株式会社キャッチボール

デジタルソーシャル領域に特化した、PR＆メディアエージェンシーの株式会社キャッチボール。「イケてるモノ・コト・アイデアを世に出そうとされている方を、担ぎ、支える、プロフェッショナルサービスを提供することで、デジタルソーシャル時代の、広告主、メディア、消費者／ユーザー間の、新しい三方よしをつくる。」を経営ビジョンに掲げる。

同社のビジネスは、クライアントサービス事業とメディアパートナー事業の2つ。
クライアントサービス事業では、広告主や広告代理店の企画・クリエイティブ部門をクライアントとし、広告キャンペーンをデジタルメディアで“拡散”させるためのPRのプランニングからエグゼキューション（実施）までを手掛けている。
大まかな業務の流れとしては、まずクライアントとともに、拡散させる広告キャンペーンの “ネタ”としての可能性を見極め、最大化させる最適かつ精緻なプロモーションを設計。次に、ソーシャルメディアやインフルエンサー含めたデジタルメディアのリサーチと選定を行う。そして、独自にデジタルプレスキットを編集し、各メディアに提案。さらに、プロモーション開始後は状況をウォッチし必要に応じてフォローアップを行う、というもの。

ビジョンに“イケてるモノ・コト・アイデア”と標榜しているが、「いいモノを広めたいからこそ、『カネを払うから成果を出してほしい』と一方的に要求されるような方や、“イケてない”モノ・コト・アイデアの場合は基本的にお断りしている」と同社を創業した代表取締役／ディレクターの新甚智志氏は言う。結果的に、実績としては「資生堂uno」「キリン グリーンラベル」「TOYOTA BARISTA」「NTT ぷらら」「日清食品 出前一丁」といったナショナルクライアント／ブランドの広告キャンペーンが大半を占めている。
「この事業においては、“日本一の拡散のプロフェッショナル”を目標にしています」と新甚氏は強調する。

メディアパートナー事業では、主にデジタルメディアやWebサービス／アプリのタイアップ企画の立ち上げから営業代行まで携わっている。現在手掛けているのは、『ボケて』『Mix Channel』『togetter』『秒刊SUNDAY』の4メディア。
クライアントサービス事業において、どういう商品（メディア／企画）ならばクライアントは買いやすいかを熟知していることで、企画設計の最適化ができる点を強みとしている。また、タイアップ企画は制作業務が発生するが、後述のとおり同社は広告制作会社の関連会社として広告制作工程の勘所も把握していることで、スムーズかつ効率的な進行をフォローできる点も特長的だ。
「この事業では、“日本一のタイアッププロデュースのプロフェッショナル”でありたいと思っています」（新甚氏）

2016年9月現在、同社のスタッフ数は14名。フルタイム勤務の正社員は3名で、本人希望による制約つきの限定勤務や業務委託、外部スタッフなど多様なワークスタイルの人材が集っている。かつ、社員にはダブルワークを認めている。限定勤務の社員は、例えば京都に住んで小説を書きたいという理由でリモート勤務をしている者や、子育てで週4日だけ17時まで勤務、という者がいる。副業で不動産投資をしている役職者もいる。そのほか全員、出社時間や業務の場所は事実上、自由だ。全社的なコミュニケーションは「チャットワーク」をフル活用。
月1回のランチ会がある以外、定例のミーティングなどもない。「クライアントとシビアな議論をすることも少なくない。心身のコンディションを整えないと、いい仕事はできない」（新甚氏）という考え方から、残業も基本的にしない方針だ。また、唯一祝日のない6月、谷間となるプロジェクトが多いこともあり「ゆるゆるふわふわウィーク」として3日ほど有給休暇を追加している。

「ビジョンや方針さえ共通して理解していれば、あとはお互い信頼し合って運営していくという緩やかさですね。メンバーは“大人扱い”できるセルフスターターしかいませんから、こうしたマネジメントスタイルが可能になっていると思います」（新甚氏）
オフィスにはフリードリンク、フリースナックが用意され、バルミューダのトースターも置かれている。「社員には好評」と新甚氏。

同社の商品は人的サービスであることもあり、粗利率が高い。その粗利益の一定の比率を人件費に投じると決めている。このため、役員含め平均年収は1000万円を超えるという。
そのほか、書籍や映画、ゲームなどコンテンツ消費に「勉強代」として月1万円を支給している。

クライアントやメディアとの協働が業務の大半であるだけに、求める人材には「相手のために動ける、気が利くという資質が求められる」と新甚氏。簡単な仕事ではもちろんないが、レベルの高い仕事を通じて成長をしたい人にとってはうってつけの環境だろう。

「私達が目指すのは、"日本一の拡散のプロ”“日本一のタイアッププロデュースのプロ”です」という代表の新甚氏。その背景には同氏の過去の経験が強く影響している。

2008年12月に同社を創業した同氏は、学生時代、記事が世の中に与える影響について研究するなど、PRに関心を持っていた。ブログマーケティングを手掛ける会社に就職し、面白い広告がブロガーたちに騒がれて世の中に“拡散”する事象を多く見届けた。
「それまでは、話題になるキャンペーンをつくっても、結局高い料金を出してYAHOO! のブラパネのような目立つ場所に広告を出さなければ効果が上がりにくいという構造がありました。しかし、メディアやインフルエンサーをうまく活用すればその必要はなくなるのです。ところが、当時、広告キャンペーンとデジタルメディアを繋ぐ人はいませんでした。ならば自分がそれをやろうと思ったのです」と新甚氏は述懐する。

前職では、著名な広告制作会社の株式会社バスキュールを担当する。
「同社の制作する面白い広告キャンペーンに引かれました。こういうものを拡散する会社をつくろうと決め、同社に出資してもらい設立しました」
TwitterやFacebookもない当時のPR業界では、クライアントの商品・サービスはテレビに取り上げられることが最大の価値ととらえられており、デジタルメディアは注目されていなかった。同社は、デジタルメディアに特化したPR会社というほかにないポジションと、バスキュールの輝かしい実績をもって、設立時からトップランナーとしてスタートを切る。

現在、同社のクライアントサービス事業のクライアントは、大手広告代理店の企画・クリエイティブ部門が中心。そういった代理店には、メディアの調達やPRを実施するセクションもあるが、「企画・クリエイティブ部門とメディア／PR部門は分断され、上流と下流という位置にあり、“PR・拡散効果を最大化するためのクリエイティブ”といったことを共創する関係にない」と新甚氏は指摘する。そこで新甚氏は、“拡散のプロ”として企画・クリエイティブ部門からプロジェクトにアサインされることで、実質的に対等の立場で企画・クリエイティブに関わる立場を獲得。一方、メディアとの関係もコツコツと深めてきた。
「企画やクリエイティブが面白くないとメディアに取り上げてもらえず、拡散などしませんから、『つまらない』と辛らつな意見も普通に言っています。こうして両者間の繋ぎ込みを調整できる存在として、価値を発揮できるようになったと自負しています」（新甚氏）

高いレベルの収益が得られるだけの付加価値を発揮し続けることは簡単ではなく、常に磨き続けなければならないとの認識のもと、目標に向かう姿勢にブレはない。

「いい広告キャンペーンが拡散するのはやりがいが大きいです。クライアントやエンドユーザーに喜んでもらえていると実感できるからです。その結果、モノが売れて経済が回ることに多少なりとも貢献できれば何よりですね」と新甚氏は言う。

ほかにない、デジタルソーシャル領域に特化したPR＆メディアエージェンシーで、多様性を尊重する環境の中、高度な付加価値を発揮する仕事。見逃せない募集といえるだろう。