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インタビュー画像代表取締役 池谷 義紀氏

アーティスの創業ストーリーを聞かせてください

1997年に独立するために会社を辞め、1998年6月に個人事業として名刺のインターネット通信販売をスタートしました。 前職はカタログ通販の会社で、法人営業や販売企画・商品企画を経験してきました。 インターネットとの出会いは、本社の広いロビーの一角にインターネットに接続出来るパソコンが1台だけ設置されたのが始まりです。当時はまだインターネットへの接続は従量課金でしかもかなり高額だったので、利用には申請が必要で使える時間も限られたものでした。画面に表示されるまでの待ち時間もかなり長く、現在のネット環境とは全く異なるものでしたが「このパソコン一台で世界中にアクセスできるのか」とわくわくしたのを覚えています。そんなこともあってカタログ通販の経験がいかせられるインターネット通販の事業で独立することにしました。 ありがたいことに開業初月から注文が入り翌月からも順調に売上が伸びていったのですが、その一方で「ホームページも作ってほしい」という依頼が入るようになってきました。当時はまだ今のような秀逸なホームページ作成ソフトがありませんでしたので、独学で勉強をして自社の名刺販売サイトを作った経験を生かしHTMLのタグを打って作成をしていました。 その後はWebサイトの作成業務の比重が大きくなっていき仲間も増え、システム開発やマーケティング支援、さらにはサイトを作成管理するCMSやフォームシステムなどの開発を経て現在に至っています。

ユーザビリティの研究を始めたきっかけは?

ユーザビリティの分野では世界的に有名な教授が地元の静岡大学で教鞭をとっておられたのですが、その方の元で学んでいた大学院生と、ユーザビリティという概念を紹介する新聞記事を読み、興味を持ったのが始まりです。 大学の研究室に伺って話しをしたところ、その方の専門は、テレビやエアコンのリモコンなどのハードウェアのユーザビリティ研究だとのことでしたが、ホームページについてもユーザビリティは重視されるようになるのではないかという点で意気投合し、一緒に研究をすることになりました。 2001年には「ヒューマンインターフェース研究会」という学会で、「中核市のホームページ」をユーザビリティの観点から調査して、その結果をランキングで発表しました。 当時はホームページのユーザビリティなんて誰も考えていない頃で、マスコミで大きな反響がありました。低評価をした自治体の市長からは怒られましたが、ちょうどユニバーサルデザインが意識されるようになってきた頃で、社会的にも関心が高かったのだと思います。 2002年と2003年に連続して静岡県主催のHPグランプリのユニバーサルデザイン部門最優秀賞を受賞。2003年3月には、初めての書籍「Webデザイン ユーザビリティ」を出版しました。書籍はその後、4冊出版しました。

Webサイトのユーザビリティは大事ですか?

そうですね。ユーザビリティの高いサイトとそうでないサイトとでは、得られる結果にとても大きな違いが出ます。 私たちが普段、Webサイトを使う時にも、わかりにくく使いづらいサイトに出くわすことがありますよね。どうしても必要であれば我慢して使い続けると思いますが、そうでなければページを閉じてしまうことも少なくないのではないでしょうか。 そうなるとサイトの運営者側には機会の損失が発生しますし、我慢して使ってくれたとしてもイメージダウンは避けられないでしょう。それを避け、損失を回避するだけでなく逆に利益や好印象を生み出すための鍵がユーザビリティなのです。 近年は、Webサイト制作においてもUIやUX/CXを意識するのは常識になっています。 利用体験や顧客体験を価値の高いものにするためには、その接点(UI)におけるユーザビリティを高めることが重要です。 UIやUX/CXの重要性は多くの会社が口にするところですが「知っている」や「わかる」と実際に「できる」とでは雲泥の差があります。 当社には20年以上にわたってユーザビリティの向上に携わってきた実績があります。また会社の根本となるビジョンにも、ユーザビリティの前提となる「人間中心設計」というデザイン思想を謳い実力を高めてきました。その結果、第三者機関からの評価やクライアントからの信頼をたくさん得てきたものと自負しています。

池谷代表にとって「仕事」とは?

「生きる喜び」の一つだと思っています。 自分がこの世に生まれて、今生きている意味を考えると、それは「自分自身がこの人生を楽しむこと」と「自分が生きている間に、どれだけ周りの人や社会に良い影響を与えることができるか」にあるのだと思い至りました。 「仕事」とは、自分以外の誰かのために、自分の持っている時間や労力を使って何かの価値を創り出し貢献することですから、まさにそれを実現できる行為だと思います。 また「仕事」とは人生の中で大きなウエイトを持ち自身のアイデンティティーであるともいえますから、「仕事を楽しむこと」は「人生を楽しむこと」にもつながると思っています。 とはいえ実は働く時間というのはそれほど多く無いのです。 社会人になり会社に勤めて「仕事」をするようになると、仕事中心の人生になっているように思ってしまいますが、一日8時間で240日働いた場合の就労時間は年間1,920時間であるのに対し、一年間は8,760時間ですから、その22%程度に過ぎません。 さらには人生100年時代と言われている今、入社から退職までの40数年程度しか就労しないことを考えると10%もないことになります。 だからこそ、このわずかな「仕事」をする時間の中で自分がどれだけのことを成し遂げられるかに挑戦し、それを全力で楽しみたいと思います。また、社員のみんなにもそうあって欲しいと思っています。

「浜松」の魅力を教えてください!

気候が温暖で、移住希望先のランキングでも上位になることからも住みやすい地域だと思います。政令指定都市ならではの規模感や利便性もありながら、海や山、平野、川や湖などの自然が豊富でマリンレジャーやトレッキング、釣り、キャンプ、バーベキューなどさまざまなレジャーが楽しめます。 サッカーやサーフィンを始めとするスポーツが盛んな一方で、文化度も高く浜松国際ピアノコンクールなどのイベントが開催される音楽の街でもあります。 うなぎや餃子に限らず食べ物がおいしく、洒落たカフェなどの飲食店もたくさんあります。 東京と大阪の中間に位置していて、品川までは新幹線で1時間ちょっと、新大阪までは1時間半程度で行くことができます。 地域の産業界の特徴として「やらまいか(まずはとにかくやってみようの意)」という方言に代表されるチャレンジ精神があります。ホンダ、ヤマハ、スズキの創業地であり、ヤマハ、カワイ、ローランドなどの世界的な楽器メーカーを生みだしてきた地域です。 一般社団法人日本総合研究所が発表する「全国20政令指定都市の幸福度ランキング」で1位を2回取っており、仕事と人生を楽しむ街としては最適だと思います。

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