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インタビュー画像代表取締役・酒井美貴氏 中学3年生の時に趣味でWEB制作を始める。高校時代、海外からアパレル商材を仕入れ、ECを開始。19歳でオリジナル商材を作りネット卸で販売。その後、事業会社へ就職。Web事業部を1人で立ち上げ3ヶ月で月商300万超を達成。1年半後にWeb制作会社へ転職。セールスから制作、コンサルティング、マーケティング、採用、育成を1人でこなす。1年後独立。約2年のフリーランス期間を経て、2016年8月株式会社ノベルティ設立。

ご創業までの経緯をお話し下さい。

私が本格的にWEB業界に入ったのは20代半ば頃。23歳の時に就職した事業会社で、EC部門の立ち上げを経験したことがきっかけです。商品撮影からサイト制作、運営まで全て1人で任されました。約2ヶ月でサイトを作ってオープンし、1ヶ月半ぐらいで軌道に乗せて、3ヶ月目には月商300万円を超えました。さすがに1人では手が回らなくなったためパートさんを採用してもらい、さらに事業を拡大しましたが、もう少しWEBに特化した仕事がしたくなり、ベンチャーのWEB制作会社へ転職しました。 そこでは営業からディレクション、制作、納品、保守、サポート、さらには採用や育成まで、あらゆる業務を経験しましたが、1年半ぐらい経った頃に「もっと自分の力を試してみたい。」と思い始め、独立を決めました。その頃、私は長野に住み、子育てもしていたのですが、子供の将来を考えた時に関東の方が可能性は広がると思い、千葉に引っ越して、フリーランスになりました。 数百人規模の異業種交流会に数多く行き営業していたところ、幸いにも順調にお仕事を頂く機会に恵まれたくさんの御縁がありました。その時にどうやら私は営業が一番好きだということがわかったのです。その一方で、すべてのフローを1人でこなすフリーランスでは継続的に制作物のクオリティを上げていくことに限界があると気付きました。 そんな矢先、上場企業のお客様から新規取引のため法人化して欲しいと言われたこともあり、会社を作って社員を雇い、制作は得意な人に任せようと決めました。 このような経緯で会社設立に至ったため、創業当時は「沢山お金を稼ぎたい」「会社の規模を拡大したい」と思っていたわけではありませんが、社員が増え、働きやすい環境づくりや個々のスキルアップを考えるうち、力がある方が出来る事が増える、と言う考えにシフトしました。 フリーランスの頃から一貫して「良いものを作ってお客様の役に立ちたい」という想いがあり、その想いを具現化するために法人化して仲間を集め、今では全員でそのビジョンに向かってで切磋琢磨しています。

「良いものを作ってお客様の役に立ちたい」という想いについて詳しくお話し下さい。

当社が「良いもの」と言う場合、その言葉には、様々な意味を持たせています。見た目も良くなければいけないし、使い勝手も良くなければいけません。当然のことながら成果も出さなければいけません。そういう意味で言う「良いもの」は、制作に携わる担当者全員が力を集結し、なおかつお客様の協力も得て初めて実現するものだと思っています。 ただし、最終的にお客様が「良いもの」と感じるのは、第三者から評価を得て、ビジネス成果が出た時です。お客様がいくら「良い」と思っても、何の役にも立たなければ、「良いもの」ではなくなってしまいますし、お客様がそこまで評価していなくても、しっかり結果が出て、いろいろな人に「良いサイトだね」と言われれば、 お客様自身も「良いサイトだった」という結論に至るものです。 例えば、お客様のWEBサイトを見た別の制作会社が、お客様に営業をかけるポイントがあるとします。「かっこいいサイトで、コンテンツも充実していますが、ソースコードを見たら無茶苦茶でした」と言われればお客様としては良い気持ちにはなりません。お客様が自信を持って「良いサイト」だと思っていても、第三者評価でそれを失ってしまうこともあるのです。 また、リリースした時は「良いサイトが完成した」と思っていても、適切なメンテナンスをしなければ健全なWeb活用とはいきません。 制作物の納品はあくまでWeb活用の「スタート」であると考え、運用やマーケティングの長期的な伴走支援により結果につなげることを大切にしています。 「良いもの」を作ろうとすれば、ひとかけらの妥協も許されません。当社はチーム全体で力を出し合い、最適解を見つけます。全スタッフが自信を持って出せる「良いもの」が私たちの目指すゴールです。 お客様の「WEBサイトを作りたい」という言葉の先には、ある目標があり、それを達成する手段としてWEBサイトが必要となります。しかし制作会社がそこまで理解せずに作ると、WEBサイトを作って公開することがゴールになってしまいます。相談に来られるお客様は、いろいろなご希望や意見を持ってこられますが、どうしても主観が入るため、本質からずれがちです。そこを軌道修正したり、不足した知識を提供したりすることによって、より良いものが作れるベースが出来上がります。

組織作りに関しては、どのようなビジョンを持っておられましたか。

最初の5期までは、とにかく突っ走ってきました。みんなが私の思いに賛同し、私が進む道をついてきてくれる。創業期はそういう会社作りだったと思います。しかし次第に役割ごとのチームが形成され、チームリーダーが育ってきました。特に10名を超えて、社長直下のコミュニケーションが 難しくなってきた頃に、下から上がってくる意見の精度が高くなってきたため、ボトムアップを意識し始めました。 UI/UXやアクセシビリティもそうですが、自分1人が得られる知識は知れています。自分よりもその分野で長けている人が必ずいますので、得意な人に任せた方が良くなります。私自身、「みんな私の話を聞け」という考えはありません。納得できることは積極的に採用します。私が1番大切にしていることはスピード感や結果です。結果を出すまでの過程も大切ですが、その過程はマネージャーたちに任せた方が精度は上がります。そういう組織になってきてからは、ボトムアップ型の組織運営が定着してきました。 モダンWEBもボトムアップで取り組み始めたものです。私はもうコードは書かないので、技術的なトレンドは分からなくなっています。既存の技術では要件が難しくなり、技術選定をしなければならなくなったタイミングで、たまたま個人でそういうことを調べていたエンジニアがいて提案してくれました。ただし1人だけ出来ても、エンジニア全員ができないと意味がないので、みんなでメリット・デメリットや学習コスト、そしていつからどんな風にやるのかなどを議論して、導入するメリットが高いという結論に達したところで報告を上げてもらいました。最終的には私が判断をするのですが、ある程度まで自分たちで考えて決めてきてくれれば、私はGOを出すだけです。

従業員が働く環境作りはどのような考えで進めて来られましたか。

私は、働いている社員一人ひとり人の声が上がってくることが大切だと思っています。なぜなら経営層には気づけない問題があるからです。時代の変化や働き方の変化もありますので、今までいなかったようなライフスタイルを持つ人が入社したことによる変化は、言ってもらわないと気づけません。それが原因で不満が募り離職に繋がるよりも、そうはならない画期的なアイデアがあるなら出してもらいたいです。経営陣、リーダー層も年齢を重ねますし、考え方も古くなっていきます。20代の社員から出る意見は斬新で面白いですし、情報を収集する力は若い子の方が勝ります。私は新しいものは積極的に取り入れていきたいと思っています。「このツールを使えば作業が半分になる」といった意見や提案が、社員の中から出てきていることは良いことだと考えています。 また、当社は女性が多い会社ということもあり、働きやすい環境作りには、早い時期から意識的に取り組んできました。「働きやすい環境」は人によって様々です。「働きやすさ」よりも「自分の成長」を第一に考えている人もいます。家庭を持ち、お金を稼ぐ必要がある人もいます。パートナーの仕事やお子さんの年齢、幼稚園に通わせているのか、保育園に預けているのか、小学校はどこに入れたいのか、どういう教育方針なのか、習い事をさせたいのか、さらに住んでいる地域によっても働き方は変わります。一概に「働きやすい環境はこう」と言える答えはありませんので、一人一人の事情や価値観に合わせて柔軟に対応しています。当社にも規定はありますが、囚われず、個人の希望に合わせることは、当社の規模感なら難しくありません。 もちろん、勤務日数が少ないから、時短だからという理由で、待遇が変わることはありません。ルールを満たせば社員として働いてもらいます。また、社員からの発案で時間単位の有給休暇も設けました。そういう形で新しい働き方を作り出せることが当社の強みです。 当社は役職やボーナスなどは完全に実力ベースで判断をしています。キャリアも同様です。一番長く働いてくれている女性スタッフは、時短勤務ですがジェネラルマネージャーを務めています。子育てのためにキャリアを諦めなきゃいけないという考えは持って欲しくないという想いから、本人や家族の5年後、10年後の姿を見据えたキャリアプランが描ける環境作りに取り組んでいます。

今後の事業展開についてお話し下さい。

現在、当社は8期目に入ったところですが、10期目に向けて自社プロダクトや自社サービスを作っていきたいと思っています。現在は構想段階ですが、社員にヒアリングをすると、やりたいことやアイデアがたくさん出てきます。何でも良いとは思いますが、当社はWEBプロモーションが強みですので、テクノロジーの力で提供できるサービスを展開していきたいです。今までやってきたことの蓄積を活かし、みんなが自信を持って出来ることをやりたいと思っています。会社を成長させて、やりたいことができる会社にしていきたいです。 ただ、やりたいことを実現するためには力がいります。受託会社としての形が出来てきた実感はありますが、安定ではなく、さらなる成長を目指したいので、今よりも品質を上げたり、作れる幅を広げたり、現状よりも難易度の高い仕事をしたりと、積極的にチャレンジをしながら次のステップを目指していきたいと考えています。 このようなビジョンに向け、注力しているのは経験者の採用です。当社がお客様から評価されているのは品質ですし、長くお付き合いいただいているのは、今以上のベネフィットに対する期待があるからだと認識しています。私達が成長しなければ、提供できるサービスも弱体化してしまいます。おかげさまでお仕事はいただけていますので、社内体制を充実させ、従来の事業をレベルアップさせつつ、お客様の役に立てるプロダクトを生み出し、さらなる貢献をしていきたいと考えています。

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