株式会社COMBO

株式会社COMBOは、xRをはじめとする最新技術を駆使し、システム開発やアプリ開発、ITコンサルティングを手掛ける企業だ。本社を宮城県仙台市に構え、札幌の「Northern-Lab」を開発拠点として、受託開発やSES事業を展開している。2017年の創業当初はRPA製品のシナリオ作成やシステム運用サポートを中心に手掛けていたが、その後、システム開発事業へと軸足を移し、不動産業界等のプロジェクトで技術力を発揮してきた。

2024年、同社はアクトグループの一員となった。アクトグループはM&Aや事業承継を通じて多くの中小企業の経営を支援し、会計事務所やコンサルティング部門を中心に幅広い業務を展開している。その中で、同社はグループ唯一のIT領域を担い、経営戦略を支える重要な役割が期待されている。

アクトグループには、経営基盤の安定性と幅広い顧客基盤がある。これまでIT化が進んでいなかった企業や業務領域に対し、同社が最適なシステムソリューションを提供することで、業務の効率化や経営の最適化を実現することができる。グループ内での実績を積み重ねることで、その経験やノウハウを外部市場へと展開し、事業の成長を加速させていく構えだ。

同社が掲げる成長戦略の柱となるのが、自社パッケージソフトの開発である。まずはグループで導入し、実際の現場でのフィードバックを基に品質を高め、その後、外部企業への提供を視野に入れる。段階的なアプローチにより、製品の信頼性と完成度を確保しながら、リスクを抑えた市場展開を実現する計画だ。

さらに、東京市場への進出拠点として「Tokyo-Lab」を港区に立ち上げた。新たな技術分野への挑戦や優秀なエンジニアの確保、そして市場の最前線でニーズを掴み取ることを目指している。これにより、宮城・札幌・東京という3拠点体制が整い、エンジニアが力を発揮できるフィールドはさらに広がった。

アクトグループの経営基盤を最大限に生かし、同社は自社パッケージソフトの開発と新市場開拓に挑戦する。技術力を武器に、新たな価値を生み出しながら、グループと共に次なる成長を加速させていく。

同社が強みとするのは、顧客とのコミュニケーションスキルだ。要件を聞くだけでなく、潜在的な課題や真の要望を引き出す傾聴力と柔軟な対応力を武器に、価値のあるシステムを提供している。エンドユーザーとの直取引が中心のため、作る側と使う側が同じ視点に立ち、納得感のあるシステムを完成できる。

コミュニケーションを重視する姿勢は、社員同士の関係性にも表れている。困ったことや分からないことを一人で抱え込ませないよう、相談しやすい環境づくりを大切にしてきた。具体的には、オフィスでの席替えや小規模な懇親会を頻繁に行うことで自然な会話が生まれ、社員同士の信頼関係が深まっている。
「社員の素質もありますが、話しやすい環境づくりが当社のコミュニケーション力の向上を支えていると思います」と、取締役は語る。

こうした強みを生かし、同社が新たに挑戦するのがERPパッケージの開発である。経費や勤怠、売上等の情報を統合管理し、経営状況の「見える化」を実現する。例えば、グループ企業ごとの利益傾向を可視化し、経営戦略の判断材料とすることが可能だ。これまで勘と経験に頼っていた意思決定をデータで補完し、より精度の高い戦略立案を支援することを目指している。

「2年かけてグループ内で製品の品質を高め、3年後には外部企業への販売を目指します。中小企業でも導入しやすいよう、機能を切り分け、柔軟に対応できるシステムにしたい」と取締役は展望を語る。アクトグループは、既に多くの顧問先や営業ネットワークを有しており、システム導入に向けた見込み顧客の基盤が整っている。この強みを最大限に生かし、まずはグループ内企業で実績を積み、その成果を足がかりに外部市場へと展開する戦略だ。

新たな技術と挑戦を通じて、同社は「できること」を着実に広げている。顧客と向き合う力、仲間と共に成長する文化を大切にしながら、エンジニアがやりがいを感じ、社会に価値を提供する。それが同社の掲げる未来の姿だ。

同社が何より大切にしているのは、社員一人ひとりがストレスなく、楽しく働ける環境づくりである。Northern-Labでは、簡易的なバースペースを設置して社内コミュニケーションを促し、音楽が流れるリラックスした空間が広がっている。仕事の合間に自然と会話が生まれ、チームの結束力が高まることで、リラックスして業務に取り組める環境が整っている。

同社が受けるSES案件は、客先常駐が一切ないのも大きな特徴だ。全て社内で完結できるプロジェクトを受注し、メンバー同士が身近にいることで「緊張感があり過ぎる」「孤立する」といった不安が生じにくい。取締役は「身内がいることで、自然とスキルアップの相乗効果が生まれる」と語る。東京の開発拠点であるTokyo-Labも、札幌と同様の文化や雰囲気を持つ組織にする方針だ。社員同士が気軽に相談し合い、個々の成長がチーム全体の力となっていく。それが同社の強みである。

働き方にも柔軟性がある。出社とリモートを組み合わせたハイブリッドワークが基本で、個々の家庭事情や体調、育児等にも配慮されている。経験の浅いメンバーには「まず出社して学ぶ場を提供し、段階的にリモートワークへ移行する」という柔軟な対応が取られている。「週に1回出社してほしい」等、PMの裁量と個々の要望をすり合わせながら、最適な働き方を実現している。

社員一人ひとりの成長を支えるキャリアパスも柔軟だ。管理者を目指す人には、PMやリーダーの近くで仕事を学ぶ機会を提供し、現場で必要なスキルや視点を養ってもらう。一方で「開発に専念したい」「上級プログラマとして技術を磨きたい」というエンジニアには、プロジェクト内の配置換えを通じて、徐々に難易度の高い業務へ挑戦できるようサポートしている。「勉強会等の形式的な教育制度ではなく、自分のペースで学んでほしい」と取締役は話す。こうした柔軟なキャリア支援は、エンジニアにとって大きな魅力だ。

社内行事や取り組みにも、同社の温かな文化が表れている。定期的な懇親会や社内イベントは、社員同士の距離を縮める大切な時間だ。Tokyo-LabでもNorthern-Labの文化をそのまま踏襲したいとのことで、拠点が異なっても共通の価値観を持ちながら、一体感を育んでいく。

今後、同社では自社パッケージソフトの開発を本格化する。拠点連携により、Tokyo-Labは要件定義や上流工程を担い、Northern-Labは実装部分を担当する体制も想定されている。場所に縛られない協力体制が、同社の強みをさらに引き出していくだろう。

「社員がストレスなく働けること。それが、会社にとっても一番いいことです」
取締役のこの言葉には、社員一人ひとりを大切にする姿勢が表れている。会社としての成長だけでなく、働く社員が自分らしく輝ける場所。それが目指す職場環境だ。新しい仲間には、この文化の中で技術を磨き、キャリアを築いてほしい。