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インタビュー画像代表取締役CEO 清水 剛氏 大学卒業後、電気通信事業者に入社。2000年に大手ITコンサルティングファームへ移籍し、コンサルティング・IT化プロジェクトに参画。グループ会社代表取締役を経験後、内閣官房IT総合戦略室参事官に転身。国・地方のIT化に携わる。2018年にアライン株式会社を設立。その他に「IoTリサーチ&デザイン アドバイザー」「内閣官房 業務の抜本見直し推進チーム」「総務省 独立行政法人評価制度委員」でも活躍中。

アライン株式会社を創業するまでのキャリアは?

大阪大学基礎工学部制御工学科に入り、ソフトウェアでオートマチック制御するための基礎について学びました。今でいうところの「AI」の初期フェーズでした。新卒でKDDI(旧国際電信電話(株))に入社し、上京。まだ携帯電話事業を始める前で、国際通信の仕事でした。主に法人顧客を担当し、その会社の海外拠点におけるネットワークや情報システムの構築などを手掛けました。インドやパキスタン等、各国で仕事をしましたが、新しい技術に触れられる環境を求めて、KDDIを飛び出しました。 当時、上場したばかりだったフューチャー(旧フューチャーシステムコンサルティング(株))に入社。日本初のITコンサルティングファームと呼ばれ、今でこそグループ全体で3,000名近い規模の会社ですが、私が入社した頃は200名に届かない規模でした。創業者は非常にユニークな経営者で、いろいろ学ばせてもらいました。 それぞれの会社に勤務していた際、沢山のリーダー・経営者と一緒に仕事をさせていただき、中には“偉大な経営者”として誉れ高い人物とも仕事をして、大変勉強になるとともに、厚い信頼を頂きました。二つの会社時代で培った人脈や経験は、今でも大きな財産です。

内閣官房IT総合戦略室では、どんな仕事をしましたか?

フューチャーのコンサル事業や子会社の代表等を経験した後、2015年に辞めました。ちょうど内閣官房でIT人材を募っている話を耳にして、そこで貴重な経験ができると思ったためです。公募により採用され、内閣官房IT総合戦略室参事官になりました。内閣官房IT総合戦略室は、デジタル庁の前身組織で、当時、国のシステムの高度化やマイナンバーを導入・普及するタイミングでした。当時のIT総合戦略室は100名規模の組織で、まだITがわかる人材は少なく、多くの制度やシステムに関する企画を任せてもらいました。 マイナンバー制度に連動した子育て手続きのワンストップ化や政府運営のオンラインサービス「マイナポータル」の構想、自治体システムの統一化の構想など、システム開発以前の制度設計やステークホルダーとの調整業務が中心でした。 徐々にデジタル庁への格上げの声が出始めていましたが、当時のIT総合戦略室の仲間の頑張りを評価してもらったのだと考えています。 引き続き残ることもできたのですが、世間が期待する行政のデジタル化にはあまりに課題が多く膨大な時間が掛かることが予見できたため、また民間からDX事例を増やしていこうと考え、退任し、当社を立ち上げました。

アラインのビジョンを教えてください!

当社のビジョンは「社会のデジタルシフトに貢献しサステナブルな世の中へ」。日本のデジタルシフトは、お世辞にも進んでいるとは言い難い状況。個々に頑張って上手くDXを推進している企業はありますが、デジタルシフトの流れをもっと広げないと日本は沈没するという思いがあります。業界や国など日本全体でデジタル化に取り組む必要を感じています。社会のデジタルシフトを進めないと、持続可能な世の中にはなりません。 システム開発に関わっていて感じるのは、現場で開発に従事しているエンジニアは、非効率な仕組みや正解が分かっていますが、上が理解しないから良くならない。こういうケースが非常に多いです。社会的に影響力のある人達が理解を示せば一気に動くと思います。私は現在も政府の委員会で活動していますが、企業だけでなく国に働きかけることも重要だと考えているからです。 ITに対する感度の高い人達を社会のあらゆるところで見出していくことが重要です。クライアントの担当者でIT感度の高い人を引き上げていく、改革を一緒に進める。 そして成功事例を増やすことで、社会のデジタルシフトも加速させられます。 そのための手段がコンサルティングでありシステム開発であり、我々の存在意義です。 お客様と一緒に作り上げる仕事。いわばパートナー。頼もしいパートナーでありたいと考えています。

仕事をする上で大切にしていることは?

仕事で大切にしている判断基準は「本物だけが世界を貫く」。ファーストリテイリングの柳井さんの言葉です。どんなに良いもの、今は儲かる仕事だとしても、10年以内になくなるようなものではだめです。判断に迷った時は、グローバル基準で残る可能性があるのか考えます。長い目で見ると、世界で通用する仕事だけが生き残ります。 長く情報通信の分野に身を置いてきましたが、デジタルを使いこなしてビジネスで差別化できている日本企業は、ごくわずかです。小売業では、セブン-イレブンがPOSを活用した情報分析を当時の最新技術を駆使して実現し、大成功を収めました。ファーストリテイリングも、早い段階からグローバル化を見据え、大きなビジョンを描きながらデジタル化を積極的に行ってきました。どちらもデジタル、そしてグローバルな視点がなければ、今のポジションには至れなかったと考えています。 日本という国で考えると、デジタルシフトへの取り組みは、グローバルの中でも最後尾を歩んでおり、デジタルが苦手な経営者も非常に多いのが現状。このままでは日本は沈没してしまうという危機感を持っています。少子化・高齢化社会に突入し低成長が続く日本において、デジタルシフトが最後のチャンスです。

清水代表の趣味は何ですか?

小さな頃からスポーツが好きで、小学生から大学生までテニスをやっていました。全国大会に出たこともあります。社会人になってからは、もっぱらゴルフでしたが、怪我をして今は止めてます。 今の趣味は「マラソン」です。フルマラソンのタイムが3時間10分近くまできたんですよ。55歳までに3時間を切るのが目標です。55歳で3時間を切ると、日本のベスト100に入るんです!練習は、専用メニューをランニングウォッチにダウンロードして行っています。ここもDXが急速に進んでいて、最適な練習メニューを自動管理してくれます。 魚釣りも好きですが、最近は専ら魚料理が趣味です。釣った魚を自分でさばいて食べたいと思って始めました。今は時間がないので、釣りには行けていません。ただ、釣り仲間が釣った魚を持ってきてくれるので、それをさばいて食べます。趣味でも仕事でも、人の縁が私の人生を豊かにしてくれていると、最近つくづく実感します。

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