株式会社光製作所

株式会社光製作所は半世紀以上にわたり、業務用・家庭用の家具を幅広く製作している総合家具メーカーである。確かな品質の製品を提供するため、企画から仕上げまでの全工程にわたる一貫した生産体制を早期に確立した。経験に基づく厳格な品質管理を行い、同社の家具として世に送り出している。一方で、消費者の商品の探し方や購入方法、ニーズは大きく変化している。そのため同社はこれまでの手法を大切にしつつ、新たな事業領域を切り開いていく考えである。歴史ある企業でありながら挑戦し続ける同社は、柔軟な発想と提案力を持つ人材を強く求めている。

同社は1955年（昭和30年）に東京都荒川区で創業した。当時、日本の住居は畳が主流であり、需要が高い座椅子の製造からスタートした。以後、時代のトレンドに合わせて製品の幅を広げていった。住居用では生活様式の欧米化に対応した椅子やテーブル、商業用では、あらゆる商空間向けに家具一式の提案から行う「コントラクト」事業も拡大した。

同社は創業以来、品質重視と顧客主義を掲げ、戦略的な選択として早くからファブレス経営を取り入れている。ファブレス経営とは自社の製造工場を所有せず、関連会社や信頼できるパートナー企業に製造を委託する経営方式のこと。ファブレス経営によって鉄や木材等の多様な素材を扱うことができ、多品種少量生産に対応する体制を築いた。製造拠点は関東エリアを中心に広がり、関連会社や製造パートナーが存在する。これらの拠点では同社のノウハウに基づく徹底した品質管理を行い、高い品質を維持している。また、海外にも基準をクリアした製造委託先があり、グローバルな供給体制を確立している。
品質と顧客を最優先する堅実な経営は、創業以来一貫して守り続けている姿勢であり、今後も変わることはない。

コントラクト事業では、飲食店や商業施設、娯楽施設等、あらゆる商業空間づくりを提案から納品、メンテナンスまでワンストップで対応する。特に外食産業向けには耐久性の高い設計を追求し、強度基準を設けている。時には競合店との差別化を図るため、独自デザインの家具を提案し、ゼロから作り上げることもある。空間演出のプロフェッショナル集団としての総合対応力が強みだ。

製品の供給は、全国主要都市にある販売代理店を通じて各エリアに根差した営業活動を行っている。ただし、広域に展開するチェーン店に関しては同社本部の営業部隊が初期対応の営業窓口となり、販売代理店と連携しながら納入からその後のフォローまで、細やかな対応にも徹底した顧客主義がうかがえる。

同社のビジョンは、「家具を通じて、人と空間に歓びと感動を提供する」ことである。このビジョンを実現するため、業務用家具と家庭用家具の両輪という他社にはない強みを生かしながら、さらなる顧客満足を追求していく考えだ。新たな取り組みを進めるに当たり、今後は「裏方」からもう一歩前に出てブランドとしての存在感を高め、直接エンドユーザーにその価値を伝えていく必要がある。そのため、新しい人材には新しい提案や、今までと異なる目線での取り組みを期待している。

空間と人が存在しても、そこに家具がなければ施設は価値を発揮できず、家庭では快適な生活が成り立たない。同社は今後も人々の生活に欠かせない家具製品を提供し続けることで、社会への貢献を目指す。

同社のカルチャーは社員同士の距離感が近く、和やかな雰囲気が特徴だ。広大なショールームと倉庫を兼ねた自社ビルに、管理部門を除く全社員が集まっているため、気軽にコミュニケーションを取ることができる。営業や販売管理の社員が顧客から得た意見を企画担当に伝えることは日常的に行われており、ピンポイントな情報は雑談やミーティングを通じて口頭で共有される。また、グループウェアに納品実例が掲載されるようになり、他部門や別職種の業務内容が理解しやすくなった。このような取り組みが、商業用家具事業と家庭用家具事業の連携を強化している。

同社で働くやりがいの一つは、自社製品が実際に使われている現場を目にできることだ。特に外食産業でチェーン展開している顧客が多いため、店内の椅子に座ることで関わった製品が使用されていると実感できる。その時に大きな喜びと達成感を覚える社員は少なくない。直接的に家具製作に携わる部門でなくても、自社製品の空間を体感することで、ものづくりに参画している醍醐味を感じられるのだ。

社員のタイプは多様で、入社して40年以上のベテランから若い中途社員まで幅広い。経験豊富なベテランが家具に関する知識として、木の素材や厚み、反りやすさ等、細やかにレクチャーしている。新しい知識を学び続けることができる上に、頼りになる存在がいることで若手社員の不安が軽減され、ギスギス感がないのも特徴的だ。業務の面ばかりでなく、精神的な支えにもなるベテラン社員がいるのは、歴史ある企業ならではだ。

働きやすい環境づくりにおいては、社員との隔たりを作らないように、経営層が気軽な声かけをこまめに行い、意識的に取り組んでいる。実務も経営層が見ているため、現場での柔軟な対応が可能だ。社員の意見を汲み取り、実際の業務に反映させることで、働きやすさが向上している。

このように、同社では長い年月をかけて醸成された企業文化を大切にしつつ、時代の変化に合わせた働きやすい環境づくりに取り組んでいる。今後も社員の意見を取り入れながら、働く満足度向上に努める。
同社で働くことに少しでも興味が湧いたならば、ぜひ気軽にコンタクトを取ってみてほしい。新しい提案や視点が、同社をさらに成長させる原動力となるだろう。