株式会社Bamos

マーケティングエージェンシーの、株式会社Bamos。2022年10月設立のスタートアップとして、これまで同社内でデジタルマーケティング事業とクリエイティブ事業を展開してきたが、2025年4月にそれぞれの事業を担う会社とともに持株会社を新たに設立し、グループ経営体制に移行する。

同社が展開しているのは、次の2事業だ。

●デジタルマーケティング事業
Instagram、YouTube、LINE、TikTokといったSNSにおける広告展開を主体とし、クライアントのデジタルマーケティング支援を手掛ける。

●クリエイティブ事業
SNSに配信する動画広告を自社内で制作、デジタルマーケティング事業を通じてクライアントの集客力アップを支援する。

同社として強みとするのは、次の3点だ。

クライアントの売上拡大に繋がる集客力
ポリシーとして、自社ではなくクライアントを第一に考え、その売上拡大に繋がる集客のための施策を提供する。そのために、クリーンな広告運用を行うのは当然のこととして、SNS広告のプロフェッショナルとして培ってきたノウハウを余すところなく提供。

SNSに特化
デジタルマーケティングに様々な手法がある中、最も得意とするSNSに特化しノウハウを磨き抜いている。SEOやリスティング広告、コンテンツマーケティング等も手掛けることは可能であるが、あえて“総合”とはせずSNSを尖らせていく。

戦略設計から制作、運用までを一貫して手掛ける
広告代理店というより、コンサルティングファームに近いスタンスでのデジタルマーケティング戦略の立案から手掛ける。もちろん、社内において広告クリエイティブの制作、および運用までも一貫して担い、迅速なPDCAを可能にしている。

以上の強みを実現するため、同社では一案件につき一つのプロジェクトチームを組成して対応する。チーム編成としては、チームリーダーの下、“左脳”（理論）に強いマーケター、“右脳”（表現）に強いマーケター、および動画クリエイターといった布陣。ロジカルなマーケティング理論とターゲットへの訴求力を盛り込んだクリエイティブの掛け算による施策を提供していく。

実績としては、医療クリニックや脱毛サロン、パーソナルジム等を運営する主要クライアントに対し、来店率や契約率アップを果たしていることが挙げられる。その成果によって、Bamosは設立2年で年商20億円を突破していることが、その実力を雄弁に物語っていると言えるだろう。

同社は、代表取締役社長の樋口騎行（ひぐち・のりゆき）氏が仲間とともに共同創業した。

樋口氏は、上場企業のグループ会社である広告代理店でクライアントのデジタルマーケティング支援業務に従事した後、2022年10月に当時の仕事仲間とともに独立、Bamosを設立する。その経緯について、次のように説明する。
「前職には、自社の業績向上のために社員が成長することを促進するカルチャーがありました。自分としても、当初は自分が力をつけて稼ぐことを目的に働いていたのですが、力がついて部長職ともなると考え方が変わったのです。自分以外のクライアントや部下の成長に目を向けるようになりました。そして、そうした考え方こそが代理店としての存在意義ではないかと思うに至り、実現させるには自分でやるほうが早いと、共鳴する仲間とともに独立することにしました」

同社のフィロソフィーとして根底にある考え方は、「“一広告代理店”ではなく“パートナー”としてクライアントの一番の理解者となり、更なる企業価値を創造できるようにマーケティング支援を行う。当社に関わる全てのステークホルダーに喜びを提供し続ける会社、当社で働くメンバー全員に喜びを提供し続ける会社であること」だ。

パーパスは【世の中に喜びを届け、心豊かな社会の実現に貢献する】というものだ。
「デジタル社会にあるからこそ、人と人との繋がりを大切にします。ビジネスの目的はあくまでも社会貢献であり、それを行う土台は“人”であり、人が一人でできることには限界があるからです」と樋口氏はその思いを語る。

今後の経営ビジョンとして、2025年度からグループ経営体制に移行する。Bamosはデジタルマーケティング支援事業を担い、新たにクリエイティブ事業部門を分社化する（社名は未定）。その上に、事業会社のバックオフィス業務を担う持株会社を設立する。
グループの事業領域はクライアント支援と自社事業の2軸。クライアント支援軸はBamosとクリエイティブ会社が担う。なお、クリエイティブ会社の取引先は当面はBamosとなるが、他の代理店やクライアントを開拓し独自の収益獲得を狙う。

自社事業軸としては、新しい形のトラベルエージェントやフィットネスジム運営会社の設立を検討している。なお、Bamosにはパーソナルジム運営会社のトレーナーから社長まで上り詰めた人材が経営ボードとして在籍しており、そのノウハウの集大成を図る形だ。
クライアント支援事業においては、自社事業で実験的に様々な施策を試し、その成果をクライアント支援に生かす。逆に、クライアントで上げた成果は自社事業に生かす、そんなシナジーももちろん狙っている。

2025年3月現在、Bamosの社員数は約30名で、平均年齢26歳という若い組織だ。2023年は8名程度であったところ、2024年に一気に20名以上が増えた。
「今ならコアメンバーになれることと、好待遇が奏功し1,000名以上の応募者が集まりました。おかげで優秀な人材を採用できています」と樋口氏は話す。

公募とは別に、樋口氏の知人である4名のプロフェッショナルの入社が特に大きい。それまで小規模のデジタル広告代理店に在籍し、小規模ゆえに確立されたSNS広告のノウハウがない中、自ら試行錯誤の上ノウハウを確立した存在だ。
「そのメンバーをコアにクライアントの成果に貢献できたことと、未経験者の採用・育成に繋げ、事業基盤が確立できたことが大きいですね」と樋口氏は話す。

未経験者の育成としては、3か月の研修期間を設け、プロフェッショナルのメンバーが講師となり、マーケティング全般およびデジタルマーケティング、SNS広告について培った知識やノウハウをレクチャーしている。
「この世界はアップデートが激しいので、新鮮な情報を持つ現場の若手メンバーからも意見や情報をボトムアップ的に吸い上げ、全体に共有しています」（樋口氏）。

情報共有のチャネルとしては、全員に公開している日報が機能している。
人事考課としては、2025年度より、等級による能力レベルに対する評価と、評価期間6か月間の成果およびバリュー体現度の2軸となる方向だ。

同社の若い組織は活気があるが、それを維持・強化する施策として、社員が主導して毎月開かれるイベントがある。サッカーなどの観戦や、自社で体育館を借りてフットサル大会を開催するといったスポーツ系の内容が多い。参加自由ではあるが、「最近行ったインドアゴルフのイベントには60％ほどのメンバーが集まりました」と樋口氏。
また、毎年社員旅行も行い、昨年度はタイに行った。
そのほか、歓迎会も頻繁に行われている。
一方、オフィス内には社員同士が自由にコミュニケーションできるラウンジを設けている。
同社は目下行動基準となるバリューを策定中であるが、「“チャレンジ”と“倫理観”を基軸にしていきたい。こうした考え方は、人事考課に取り入れて浸透・促進を図る」と樋口氏。

そんな同社が求める人材像として、樋口氏は次のように話す。
「いわゆる“Good natured person”、簡単に言うと“いいヤツ”です。明朗で誠実、そして自走力がある。そんな方の入社をお待ちしています！」