株式会社ITリモートワークス

株式会社ITリモートワークスは、2023年8月に設立されたばかりの新鋭システム開発企業。“エンジニアファースト”に徹した経営方針と具体的な施策が最大の特長だ。

同社の最たる事業方針は、個々のエンジニアのキャリアビジョンを共に考え、その実現に直結する案件にアサインすること。したがって、会社としてあらゆる領域にアンテナを伸ばし、常に拡大している。

ちなみに、これまでの実績としては、通信キャリア系や金融系、EC系等多様な業種への広がりを見せている。業務領域は、AWS等のクラウドを含むインフラ構築や、主にオープン系言語による業務システム開発、ネイティブ言語によるモバイルアプリ開発等。業務工程も上流の要件定義段階から下流のテスト工程までと幅広い。

同社の営業担当者は、エンジニアのキャリアカウンセラーも兼ねているといった立場だ。エンジニア出身の強みを生かし、業界動向や展望を踏まえ、エンジニアの気持ちを理解した上でのキャリアビジョンに基づく最適な現場をアサインしている。
「例えば、あるエンジニアが最先端の技術を身に付けたいと言った際、その技術がメジャーになる可能性は薄く案件もほとんどないといった場合、可能性の高い別の技術がいいのではないかとアドバイスします。つまり、新しさだけでなく発展可能性も見越し、エンジニアとしての価値を最大限高められるキャリアビジョンを共に考え、実行することに徹しています」（上塚氏）。

そして、価値を高めれば高めるほど本人の収入増となる報酬体系も導入。エンジニアの成長意欲に存分に応えている。

同社は、上塚氏が「高度な技術で世界に革新をもたらす」との企業理念を掲げて設立した。
上塚氏は、グローバルコンサルティングファームでのIT／戦略コンサルタントを経てITエンジニアに転身、インフラ領域やアプリケーション開発領域をこなすフルスタックエンジニアとして活躍する。
その後、さらなる成長機会を求めて別のシステム開発会社に転じ、経営戦略にまで携わるようになる。

この間、コンサルタントやエンジニアとして数々の現場や経営者、エンジニアに接してきた。その中で、「本当に社員を大切にする会社には出会えなかった」と述懐する。
「サービス残業が当たり前だったり、管理職が部下に威張り散らしたり、酷い場合はパワハラが横行している会社もありました。また、部下の頑張りを真っ当に評価しない、イベントや研修を強要するといった会社都合でのマネジメントばかり行う会社も数多くありました。こういった環境では、自分を含めてエンジニアが全力で仕事ができるとは到底思えなかったのです。ならば、自分が正反対の会社をつくり、エンジニアが情熱を持って全力を発揮し、技術力を高めて革新的なサービスを世界に送り出そうと考えたのです」（上塚氏）。

また、上塚氏はかつて世界に冠たる経済大国だった日本が凋落し、特にIT領域で遅れていることを残念に思っていた。こうした思いが、理念に結び付いていることは言うまでもない。
そして、“高度な技術で世界に革新をもたらす”プロセスについてのイメージを、上塚氏は次のように説明する。
「当面はソフトウェア開発事業で経営基盤を固めつつエンジニアを増やし、個々の技術力を高めることに注力します。そして、そうしたエンジニアの力を結集して革新的な独自プロダクト開発にチャレンジします。“多産多死”を前提に、PDCAを回し続ける覚悟です」

一方、社名にも採用した“リモートワーク”に関しては、通勤時間をカットできたり、育児や介護と両立できたりといったメリットを享受できる素晴らしい就業形態として徹底追求。その運営ノウハウを蓄積し、「リモートワーク支援サービス」として外販することも視野に入れている。

同社の組織運営としても、“エンジニアファースト”に徹している。
まずは報酬体系。「価値を高めれば高めるほど本人の収入増となる」と前述した給与制度は、「一般エンジニア型正社員」と「フリーランスエンジニア型正社員」の2コースを用意している。

●一般エンジニア型正社員
一般的な正社員と同様、基本給+残業手当に加え、役職手当やリモートワーク手当、通信手当等の各種手当を支給。本人の業績に応じた給与の見直しは随時行われ、評価と給与が見合うよう常に調整が図られる。
メンバー育成やマネジメント志向とその能力のあるエンジニアの場合は、若手エンジニアとのチームで現場に入り、チームとしての売上を考慮。そのマネジメント業務の功績を評価し、職務手当として反映する。

●フリーランスエンジニア型正社員
プロジェクトごとの契約単位での売上額（単価）から、会社の管理費として14万3,000円を引いた残り全額を当該エンジニアに還元。単価80万円といったハイスキルのエンジニアならば還元率は82.12%、100万円ならば85.7%となる。還元率は50～60%が一般的な中、同社は間違いなく業界トップクラス。
仮に案件がなく待機状態となっても保証給が支払われるので、フリーランスより安心できる。

さらに、フリーランスならば自分で行わなければならない営業や経理等を行う必要はなく、正社員としての充実した社会保障や社会的信用力も得られる等のメリットも多い。
なお、これら二つの報酬体系は、本人の希望で柔軟に変更することも可能だ。

次に、組織運営。同社には、会社が一方的に要請するイベントや研修、出社の義務が一切ない。慰労会等のイベントはあるものの参加自由で、研修や勉強会は社員が要望するものに会社が費用負担したり、会社が社員の要請を受けて開催したりするものだけだ。
働く場所はリモートが基本で、現場（オフィス）ワーク希望者には当該案件にアサインする。
さらに、月1回のペースで営業担当者がオンラインによる面談を実施。メンタルや体調、業務で困っていること等はないかといった確認を行っている。

また、社内コミュニケーションとしては、ビジネスチャットツールを導入し、エンジニア同士が自由に学び合ったり情報交換したりできるチャネルを開設。社長以下、幹部メンバーに相談事があれば、いつでも誰にでも直接アクセスすることもできる。万事が合理的だ。
「あくまでも主役はエンジニアで、会社はそのバックアップをする存在という位置付けに徹しています。ここが当社の生命線であると認識しているからです」（上塚氏）。

そんな同社の求める人材像について、上塚氏は次のように期待する。
「新しい技術にチャレンジする等の向上心や、新しい会社をつくっていくことに積極的に参加し、共に成長していきたいというエンジニアの方にぜひ加わっていただきたいと願っています！」