株式会社アニマライフ

人と、犬や猫との出会いを作り出すマッチングサイト『ブリーダーナビ』『子猫ブリーダーナビ』。こちらを運営する株式会社アニマライフは、ITを通じて「人とペット、どちらも当たり前に幸せな世界」を実現しようと奮闘している企業だ。

同社は2014年に設立され、看板サービスである『ブリーダーナビ』をはじめとしたサービスを複数展開。全て、ペット関連のサービスだ。

ペットブームが続く日本だが、その裏では飼育放棄や殺処分の問題が後を絶たない。「犠牲となる動物を少しでも減らせないか……」と考え、同社はサービス構築に取り組んできた。

人と動物を取り巻く世界は、飼い主となる人、ペットとなる動物、飼い主とペットを支える事業者で結ばれた三角形だ。3者みんなが幸せなトライアングルを作り、「不幸な運命をたどる動物のいない世界」を作り出したい――。それが同社の願いなのだ。

事業責任者の奥山和史氏はこう話す。「実は日本は、ペットにおけるビジネスがまだまだブルーオーシャンだといわれています。ペットショップ等のビジネス自体はありますが、圧倒的なリードカンパニーが市場を握っている状況ではありません。つまり、ビジネスとして大きなチャンスがあるのです。そこで私達はITを駆使して、動物愛に溢れた飼い主や優良な事業者の間に立ち、両者の情報提供やコミュニケーションをサポートしようと考えました」

さらに、ペット業界ではまだまだITが普及していないという。たとえ近しいサービスでも、人向けの市場ではDXが当たり前になっているにもかかわらず、動物・ペット市場ではアナログなものも珍しくないのだとか。

「テクノロジーで、ペットと人との豊かな暮らしにどこまで貢献できるか。そして、本当のペットの幸せを考える事業者といかにこの業界を盛り上げられるか……。私達は常にそれを考えて、当社独自のプラットフォームをリリース・運営しています」（奥山氏）。

同社にはエンジニアをはじめ、動物思いのプロフェッショナルが集まる。高い技術やサービス企画力で、まだまだ伸びしろの大きなペット業界を変えようとしているのだ。

同社の魅力を語る上で、やはりまず触れたいのは『ブリーダーナビ』だ。

「犬や猫の飼い主となるエンドユーザーから圧倒的に多く頂くのは、『運命の子と出会えた！』という声です。飼い主・動物・ブリーダー間の“最高の出会いの場”を提供することが私達の使命ですので、とても嬉しいですね」（奥山氏）。

その高い評価を生み出しているのは、本質的な課題解決を意識したサービス作りだ。

「開発者目線で進めてしまったり、反対にエンドユーザーの意見をそのまま取り入れたり、そういった一方通行なプロダクト作りは避けるよう、社内でも意識しています」（奥山氏）。

例えば飼い主とのミスマッチを防ぐためには、目を引くようなかわいらしい写真だけを載せるだけでは足りない。子犬・子猫が成長した時の姿をイメージできるのは大切なことだ。そこで、実際に動いている動画や親犬の写真が見えたら、イメージの解像度はどんどん上がるだろう。

同社では、ユーザーの意見や些細なコメントから、『どんな要素が最高の出会いに繋がるか』を常に考えている。

「会社や組織によっては、エンジニアはユーザーの声をインプットすることなく、部門の上司に指示されたことをそのままこなす……という事態も起こっているようです。ですが当社がそれではミッションを全うできません。営業やマーケターからユーザーの声を共有してもらい、部門の垣根を越えてサービス構築の内容を話し合います。そこでは、エンジニアも積極的にアイデアを提案していますね」（奥山氏）。

また同社はSEO対策のレベルも高い。「例えば“トイプードル”や“子犬”といったワードで検索すると、『ブリーダーナビ』は検索結果の上位に出ることがほとんど。サービス性を上げることはもちろん、そこに至るまでの“最高の出会いの場”の間口を広げるために、SEO対策は地道にコツコツと実行してきました」と奥山氏は胸を張る。

『ブリーダーナビ』はほとんど広告を出していない。しかしこうした機能改善やSEO対策の結果、マッチング数やサイトのセッション数は、2019年から2023年にかけての5年間で約10倍にまで伸びた。

好調そのものである同社だが、現状に甘えるつもりは毛頭ない。ゴールは、“人と動物が当たり前に幸せな世界”だ。大成功を遂げている『ブリーダーナビ』から派生し、次々とサービスを生み出している。

人間が生活する上で様々なビジネスを利用するのと同じく、ペットとの生活に関わるビジネスも無限に存在する。同社は今後も衣食住やレジャー、医療等、様々な業界のステークホルダーと協力し、様々なサービスを展開していくという。

「今までは、市場をリードするための種まきを続けてきました。ここからは花を咲かせるフェーズです。ペットを飼う人なら誰でも、“当たり前”に当社のサービスを使う――。そのような、飼い主の頼れる味方を目指します」（奥山氏）。

同社で活躍するメンバーのほぼ全員に共通する特徴はやはり、動物愛に溢れていることだろう。

もちろんエンジニアには技術の高いメンバーが集まっているが、その上で動物愛も強く、“好きなこと”を仕事にしたいと入社した人が目立つ。

「さらに言えば、“自社サービスを作ること”にやりがいを感じるメンバーが多いです。自分達のアイデアや技術で形作ったサービスがどれだけ社会にインパクトを作り出せるか。動物好きとあれば、ペットが幸せな暮らしを送ることがインパクトの本質になりますね。自然とみんな、その点を重視するようになります」（奥山氏）。

リリースして終わりではなく、動物のいる世界でずっと寄り添い続けるサービス。その絶え間ない追求も同社の面白みの一つだ。

動物思いの面が強い分、「優しい人」も多いという。2014年発のベンチャーといえども、会議や話し合いの場は和やかなムード。エンジニアも積極的にアイデアを提案できる理由は、このムードにもあるのだろう。

しかし、そういった和やかな社風があるからこそ一人ひとりに求められるのは、“自走する力”だ。

「一人ひとりの意見や行動がコラボレーションしてプロダクトが出来上がっているため、主体的にアイデアを発信していく人が活躍できるのではないでしょうか。それは、質の良いサービスを作るという面でも、より高度な技術を取り入れるという面でも言えることです。与えられた仕事をこなすのではなく、自分の使命を果たすためにできることを考えて動き、周りにも提案できることが重要ですね」（奥山氏）。

高い自主性と実行力が必要な同社だが、その使命を全うするための環境はしっかりと整えられている。面白いことに同社で働く環境も、“心優しいメンバー”が集まるからこそできたものだ。

まず、同社ではフルリモートワークを採用。メンバーの居住地も滋賀県や静岡県、岩手県等、全国津々浦々で、住む環境にとらわれることなく仕事を進めている。社内ではオンライン会議やチャットを活用し、気軽にコンタクト可能。「相談事があればいつでも声をかけて」と、メンバーを思ったコミュニケーションの風土が作り上げられている。

またもう一つ同社らしい環境だといえるのが、“ペット思いの働き方”だ。やはりメンバーも犬や猫を飼っている人が多い。その中で、ペットが突然体調を崩すこともあるだろう。しかし同社では、仕事を優先してタイミングを逃してしまう心配はなさそうだ。ペットの不調時に備え、チーム内で情報共有等のコミュニケーションを密にとっているため、ペットが不調の時は、有休取得し、病院へ連れて行くことが可能。大切な家族が心配な気持ちは、みんな深く理解しているのだ。


動物思いの優しさでいっぱいに溢れた同社では、高品質なプロダクト作りも、自分らしくいられる働き方も実現できるだろう。