株式会社インテージテクノスフィア

マーケティングリサーチ事業でアジアナンバーワンのインテージグループ。その一員として2014年に設立されたのが、ITソリューションを提供する株式会社インテージテクノスフィアだ。

インテージ本体に元々あったIT部隊と、グループ会社の一つだったインテージ長野を統合し、グループにおけるシステム開発・IT基盤を支えるWeb・IT部門の中核機能を担っている。
「事業の柱は二つあります。一つは、グループが最も得意とするマーケティングリサーチ関連のシステム開発と維持です。ここが売上の4割を占めています。もう一つは、売り上げの残りの6割を占めている、グループ外のクライアントからの受託開発およびその運用業務です」（経営企画部 人財組織グループリーダー・高橋氏）

4割を占めるグループ関連の開発事業が、安定収入の基盤になっている。それがあるからこそ、受託開発を含むいろいろなチャレンジが可能となる。この安定した事業構造が同社の特徴であり、一番の強みといってもよさそうだ。
「インテージの強みは、小売店パネル調査、消費者パネル調査。商品の販売データと購買データを収集し、加工・分析することにより国内主要企業のマーケティング戦略に使用されています。インテージテクノスフィアは、インテージのマーケティングリサーチをシステム開発とデータハンドリングで支えています」（高橋氏）

受託開発は幅広い業界の顧客を対象にしているが、特に医薬業界や旅行業界で強みを発揮している。たとえば旅行会社とホテルなどのサービス提供施設をつなぐ販売金額や販売手数料の精算・決済処理システムは、業界のスタンダードとして広く知られており、旅行会社のバックオフィス業務の効率化を果たしている。クライアントとの信頼関係を築く中で、新規案件の獲得につなげていくことも多い。

「社会全体でデータの重要性が再認識される中で、大量のデータを集約・分析・活用するにはシステムの力が必要なことも理解されてきました。グループとしてはITに力を入れ、新たな事業の軸として成長させようと考えており、我々にとても大きな期待をかけてくれています。今後は、そうした環境下で新たなビジネスを構築できる、アクティブな人材を積極的に採用していこうと考えています」（高橋氏）

現在の社員数は約500名で、客先常駐は行っていない。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に在宅勤務中心の働き方をしているが、コミュニケーション促進の観点からフルリモートとはせず、グループごとに出社日を設けている。

開発案件は数千万円から数億円規模のものがほとんどで、10名から15名程で構成されたプロジェクトで、クライアントの課題解決に取り組んでいる。
「これまではほぼプロパーが中心の社内でしたが、最近は積極的に中途採用を進めています。新しく入社する方にはクライアントと積極的に関わりながら、プロジェクトをまとめ、新たな案件を増やしていけるようなアクティブな動き方を期待したいですね」（高橋氏）

同社で働くメリットについては、「いろいろな業界の案件に携われること」「クライアントから一次受けで仕事ができること」に加え、「大量のデータを扱う仕事につくチャンスもあること」を挙げてくれた。
「創業以来取り組んでいる『パネル調査』で、膨大な量の小売店の販売データや消費者の購買データが蓄積されています。こうしたデータを効率的に加工・集計するため、データサイエンスの動向をキャッチアップし、日々格闘しています。
近年の取り組みとしては、お客様の中でサイロ化されている情報を一元的に管理できるよう、データウェアハウスサービス『snowflake』を使ったデータ統合・活用ソリューションを提供しています。
お客様がDX（デジタルトランスフォーメーション）を急ピッチで進める中で、当社ではインテージグループのリサーチシステムでsnowflakeを採用したノウハウを利用し、データ統合基盤を提供しています。また、その後の分析や、データ可視化・活用まで支援できるよう、技術開発や人材育成を進めています」（高橋氏）

入社時の配属は経験やスキルをベースに決まることになってくるが、同社が用意する「キャリアデザイン」制度を活用すれば、それぞれの志向に合わせたキャリアの積み方が可能となる。
「2年後、3年後、5年後といった将来にどうなっていたいのか、それを申告できる制度です。上位者は各メンバーの希望や適正を踏まえて育成方法を考え、次年度以降の組織編成につなげていきます」（高橋氏）

離職率が極めて低く、定年まで働き続ける社員が多いのも同社の特徴だ。こうしたキャリア面での手厚さも、その一因となっているのは間違いないだろう。

同社が力を入れているのが、社員のワークライフバランスだ。それを証明するのが、2021年度の全社員の平均残業時間が約15時間という事実だ。
「当社はコアタイムなしのフルフレックスタイム制度を適用しており、お子さんの送り迎えや学校行事への参加に活用している社員が多いです。加えて、年末年始以外で最大9日間の『リフレッシュ休暇』を取得できる制度も用意しています。
社員の41％が女性で、出産後も戻って働く女性社員は多いです。部長や取締役にも女性が普通にいます。また、育児休暇を取得した男性社員も増えており、男性・女性といった区別なく働きやすい会社ではないかと思いますね」（高橋氏）

社風については、真面目にコツコツと、きっちりと仕事を進めていく雰囲気だという。それはクライアントに対しての成果物にも現れていて、「品質や精度の高さを評価されて次の仕事に繋がっていくパターンがとても多い」とのことだ。

社長には社員たちが頻繁に声をかけ、相談もできるアットホームな雰囲気もある。
これほど安定した基盤があり、働きやすい環境でチャレンジができる会社はそう多くないだろう。ぜひ挑戦してほしい。