事業における顧客との関わり方を教えてください。
創業時から営業を軸に関わることが多いです。 ご縁のあった経営者の方々との関係性づくりに注力し、つくられた関係性から「何か一緒にしたいね」と意気投合する形で仕事をご一緒させていただく事が多かったように思います。 関係性を大事にする、というのは創業前から変わらない顧客との関わり方ですね。 そして、顧客企業の経営者や社員の想いを理解するために、何度も面談しています。 「このサービスの価値はこれです」と、上から提案するのではなく、目の前の顧客が「どんな人柄か」「何をしたいか」に耳を澄ませることを大切にしています。相互理解が深まると、一気に物事が進んでいく感覚が昔からあるからです。 「人と人とのつながり」が先にあって、その上で何をするかを扱っていきます。
なぜ価値観や関係性を大事にするのでしょうか?
どの会社も固有の歴史や経営者の想いが通っており、そこに関わる人たちによって会社の独自の風土や関係性がつくられていきます。 私はそれを「組織の土壌や文脈」と呼んでいます。その会社にある土壌や文脈をきちんと理解することで、顧客のありたい姿を深く理解でき、顧客に合った支援が実現すると思っています。 どのようなプロジェクトでも、人と人の関係性が関わってくるテーマを扱うときに、会社の土壌がきちんと耕されてないと対症療法的な結果になってしまいます。 「組織の土壌」の現状を見ることによって、会社の中心にいる人たちの願いがちゃんとつながり合う支援ができます。結果として、顧客の意思決定や実行がとても早くなります。 実際に、従来の企業風土では反対意見を統合できなかったであろうDX推進もスムーズにいく例などに多く立ち会いました。
改めてご自身の強みを教えてください。
私の強みとしては、経営者としての実体験から、経営する上での痛みやしんどさが解るのは大きいと思います。 顧客の話を聞いていて、「その会社の経営に求められるものが何か」「会社と経営者の内面をどう整えるとよいか」など、自身の体験をふまえて思考します。 私の経験上、「土壌」がとても大切で、土壌が改善されない限り、社員だけでなく経営者も本当の意味で生き生きと働けないと思っています。
RELATIONSの強みを教えて下さい。
RELATIONSは、私に限らず、支援する中で組織の生々しい問題にきちんと向き合っています。また自社でもほぼ全員で組織課題を扱う場を設けています。 顧客の支援と自社の実践の相互作用によって、RELATIONSには豊かな実践知があり、それを顧客に届けられることは価値があると思っています。
今後の展望を聞かせてください。
まず、コンサルという言葉を変えたいと思っています。 一般的なコンサルのイメージでは、支援する側・される側という構図があります。しかし、私たちの理想は、お互いが関わることで良くなっていくような、顧客と自社の自他非分離な関係性だと思っています。 顧客企業の先には、地域の市場や経済があり、支援を通して地域特有の文化特性や価値創出と向き合うことになります。それらの歴史や背景から学んだことは、RELATIONS自身の肥やしとなり、変容のきっかけにもなっています。 このように自他非分離な関係性をつくり、共に影響しあいながら、よりよい社会について考えていきたいですね。 また、「社会の変容は顧客から始まる」と思っています。顧客企業に深く入り込んで支援し、その会社の可能性をひらくことが、社会をよりよくするためにとても大切なことだと思っています。