株式会社オールアバウトライフマーケティング

「サンプル百貨店」、「ｄショッピング」を運営している株式会社オールアバウトライフマーケティング。
専門家メディアを手がけるオールアバウトグループの中核をなす。

オールアバウトグループは、専門家ネットワークを基盤として、コミュニケーションを軸に、既存の“情報流・商流・製造流”にイノベーションを図るプラットフォームを提供している。オールアバウトライフマーケティングは、同グループにおいて主にその“商流”および“製造流”の面を受け持つ。

オールアバウトライフマーケティングは、日本最大級のサンプリングサイト「サンプル百貨店」（累計利用者数350万人）を展開。
主要コンテンツの「ちょっプル」は、“ちょっとの費用で試せるサンプル”の略で食品や飲料、コスメ、日用雑貨などの商品の体験機会を提供する。

一般生活者に対してテストマーケティング・商品認知の浸透・リピート購買を図りたいメーカーから商品の提供を受け、一般的な小売店の半額～3分の1程度（送料込み）というお試し費用でユーザーが商品を手に入れることができる。
商品を提供したメーカー側は、会員の商品に対するクチコミを商品や売り場の改良に活用している。

更に、ユーザーは友だち同士で分け合う「おすそわけ」を行うことで、“お試しユーザー”を更に増やすという効用も狙っている。
ユーザーに提供される商品は、サンプルサイズなどではなく実際に市販されているサイズと同じ「実商品」をお試しできるのも特徴だ。

「30％の会員が感想コメントを投稿し、また同じく30％がリピート購入しています」と代表取締役社長の土門裕之氏。
「当社はナショナルブランドの話題の商品や人気商品も豊富にラインナップし、会員にとって魅力的なサイトになっていると自負しています」
掲載商品数は月間25,000アイテムで、利用者数は約350万人になった。

また、「ちょっプル」だけでなく、サンプリングイベントも運営。
これは、年に4回会員の中からブロガーやインスタグラマーなどのインフルエンサーを1,000名ほど招き、メーカーの新商品発表会を開催しているもので、無料でサンプルを配布し、ブログやSNSでの口コミ拡散を狙っている。

これらのサービスで、9年連続増収。これにより、「第2回日本ネット経済新聞賞」において2015年度の「急成長賞」の表彰を受けた。
「第三者から“最も成長しているEC”と評価いただけたと受け止めています」と土門氏。

その他にも、2017年8月には、日本テレビとの合弁会社「日テレ・ライフマーケティング株式会社」を設立、
2020年7月からはNTTドコモが運営する総合通販サイト「ｄショッピング」を協力して企画・運営することで、双方さらなる拡大を見込んでおります。

同社は、2004年に創業。翌年、主に無料サンプルの提供を行う「サンプル百貨店」をスタートさせた。2009年に有料サンプリングサービスの「ちょっプル」を開始する。

そして、2011年にオールアバウトと資本業務提携を締結。
その経緯を、土門氏は次のように説明する。
「2000年にスタートしたオールアバウトは、急拡大を始めていたネットの世界において、認知や理解を促進する広告ビジネスを手がけるメディア事業を展開してきました。

2000年代後半ごろからは、ネット界ではよりダイレクトな販売促進や購買に直結するレスポンスを求める機能へのニーズが高まってきました。その分野を取り込んでいかないと成長はないと検討しているところで注目したのが、『サンプル百貨店』の存在でした。オールアバウトと同様に女性ユーザーが多いのでユーザー連携を図ることもできるし、企業が求めるマーケティングプロセスにおいて、オールアバウトが担う“情報流”から販売促進に繋げることができる。いい連携相手であると評価しました」
年々連携を強化し、2013年4月にはオールアバウトの100％子会社となって現社名に変更した。

今後は、会員数350万人・月間25,000アイテムというユーザーおよびメーカー基盤をベースに、誰も挑戦したことのないECサイトの完成にチャレンジしていく。
「B to CのEC市場規模は、2015年度で14.5兆円ほど。2018年には20兆円を超えると予測されています。この伸びしろをどう取り込んでいくかという成長戦略において、当社の強みを活かしたフラッシュマーケティング的なアプローチが有力ではないかと考えています。

従来は大手ショッピングモールで検索して商品を探す“目的買い”が主流を占めてきましたが、今後は、短期間で限定数の商品を提供するスタイルが、消費意欲を喚起するより有効な販売促進手段になるということです」と土門氏は力説する。

そして、「サンプル百貨店」はニーズの増大に応え得るプラットフォームに磨き上げる必要がある。現在はPCのWeb版およびスマートフォンのWeb版とアプリというメディア構成で、スマホ利用が60～80％を占めている。PV数は月間約4200万（2019年8月）。しかし「サイトの完成度はまだ高くない」と上級執行役員の金子真一郎氏は言う。

「数分で数百件もの購入トランザクションが発生することもしょっちゅうです。サイトの更新は倍々ゲームの勢いで成長しているスピードに追い付いていません。インフラからUI／UXまで、快適に使っていただくために機能改善できる余地はたくさんあります。」と金子氏。

「さらに、ECとしてのバリューチェーンも究極まで磨き上げたいと思っています。」と土門氏。

これまで、サイトの構築／開発の多くは外部の開発会社に委ねてきたが、その内製化を図る方針だ。

「事業の成長にコミットした内部のエンジニアが手がけることで、スピード感や質を高めたいと考えています。そして、成功の喜びを一体感を持って分かち合いたいという思いです」（土門氏）

社員数100名ほどの同社は、平均年齢は30代半ば。その風土の特徴について、土門氏は次のように言う。

「会社として業界平均を上回る高い成長を目指しており、その達成に向けたタスク運営に留意しています。実力主義でストイックなカルチャーがありますね。とはいえ長時間労働を強いるようなことはなく、残業は平均で月40時間以下。タスクを絞り込んで効率的に成果を上げる風土が定着しています。また、プロジェクトを細かく切り出して役割を担わせることにより、成功・失敗体験を積みやすく成長に繋げる機会づくりとなるよう考慮しています」

人事考課においては、グレードを細分化することでステップアップ感を掴みやすくしている。
「組織は、必要に応じてミッションクリティカルにつくり変える柔軟性もあります。あまり頻繁だと社員が混乱するので、良識の範囲内ですが（笑）」（土門氏）
スピーディーに物事を進めていく柔軟性は特徴のひとつ。
社長との距離も近く、色々な相談もしやすい環境で判断も早い。

また、仕事だけではなく社内のコミュニケーションも活発だ。
四半期ごとに行う「キックオフ」では、活躍した社員の表彰やクイズなどで、毎回懇親を図り、社員間の親睦を深めている。
屋形船でのキックオフを実施するなど、毎回趣向を凝らしている。

部署内での親睦を目的とした給付金制度もあり、会社負担でQに1回各部署で飲み会や豪華ランチをしながらコミュニケーションを図っている。

求める人材は、同事業へ理解・共感していることが大前提。
「よりよいサービスをつくり、事業に貢献したいという人であってほしいです。」と土門氏。

ブランド力のある企業グループの一員として、グループの中でも一番の急成長をしているサービスを、一緒に成長させてくれる人材を求めている。