こうして立ち上げられた同社の事業は、不動産業界をターゲットとした自社システム業プロ(ギョウプロ)。物件情報をデータベース化し仲介業者や売主に提供する会員制サイトである。こう言うと至極シンプルなシステムのように聞こえるが、それこそが今の不動産業界には欠如した、「救世主」ともいえるシステムなのである。
現在、仲介業者と売主の間では情報共有が上手く図れているとは言えない状況であるという。そこで、仲介業者の求める情報をまとめた利便性の高いサイト作りが必要だと同社は考えた。情報量、情報の鮮度、使いやすさ、といった項目に関して見直しに見直しを重ねて完成したものが同社のシステム・業プロ(ギョウプロ)なのである。
「IT化が進んでいない業界ですので、当社レベルのサービスが他に無いことや、ネットを通じたサービスに対する不安もあり、始めはクライアントに当社サイトの価値を理解していただくことが難しかったのですが、試験的に導入していただくことで、業プロ(ギョウプロ)の利便性を体感し、評価につながっています」(営業担当)。
同社の目指すものは1つ、“不動産売買のインフラ”となること。千葉県をおさえた後は、エリアの拡大を進め、まずは神奈川県、東京都と首都圏エリアの掌握を目指す。また、自社サイトで完結するのではなく、不動産のポータルサイトと連携することによって情報活用の場も広げる予定だ。
「これからやりたいことを考え始めると眠れなくなっちゃうんですよ」、と椎谷社長は穏やかに微笑む。詳しい内容については社長自身の口から説明を受けることをお勧めする。同社のシステムがもたらす不動産業界への貢献度の高さ、そして可能性を強く感じることであろう。