株式会社MDI

土地活用を検討している土地オーナーにとってアパートなどの賃貸住宅経営は魅力的だ。しかし激化する賃貸住宅市場では空室率が年々高まっている。MDIはそんな賃貸住宅経営のリスクを徹底して排除し、新しい賃貸住宅経営の形を提案する不動産業界の風雲児だ。

同社は資産活用コンサルティング会社として賃貸住宅に関わる土地の調査から地権者との交渉、契約、設計、施工、工程管理、入居者募集、管理まですべてをワンストップでサポートしている。緻密に築き上げられた独自のビジネスモデルで99％以上という驚異的な入居率を実現した。創業わずか7年で急成長を遂げたMDIの魅力を探ってみた。

代表の深山は東証一部上場の不動産会社で役員を務めるなど不動産の最前線で活躍してきた。そんな同氏が豊富な経験をもとにMDIを設立したのは2008年である。起業の動機は業界のイメージを変えたいという強い想いだったという。

「転職ではなく起業という選択肢を選んだのは、古めかしく狭い業界の体質を自分の手で変えたかったからです。それには人材の力が必要だと考えました。あらゆる業界の人材のアイデアが集まれば、新しい価値を生み出すことができるのではないかと。つまり採用をやるために起業したといっても過言ではありません。旧態依然とした不動産業界のイメージを一新し、100年、200年続く企業を作っていきたいと思っています」（代表取締役　深山氏）。

当初は建売も手掛けていただが、完全撤退して賃貸住宅に舵を切った。それがターニングポイントになったという。深山氏は豊富な経験をいかして賃貸住宅のニーズを徹底して分析し、社員とともに斬新な商品やサービスを次々に生み出していった。同氏が目指した多彩な人材による柔軟な発想が生まれる組織。それは建物から暮らし方の提案というハードからソフトまで網羅する賃貸住宅に発揮されたのだ。

「採用に力を入れてきた当社には、金融業界、保険、美容、板前、自衛官など異業種出身者が多数在籍しています。チームMDI として、柔軟に新しい発想を大切に商品やサービスを作り上げてきました。様々な才能を持った人が活躍できる環境だからこそ、この成長があると思っています。これからもオーナー様の賃貸経営の伴走者としてあらゆる期待に応えていきます」（同氏）。
創業5年目の2013年には本社を銀座にそびえる歌舞伎座タワーに移転。首都圏から全国展開に向けて勢いを加速させていく。

設立８年目でMDIは社員750名以上、6年連続増収増益を達成した。そして自社商品の管理棟数は798棟、8,950戸(2015年2月現在)に上る。早くも株式上場の準備室を開設しているという。この凄まじい成長の背景にあるものは決して勢いだけではない。不動産のプロフェッショナルである深山氏が磨き上げた独自のビジネスモデルに注目したい。

同社の強みとしてまず挙げられるのは、賃貸住宅に特化して提案から設計・施工、管理まで一貫して自社で担える体制である。賃貸経営・資産活用をあらゆる側面からサポートできるのはオーナーにとって大きな安心感につながる。そして社内に設計部門・建築部門が設けられており、建築の高品質・低コスト化も実現しやすい。

「賃貸住宅に関わることは、すべて当社で行えます。これは大きな強みとなっています。そして自社賃貸物件“LivLi(リブリ)” は、徹底した技術力とデザイン性を追求しており、海外にも拠点をつくり良質な素材を輸入しています。また業界で初めてセコムと提携し、セキュリティシステムを標準仕様とした都市型の賃貸住宅としても高い評価を頂いています。入居率への対策にも力を入れており、リーシング部門が入居者をしっかり定着させます。」（同氏）。

賃貸経営は空室が最大のリスクである。入居率の業界平均が80%程度と言われる中、リブリの入居率は99.2％（2015年3月末時点）という数字を誇っているから驚きである。不安要素は自社で継続的に払拭していくと深山氏は自信をのぞかせた。

そして、営業スタイルにも人材を強みとする同社の個性が光る。
「土地の有効活用というビジネスモデルは新しいものではありませんが、徹底してオーナー側に立った提案を行う営業スタイルで差別化しています。例えばオーナー様は土地や間取りの話より、金融の話を求めていることもあります。金融業界出身者もいる当社ではオーナー様のどのようなニーズに対しても的確で柔軟な提案を行うことができます」（同氏）。
不動産業界が苦手としてきた顧客志向をとことん追求する戦略は、後発である同社の名を一気に広め、多くのオーナーの支持を集めることになった。

今後は首都圏から関西・名古屋圏にも事業を拡大する方針である。目標は創業10年目となる2018年に社員1,000名、売上高1,000億だ。
「もちろん自信はあります。大手企業にはないスピード感で全てが前に向かって進んでいる当社では、業界の常識は通用しません。今後全国に拠点を拡大していき、新しい事業も展開するため組織の拡大が必要です。会社と共に急成長したい方にぜひ来ていただきたいですね」（同氏）。

株式上場に向けて新たなステージへ同社では組織もこれから拡大していく。コアメンバーが成長してきたこともあり、2015年より140名と採用人数を一気に増やす予定だ。実力主義の会社なので20代で課長職に就き、年収1,000万円を越えるメンバーもいるという。将来の幹部候補を目指すなら成長期の今がチャンスだといえよう。また営業会社ではなく元請けでもあるので賃貸住宅の企画から関われるのも魅力だ。

「建築の営業に特化した会社はいくらでもありますが、MDIは元請けとして大きな裁量をもって自社物件を建築できます。そのため賃貸住宅のビジネスの可能性をどこまでも追求していきます。そしてチャンスがあれば商品開発にも関われる。やる気がある人は早く成長できる環境が整っています」（同氏）。

オフィスは20～30代の若い世代が多く、勢いがある会社ならではの活気に満ちている。
「平均年齢が若いこともあり、仲間意識が強く、役員との距離も近く風通しはいいと思います。人と人、本音のつながりがある会社ですね」(同氏)。

若い会社だからこそ、不動産業界にありがちな不自由なしきたりやルールはなく決裁も早い。そのため若手が存分に活躍できる。他のどのハウスメーカーや不動産会社にもない、全く新しい組織に育っていく可能性を強く感じた。

「社外で培った様々な英知を注入してほしいですね。ある業界とある業界が関わることで生まれる新しいアイデア、化学反応を期待しています。遠慮なく自由に意見を言い合い、皆で新しい組織を作っていくことは今だからこそ味わえる喜びです」（同氏）。

不動産業界の最前線で新しい可能性に挑戦する、MDIではそんなエキサイティングな日々が待っている。