ご略歴をお教えください。
2007年の大学卒業後、介護、医療、シニアライフ領域のインターネットを活用した情報インフラを提供する会社に入社し、営業やマーケティングを5年ほど経験しました。同社は2008年の上場後に東南アジアへの事業展開を積極的におこない、、私も2014年にフィリピンの現地法人設立を任されたのです。ゼロから黒字化まで4年半ほど現地で奮闘し、その間、インドネシアとマレーシアでも現地法人を設立しました。 ある程度の達成感を得て、次のキャリアとして起業を考えました。しかしながら、今後のビジネスのキーファクターであるAIなどのテクノロジーの知識や実践経験が不足していたことから、これを身に付けるべく深層学習領域のユニコーン企業に転職しました。1年ほどヘルスケア企業やメーカーとの事業開発を経験しましたが、いかんせん大手企業との共同の大型プロジェクトがメイン。ビジネスづくりのキャリアを培いたい身としては、打席数が少な過ぎると感じたのです。そこで、AI系のサービスやプロダクトを提供するベンチャーを2社、渡り歩きました。短期間だったのは、海外現地法人を自らの手で立ち上げた経験から、やはり大きな裁量権を持った仕事の楽しさが忘れられなかったからだと思います。いよいよ起業を決心しました。 ところが、起業が家族に大きなストレスを与えてしまい、精神を不安定にさせてしまいました。いろいろ改善策を模索する中で、ペットを飼ってみることにしたのです。すると、1ヶ月ほどで家族のコンディションが劇的に回復しました。このことが、自身の仕事の分岐点となりました。 実は、当社の創業者である代表取締役社長の金児は、私の1社目の1年後輩でした。彼が2017年に当社を創業後、何度も入社を誘われていたのです。その都度断っていたのですが、ペットの力を確信した後で誘いに応じることにしました。
御社をどういう会社にしていこうと考えていますか?
個人的ビジョンとして、“Japan as No.1”の再現にこだわっていきたいとの思いがあり、当社をその再現者にしたいと考えています。 フィリピンで会社を設立した時、英語力はゼロでした。当然、失敗ばかりで苦労の連続でした。それでも紆余曲折しながらうまくいった要因を分析してみると、私が日本人というアドバンテージが圧倒的に強かったと捉えています。現地の著名企業のトップにもスムーズにアポが取れ、商談を進めることができました。その根底には、日本人に対する信用やリスペクトがあったと思います。 そうした信用は、戦後、祖父や父の世代が東南アジアの地で培ってきたものです。それを受け継いだ自分の世代が、こうしてその恩恵に預かれているわけです。 ところが、現在の現地の若者にとって、日本の電気製品等のブランドは「父親やおじいさんの時代のもの」という認識であることを知り、ショックを受けました。“Japan as No.1”は遠い過去のものになっている現実があるのです。 これを、再興したい。ペット領域は東南アジアでは成長産業です。日本企業ならではのビジネスで、成し遂げていきたいと思っています。
そのために社員に対して期待することや、社員が御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。
全力で仕事に取り組んでほしいと思います。 社員はそれぞれ「頑張っている」と思っているでしょう。しかし、その頑張り具合のレベルに差があることも事実。だからこそ、真に全力で頑張ってほしいですね。 ワークライフバランスという概念があります。健康的に働いていく上では非常に重要ですが、だからこそ限られた就労時間の範囲内でいかに生産性を高め、仕事の密度を高めるかが問われると思っています。 求職者の方に言いたいこととしては、そのように高い生産性で仕事を行う環境では、ビジネスパーソンとして成長できると思います。また、当社は現在200名規模で、勢いで走れる段階から一歩進み、組織や仕組みづくりを工夫して次の成長を目指すステージにあります。その段階で経験できることも非常に多いでしょう。ぜひ一緒に成長させていきたいと思う人に入社していただきたいですね。
安積さんの仕事観をお聞かせください。
自己実現のために行うことでしょうか。 私自身の自己実現と言うか、憧れる経営者像というものがあります。社会起業家です。 会社経営は、株主や顧客、従業員等の様々なステークホルダーがあり、それぞれに目配せをして進めなければなりません。一方、私の中の社会起業家像は、目の前の困っている人のために全力を傾けるピュアな存在なのです。自分が描く理想の世界に向けて全力を傾けられる経営、に憧れがありますね。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
もっぱらランニング等で体を動かし、サウナで体を整えることと、家族と過ごしています。 経営者と話す機会が多いのですが、多くの経営者がオフタイムに体を動かしています。好きだから、ということもあるのでしょうが、経営者としてのパフォーマンスをいかに高めるか、という健康維持管理のために行っている方が多いのです。私もそんな意識が強くありますね。