管理部長・行者 昌幸氏

IT部門を新設される計画がおありだと伺いました。現在、社内システムをどのような体制で管理されているのですか。

現在、社内の情報システムは、パソコンのキッティングからネットワークのトラブルシューティングまで、私が部長を務める管理部のメンバーが、システムベンダーやITコンサルタントの協力を得て管理しています。 ただ、現在、社内にはITの専任者は不在です。今後は製造、営業、事務、全ての部門における生産性向上が避けられない課題となってきます。SE経験者を採用し、IT係、または情報システム部門を立ち上げ、IT化、DXを推進したいと考えています。もちろん、一気には増やせませんが、当社の規模感（子会社を含めて約250名）を考えれば、最低でも3名ぐらいの体制は必要です。まずは経験者を1名採用し、基盤を整備しながら、中長期的な視野で取り組む計画です。

現在のIT活用状況をお話しください。

当社は製造業ですので、従来は生産管理と販売管理といったシステムを運用してきました。システム担当部門がないため、長らく部門最適で、各部門がバラバラにシステムを選定し、運用してきましたが、効率が悪いため、2年ぐらい前に管理部が音頭を取って一元化を進めてきました。 現在はパッケージの生産管理ソフトを導入していますが、稼働して間もないため、まだ使いこなせていません。今後は、原価計算、在庫管理、生産計画等の機能をしっかり使いこなしながら、現在運用しているパッケージが当社に適したものかどうかを検証していく必要があると考えています。 また生産管理、販売管理等の製造現場以外では、IT化推進プロジェクトというものを立ち上げています。「kintone」を活用し、現場が主体となって業務効率を進める取り組みです。まずは部門ごとにコンピュータを触るのが好きな人、得意な人がプロジェクトメンバーを選んで、各部門の効率化に取り組んできました。2年ぐらい前から始まって、現在はそこから一歩進んで、他部門との連携を取りながら、社内の情報を一元化できる仕組みを作っていこうという話をしているところです。 生産現場からは、日報の入力等、これまでアナログでやっていたことをデジタル化するような仕組みの要望が出てきていますし、将来的には、IoTやオンライン受注をはじめ、ITやデジタルが当社の事業に貢献できる領分は限りなく広いと考えています。

時代の変化に合わせて変えるところは変えようと。

はい。情報システムの整備に取り組む以前も、市場の声を製品に反映するため、カタログやWebサイト、見本市への出展等を担っていた総合企画部に、技術部に属していた製品開発を統合してマーケティング企画開発部を立ち上げました。当社製品のメインユーザー層である農家の方々と直接繋がりを持って、フィールド調査を実施して、その結果を製品作りに生かしています。 これまでは製品開発と企画が分かれていたため、企画側で拾った市場の声を製品に反映するには、部署間の調整が必要でした。一つの部署にしたことで、よりスムーズに情報が流れるようになりました。現在は、当社の売上の半分以上を海外が占めていますので、将来は海外ユーザーとの繋がりが生まれるでしょう。 ただ、海外は、国ごとに異なる法規制もクリアしながら展開しなければいけません。これまで以上に、現地代理店とは密な連携が必要になってきます。最近はWeb会議を使ったコミュニケーションが中心になっており、現場からはAIを使った議事録作成ツールの導入といった要望が出てきています。営業の領域でも積極的にITやデジタルを活用していきたいと思っています。

御社の魅力をお話しください。

一つは企業文化です。社員もよく言っていますが、人が優しいです。社員同士、プライベートでも仲は良いですし、平均勤続年数は15年と定着率も高いです。 当社は「人にやさしく、モノにやさしく、地球にやさしい」という経営理念を掲げています。それは自分以外の人に優しく接するということです。対外的な意味だけではなく、会社は社員やその家族の幸せを重視した経営を行っていますし、一緒に働く社員同士、思いやりを持って接することを大事にしています。先代の時代から、社員教育の一環として、日頃から道徳の勉強を取り入れてきました。それが浸透して、当社の基本的な価値観になっていると感じます。 また、IT部門に限って言えば、まだ何もない状態から取り組んでいただけるところが魅力ではないでしょうか。社内にITの訓練を受けた者は一人もいませんので、基本的には全てお任せするつもりです。チャレンジ精神がある方にとっては、1から作り上げていく魅力があると思います。

求める人物像をお話しください。

職種を問わず、当社が求めているのは、当社の価値観に共感してくれる方です。他者に優しく、誠実に接することができる方にご入社いただきたいです。 また、基本的には全てお任せすると申しましたが、実際にシステムを導入したり運用したりする中では、他部署との細かい調整が発生します。部署ごとに事情がありますので、そういう思いを汲み取って、バランスを取りながらリーダーシップを発揮していただける方を採用したいと思います。 アルスコーポレーションとして専任の社内SEを採用するのは今回が初めてです。情報システム部門はイチからの立ち上げとなりますので、ぜひ力を貸してください。チャレンジ精神のある方を歓迎いたします。