起業しようと思い立ったきっかけは何でしたか?
大学3年となり就職を意識し始めた頃、自分で舵を取って熱中できる仕事がしたいと考えるようになりました。しかし、就職後のことを考えると自分がどんな道を進んでいくのか、人生の設計図がある程度見えてしまい、不安を感じました。ちょうどその頃、アメリカへ留学していたのですが、向こうで出会った友人達の多くが起業する選択を応援してくれました。 その声に押されるように、「いつかは起業しよう」という思いから「今、起業しよう」という思いに変わりました。帰国後、スポーツ関連のビジネスを手掛ける会社を創業しました。ですが、好きなスポーツを仕事にすることに疑問を持ち、社会経験も全くない状態で経営することの危うさを感じたことで会社をたたみ、スタートアップでインターン経験を積んだり、ITベンチャーに入社したりしました。
“食”業界をターゲットにWonderPaletteを起業したのは、なぜですか?
グレープストーン社がビジネスのことも分かっているIT・AI人材を探していた時、私に声をかけてくださったことで、“食”業界に携われるきっかけができました。当時私は、起業に向けていくつかの条件を自分なりに設定していました。一つ目は、ユニコーン規模のビジネスを創ること。二つ目が、IT、AI活用において深い課題のある分野であること。 三つ目が、ソフトウェアサービスのようにITだけで完結せず、リアルと関係性のある領域であること。ITとリアルを掛け合わせなければならない分、複雑さが増して競合が限られると考えたからです。当時は食か不動産、医療あたりをイメージしていました。 その上で“食”業界を内側から見た時、全ての条件に合致していると感じました。需要予測もそうですが、“食”業界にはITで解決可能な大きな課題がいくつも存在します。しかし、解決の難易度が高いためか、大きな成功を収めている先行企業もありません。食品やそれを販売する小売店等、リアルとの接点も多く、とても可能性に満ちた世界だと確信しました。
"需要予測を始めとする“食”×AIのソリューション提供で持続可能な食品産業の未来を創る”というビジョンを掲げていますが、どのように実現していこうとお考えですか?
方法はいくつもあると思います。“食”業界の業務の中であまりデジタル化が進んでいない領域に手を入れて、生産性向上や業務効率化を実現することで、会社を、そして業界を活性化するのが直接的な方法だと思います。また、AI・IT人材の流入を加速することで活性化できるとも考えています。 現在、AIやIT関連の職種を志望している人が就職先をイメージする際、“食”業界を思い浮かべることは少ないと思います。理由は、そういったデジタル人材が活躍できるイメージがあまりないからです。ですが、当社がAIを活用した需要予測をはじめ、AIやITを使ったサービスで“食”業界に変革を起こしていければ、自分達の力を発揮できる就職先として“食”業界の存在感が増していくはずです。それによって人材の流入が加速すれば、社内にデジタル人材を抱える企業も増加し、業界全体の底上げに繋がっていくと思います。当社は、そういった大きな影響を業界に与えていく起爆剤になりたいとも考えています。
尾上さんの仕事観を教えてください。
私は”大きなインパクトを生み出したい”と常に思っています。 ソフトバンクの孫正義さんが東日本大震災の義援金として個人で100億円を寄付、さらにグループの代表として引退するまで報酬を全額寄付すると知ったときには感銘を受けました。私自身も目に見える形で世の中にどれだけの価値を提供できるのか、どのように社会に貢献していくべきなのかを重視しています。そのため、ビジネスという形を選び、かつ自らが舵を取れる起業という選択肢を選びました。 スタートアップという存在は、世の中から信用されるような実績も資金的余裕もありません。その代わりにあるのは、“本気さ”という伝わりにくい曖昧模糊としたものくらいです。その本気度を相手に感じてもらい、相手から「この人達なら、この会社なら」と思ってもらうためには、スピードこそが重要だと感じています。アウトプットの質が同じであれば、速い方が評価してもらえます。アウトプットの質も高ければライバルを圧倒することだってできます。だから私はスピードをとても大切にしています。
最後に、応募者へのメッセージをお願いします。
私が言うのはおこがましいかもしれませんが、当社は働く場所として客観的に評価しても、魅力的な会社だと思います。 2024年1月に立ち上がったばかりで、これから成長していくフェーズにあります。 メンバーも少なく、このタイミングであればコアメンバーの一人として、成長していく会社を内側から見ることができます。そこで経験できること、成長の過程で与えられる裁量の大きさ、吸収できる知見を考えると、完成されている大企業へ進むよりも貴重なものが手に入ると自負しています。本気でキャリアを築いていきたいとお考えでしたら、当社を選択するべきだと、100%自信を持って言えます。この自信の裏付けとなる根拠については、面接等の場でじっくり説明させてください。ご応募お待ちしております。