアントへのシステム導入・業務改革プロジェクトに従事。現在はクライアントへのソリューション営業と並行して、物流情報プラットフォーム「MOVO」のプロダクトオーナーを担当。

目次

1. Hacobuが実現する物流DX、その現在地と目指す地点

2.  大規模なシステムリプレイスを経て「MOVO 2.0」へ進化

3.  【対談】デジタル物流情報プラットフォーム完成に向けた次の一手

「Hacobuが実現する物流DX、その現在地と目指す地点

ーー物流DXを推進するプロダクトを開発しているHacobuがターゲットにしている「物流業界」について教えてください。

釜井

物流と聞けば「宅配」をイメージする人も多いかもしれません。しかし、宅配はいわばBtoCの物流であり、これとは別にBtoBの物流、すなわち「企業間物流」という大きなマーケットがあります。

企業間物流は、宅配よりも市場規模が大きく、宅配市場が3~4兆円なのに対し、企業間物流は10兆円あるといわれています。昨今では物流業界の課題として、宅配業界における「ラストワンマイル」の問題もクローズアップされていますが、この領域においては宅配サービスを提供する各社が、自社サービスの高度化・他社との差別化のためシステムを作り込んで高度な宅配サービスを提供しています。それに対して企業間物流は、現場の方々の経験や地道な努力に頼ったアナログな業務を行わざるを得ず、デジタル化においては後れを取っているのが現状です。当社は企業間物流における様々な課題を解決するため、業務やコミュニケーションのデジタル化…いわば「物流DX」を実現するプロダクトを開発・提供することで、物流の側面から社会をより豊かにしていくことを目的としています。

ーー物流DXで解決を目指す「物流業界が抱える課題」とは、どんなものですか?

釜井

企業間物流において共通したシステムの導入が難しいことです。宅配業者は集荷から倉庫での保管や荷捌き、配送まですべて自社で管理しているため、統一したシステムを導入できました。一方の企業間物流においては、荷主(メーカーや卸業者・小売業者など、荷物を運ぶ依頼をする主体)は自社の物流センターや在庫情報などを管理するシステムを導入している一方で、実際に商品や原材料を運んでくれる運送会社が車両や荷物の情報をシステム管理しているケースは一部に限られます。企業間物流を担っている運送会社は、全国に6万社あるといわれていますが、そのうち、99.9%が中小企業。運送会社はいろんな荷主の荷物を運ぶケースが多く、また同様に各荷主も複数の運送会社に日々配送業務を依頼しています。更にはその依頼も孫請け・曾孫請けへと渡されていくのが日常です(いわゆる「物流の多重構造」)。

そうした背景から、何かしらの共通の仕組みで情報のやり取りを行うことが難しいのが現状です。また車両を可能な限りフル回転させたい運送会社にとっては、優秀な配車マンによる人力の配車業務に依然として大きな価値があり、個社単位では、デジタル化が必ずしも最適解にならない場合も多いというのが実情です。

共通の仕組みがない上に、こうした情報のやり取りが実際にモノを運ぶ半日~数時間前に行われるため、情報入力や業務をシステム上で行う動機付けが弱くなり、企業間物流の業界ではデジタル化が進みません。紙の書類や請求書でのやり取りが続き、大手メーカーでも物流センターへの商品配送を運送会社に依頼するのに、未だにFAXを活用しています。アナログな作業を人海戦術でなんとかこなしているのが、物流業界の姿であり、解決しなければならない課題です。

ーーHacobuが開発提供するサービスは、どんなものですか?

釜井

当社が提供しているアプリケーションは、物流の現場での課題を解決するソリューションです。例えば、物流センターでの入出荷作業の効率化を実現するアプリ「MOVO Berth」。物流センターで荷物を積み込んだり降ろしたりする「バース」と呼ばれる場所があります。このバースを使うトラックの入出庫をデジタル管理することで、庫内作業を効率化し車両待機問題の解消に繋がります。運送会社やトラックドライバーにオンラインで事前にバースを予約してもらうことで、事前情報を元にした庫内作業の準備を進められ、効率的な積み込みや荷降ろしが可能となります。紙の伝票をなくすこともでき、庫内作業をデータで可視化。定量分析で業務改善に取り組めます。

ドライバーも予約時間に到着することで、バースが空くのを待つ必要がありません。従来は、トラックが到着した段階で庫内作業の準備がはじまり、バースが空いていなければ順番待ちする必要がありました。物流センターに到着したことを知らせるために事務所へ顔を出す必要もなく、SMS呼出でバースへ誘導してくれます。ドライバーも無駄を省いた働き方ができます。

ーーHacobuが進める物流DX、今後の展開は?

釜井

何よりも肝心なのは、物流に関わるデータをデジタル化することです。そのためには前述したような難しさをクリアした上で、多くの方にシステム上で業務を行っていただけるよう、個別の課題を解決するための便利で使いやすいアプリケーションを広く提供しながら、自然に会社の垣根を越えて繋がっていくような仕組みを作る必要があります。現在当社は、4つのプロダクトを提供していますが、その全てが共通のフォーマットで動いています。だから、異なるツールの情報でも同じデータとして扱えます。必要な物流データがシステムやツールの垣根を越えてやり取りできる世界こそ、当社が実現を目指している地点です。物流データを業界全体で共有することができれば、業界が直面している課題を解決できます。例えば、東京から青森まで荷物を運んだトラックは、帰りは荷物を積まずに帰ってきます。物流データを共有できると帰りのトラックの荷物をオンラインで探して積むことができるようになります。

ドライバー不足と言われていますが、実は日本全体のトラックの荷物の積載率は、たったの38%。日本全国を走っているトラックの6割以上のスペースが空いたまま走っているのです。今後、トラックドライバーを増やすのが難しいなら、積載率を上げて対応するのがセオリー。そのためには、物流業界全体でデータを共有するシステムが必要です。当社のクラウド型物流ソリューション「MOVO」は、物流業界全体でデータ共有を可能にする、デジタル物流情報プラットフォームです。

Cap1

企業間物流は複数のプレイヤーが複雑に絡み合い、個社最適が優先されるため全体の課題が改善されない

Cap2

担当ライターから

物流業界と建設業界が、デジタル化の遅れている2大業界と言われている。物流DXを謳うスタートアップベンチャーをたくさん見てきたが、参加するプレイヤーが多すぎて、統一したシステムを導入できないからデジタル化が遅々として進まないという現状。Hacobuは、現場の課題解決ソリューションを提供すると同時に、物流データのデジタル化を目的に据えている。

日本のトラックの荷物の積載率が38%なのは、驚きを禁じ得ない。ドライバー不足という課題解決を解決するのに、デジタル的なアプローチが有効なのは、この数字に如実に表れている。「MOVO Berth」などのデジタルツールで効率化を図ることで、物流業界の課題が解決される可能性を感じた。

大規模なシステムリプレイスを経て「MOVO 2.0」へ進化

ーー2020年に実施した「MOVO」のシステムリプレイスについて教えて下さい。

戸井田

もともとMOVOの各プロダクトは、それぞれ異なるプログラミング言語やアーキテクチャで構成されていました。当時は、各エンジニアの得意な言語で一刻も速くリリースすることが最も大切だったからです。ただ、運用をしていく中で、物流の課題を解決するには、個別最適ではなく全体最適が必要だという結論にいたり、全プロダクトリプレイスしました。

目的は大きくこの3つを実現したかったからです。
1つ目は、車両や車格や荷姿等のマスタデータや、位置情報等のトランザクションデータは、プロダクト横断の共通データとして定義されていること
2つ目は、各プロダクトが共通のUIを通し、シームレスに機能連携していること
3つ目は、技術スタックを共通化し、開発組織として最高効率でMOVOの開発を行えていること

テック総力をあげてこのミッションに取り組み、紆余曲折を経てなんとか無事リリースできました。もうみんなお腹いっぱいなので、「もう絶対にリプレイスは起こすまい」という強い気概のもとMOVOの開発に日々取り組んでおります(笑)。

ーーシステムリプレイスは大変な作業だと耳にしますが、「MOVO」のシステムリプレイスはどのように進んでいったのですか?

戸井田

まず内容ですが、データベースの設計をゼロからやり直し、ソースコードはすべて新言語で書き直し、DevOpsもゼロから構築し直し、旧環境(MOVO1.0)から新環境(MOVO2.0)へのデータのマイグレーションも行う、という非常に難易度の高いものでした。(Hacobuでは完全なリプレイスだという意味を込めて、社内では旧環境をMOVO1.0、リプレイスを終えた後のMOVOをMOVO2.0と呼んでいます。)

さきほども言ったように、テック総力をあげて対応したので、その間MOVO1.0の運用開発を止めざるを得ませんでした。お客様の機能要望に応えたいが、応えてしまうとMOVO2.0にも開発項目が増えてしまい、リリースが遅れてしまうというジレンマ。MOVO1.0の機能開発を止めたことで、セールスやカスタマーサクセスのお客様への対応はとても大変だったと思います。みな心苦しい気持ちを抱えつつリプレイスに集中していたというのが実態です。

約1年半かけリリースに漕ぎ着けました。おかげさまで大きな障害も発生せず、スムーズにリプレイスを終えることができました。ここでは言いきれないほどのたくさんのドラマがあったので、それは機会があれば別の形でお伝えできればと思います。
もう一度いいますが、大規模なシステムリプレイスはもうお腹いっぱいです(笑)。

ーーシステムリプレイスに成功し、今後はどのように開発を進めますか?

戸井田

共通データ定義とプロダクト間連携を爆速で実現していきます。
プロダクト単位でスクラムチームを組んでいるので、技術スタック統一によりチーム間での車輪の再発明がなくなります。具体的にはフロントエンドはAtomicDesignに則りStorybookに共通コンポーネントを定義し再利用しています。バックエンドは、Golangの共通ライブラリが定義されています。

チームへのメンバーアサインはとても大切な意思決定ですが、技術スタックの差分はないので、どうやったらみんながハッピーに働けるチームになるかの一点に集中でき、結果チーム開発のパフォーマンスに直結すると考えています。
新規プロダクトを立ち上げる際も、ゼロから作る必要がありません。共通コンポーネントや共通ライブラリの恩恵を受けつつ、ベースが整った状態からはじめられるので、とてもスピーディにプロトタイプをローンチできます。

プロダクト間連携に関しても、共通ドメインで提供しているのでログイン情報は共通ですし、プロダクト横断で共通のUIを使っているため、シームレスな連携を実現できます。
お客様が日々行っている難易度の高い複雑な業務に耐えうるプロダクトを提供するために、UIデザイナーがMOVO全体で高いUI/UXを保つことに日夜知恵をふり絞ってくれています。これらを実行していく中で、お客様の課題を解決するとともに、良質な物流ビックデータが蓄積されていきます。
今後は、蓄積されたデータを活用しさらにお客様に価値を提供すべく「Data-Driven Logisticsデータドリブン・ロジスティクス™」の実現を目指しています。

ーーデータドリブン・ロジスティクスとは、どんな世界でしょうか?

戸井田

「MOVO Berth」では、バースの予約者である運送会社の拠点も合わせると5,000以上の拠点へと利用が拡大しています。

トラックドライバーの利用者は17万人を突破。日本国内のドライバーのおよそ5人に1人が「MOVO」を活用してくれている計算となります。「MOVO」の導入企業の広がりとともに物流ビッグデータの蓄積が進んでおり、Hacobuはこの個社の枠を越えた物流ビッグデータを分析・活用し、物流業界に還元することでサプライチェーン全体の最適化を図っていきたいと考えています。物流の最適化には、個社内に閉じた取り組みだけではなくサプライチェーン内のステークホルダー間での調整が必要ですが、複数のステークホルダーで議論する際にはデータが肝になってきます。

また1つの会社内でも物流部と他部署が建設的な議論をするために、データがあると本質的な課題の抽出と部署間での連携が進みやすくなります。データがあることにより、事実を共有し、建設的な解決策を考え、新しいロジスティクスの在り方を考えていく、そのようなロジスティクスの世界を「Data-Driven Logisticsデータドリブン・ロジスティクス™」と定義しました。
その実現のためには、物流ビッグデータを価値につなげる技術が必要不可欠であり、今後は、データ活用を念頭に機械学習に力を入れていきたいと考えています。並行して、「MOVO」の新規プロダクトも複数立ち上げ予定です。そのために、最重要課題として「採用」を掲げており、本日のインタビューを通して少しでもHacobuや物流に興味をもっていただけたらなと思っています。

Cap3

大規模なシステムリプレイスを経て進化した「Logistics Cloud MOVO」

Cap4

担当ライターから

大規模なリプレイスを終え、「MOVO 1.0」から「MOVO 2.0」へと進化したことで、デジタル物流情報プラットフォーム構想は、ようやくスタート地点に立った。誰も到達し得なかった地点に、一先ずHacobuが先着したといえるだろう。

今後も「データドリブン・ロジスティクス」の構想を描くなど、Hacobuの視界は良好だ。日本国内のドライバーのおよそ5人に1人にあたる17万人を超えるトラックドライバーの利用者がいるのは、かなりスケールのあるビッグデータと言える。ビッグデータ活用で物流の世界はどう変わるのか、Hacobuの今後のビジネス展開から目が離せない。

【対談】デジタル物流情報プラットフォーム完成に向けた次の一手

ーーーーデジタル物流情報プラットフォーム構想を一歩前進させましたが、他社に先駆けてプラットフォーム化を実現した要因は何だと思いますか?

釜井

それは、優秀なCTOがいるからでしょう!

戸井田

本当にそんなこと思ってる?(笑)

釜井

1年半かけたリプレイスがなければ、プラットフォーム化はあり得ないわけだから、エンジニアの頑張りが実ったんだと思っているよ。

戸井田

ありがとう!でも、セールスの存在も重要だよね。いいツールを作ったからといって自然に広まるわけではないからね。

釜井

課題解決ドリブンな会社だから、セールスもエンジニアも同じ目標を持っているのが大きい。社会課題を解決したいメンバーが集まっているから、セールスもエンジニアも本気度が違う。クライアントと話をしている中でセールスがリアルな現場での課題を吸い上げてきて、エンジニアと共有している。だから、エンジニアも解像度高く物流を理解して、やるべきことを考えて開発を進められる。

戸井田

確かに、ビジネスサイドとテックサイドが同じ目的を持って動いている会社だね。ビジネスチームが持ち帰ったクライアントの課題に対して、何も考えずに言われるままに実装して終わりではない。いわゆる「社内受託」に陥っていないから、エンジニアが積極的にプロダクト開発に関われる。そんな状態を作ることができるのはPO(プロダクトオーナー)が、ビジネスサイドもテックサイドも理解して、両者の架け橋になっているからだよね。

釜井

デジタル物流情報プラットフォームを完成させるには、開発も営業も強い部隊が必要。さらに、物流業界を変えていくにはクライアントを巻き込んでいかないといけない。開発と営業の強力なタッグは、クライアントにも好感を与えている実感がある。出来上がったサービスを販売するだけでなく、クライアントの課題を聞いてそれをエンジニアにすぐに伝えられるから、自社の課題に真摯に対応してもらっている感じがするみたい。

戸井田

反対側から見れば、ビジネスサイドに立ってプロダクトの方向性を判断してくれるPOがいるから、テクノロジードリブンにならないとも思っている。テック企業で働くエンジニアはテクノロジードリブンで物を考えがちだからね。ビジネスサイドとテックサイドの絶妙なバランスは今後も保っていきたいね。

ーーデジタル物流情報プラットフォームの完成へ向けて、Hacobuの次の一手は?

戸井田

Hacobuの次の一手は、いろいろ考えられるけど、CTOの立場としてはデータドリブン・ロジスティクスの推進かな。

釜井

そのためにも、物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を立ち上げた。サプライチェーン全体の最適化を図るには、個社の枠を越え、公正性・客観性を確保したうえで、物流ビッグデータを活用しなければならない。だから、外部専門家で構成する物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を設置。第三者の視点や意見を取り入れ、物流ビッグデータ活用に関するガイドラインを策定、運用する体制を構築していくという意思表明だね。

戸井田

物流ビッグデータの民主化は絶対に必要だよね。データドリブン・ロジスティクスを進めるにしても、パブリックデータにして価値を生み出していかなければ、ステークホルダーが納得しない。物流データを握っていると特定の会社にとって脅威になる可能性もあるから、企業の営利活動を阻害せずに、物流全体の利便性に利するか考えて進めていく必要がある。

釜井

Hacobuはテクノロジーの力で社会課題を解決したい会社。先にどこまでやるかを明確にして公表しておくのは大切だよね。

戸井田

サプライチェーン全体の最適化という社会益とステークホルダーの個社益の両立を目指して、ステークホルダーとの対話を進めていかないとね。

釜井

社会益と個社益を両立するには「中立の立場」を強調していく必要がある。中立な立場を明確にするため、HacobuではVCだけでなくサプライチェーンに携わるステークホルダーにも資本参加してもらっている。

戸井田

同じ業種から複数の会社に資本参加してもらうことで、個社益だけを追求している会社ではないことを理解してもらえる。

釜井

社会益と個社益の両立を打ち出しているから、経済産業省の管轄下にあるNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から助成金を受けることができたと思う。

戸井田

本当に「運ぶを最適化する」のを目的にした社会益を追求する会社。だから公的な機関からお墨付きをいただけたと思ってる。

釜井

管理システムといった単体のサービスを開発するだけなら肌感として5分の1の労力で済むのに、非常に手間のかかる仕事をしているよね、うちの会社(笑)。並みのスタートアップでは太刀打ちできないと思う。プロダクト開発を通してアナログな物流の世界を最適化することに喜びを見いだせる人材だったらハマる。効率悪いのが嫌いで、常に最短ルートを導き出して、道路を斜めに歩くような人なら楽しいと思う(笑)

戸井田

課題を解決するプロダクトを作るのが好きな人なら、永遠に活躍できる会社。働いている本人もハッピーだしね。そもそも物流の社会課題を解決するために立ち上げたスタートアップだし、ここまで手間をかけて、みんながハッピーになるシステムを作ろうと本気でアプローチできる会社は少ないだろうね。根気のいるビジネスだから、中途半端な会社は手を出さない(笑)

釜井

けれど、確実に大きな社会課題解決へ向けて歩んでいる。

戸井田

そうだね。まだまだ茨の道は続くけど、みんなで楽しみながら物流の課題解決を進めていこう!

Cap5

「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ、大きな社会課題解決へ挑戦する仲間を探している

Cap6

担当ライターから

NEDOから助成金を受けて、大手企業が資本参加しているベンチャー企業。風通しよくフットワーク軽く働ける環境があるのに、携わるプロジェクトは途方もなく大きな社会的インパクトがある。大きく儲かる事業ではないと言っているが、物流業界でプラットフォーマーになった時のリターンは、存外大きいと感じた。社会益を強調するのは、それだけインパクトの大きなことをできる自信を得ているから。しかも、自社益を最後に回して、社会益と個社益の両立を唱える辺りに、課題解決ドリブンのHacobu社の本質を見た気がする。

また、セールスとエンジニアのパワーバランスが絶妙なのは、働きやすいテック企業の絶対条件。互いにリスペクトした良好な関係を築けているHacobu社は、まさしくやりがいを持って働くのに最適化された会社だ。

Cap9

540506

株式会社 Hacobu資本金約38億円(資本準備金含む)設立年月日2015年06月従業員数150人

運ぶを最適化する。「物流xテクノロジー」で事業者の垣根を超えた物流プロセスの全体最適に取り組んでいます。

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