株式会社OMS

株式会社OMSは、e-ラーニングシステムの『E-learning ASP』を開発、運用している会社だ。非常に伸びているサービスで、IT製品の比較・資料請求サイト『ITトレンド』の年間ランキングは、販売開始2年目でeラーニング部門1位を獲得した。その後コロナ下でのWeb教育需要の増加とともに成長し、今ではeラーニングシステムの運営を8年以上続ける、業界では老舗のeラーニングシステムの開発運営会社でもある。

ただし、これはOMSの最近の顔だ。同社は、実は創業40年の会社でもともとの名前は”大宮商会”。主にCDやDVDの制作を手がけ、時代の流れに合わせる形で、現在は、音響や映像の制作、映像配信なども手掛けている。現在ではIT事業が収益の8割を占めるITベンチャーへと変貌した。現代表取締役の宮下敦士氏は2代目。宮下氏が家業である大宮商会に参画し、映像や音響に替わる強みを打ち立てるべく始めたのが『E-learning ASP』だ。

特に好評なのが、eラーニングシステムとしては珍しい従量課金制、つまり使った分だけ料金が発生するという仕組みだ。受講者数、コンテンツ数の制限もなく、とにかく動画が視聴された分だけ料金が発生する。eラーニングシステムに多い「年に数回の利用なのに毎月、多額の料金がかかる」、「アカウント数やコンテンツ数に制限があって使いにくい」といった不満を解消した。

このようにOMSは時代の変化に対応し、事業を継続し続けている。
小さなITベンチャーはチャンスはたくさんあれど、倒産のリスクを常に抱えている。しかし、創業40年の老舗企業という安心感と、ITベンチャーとしてのチャレンジが両立しているOMSは、とても貴重な存在といえるだろう。
興味がある方はぜひ気軽にエントリーしてみてほしい。

『E-learning ASP』はシンプルな名前ながら常に新しいテクノロジーを取り入れ、eラーニングプラットフォームとして他社にはない価値を生み出してきた。その中のいくつかを紹介しよう。

まず1つ目は「ノーコードでの画面カスタマイズ」である。
『E-learning ASP』では、APIを開放してオリジナルの学習サイト開発を請け負ってきた。一方、オリジナルサイトの開発は、いくらAPIを使って割安にしたとしても数百万はかかってしまうという問題はあった。
これを解決したのが最新のフロントエンド開発言語であるVueと、SPAというWebシステムの構造だった。
このシステムでは、ページ内のデザイン変更はもちろん、ページ遷移すら自由にノーコードで組み替えることまでが可能という、”業界初のフレキシブルデザイン構造”を実現している。これによりプログラミング不要でオリジナルサイトを作ることができてしまうのだ。もちろん完全なオリジナルではないが、かなり自由度の高いカスタマイズが可能である。

2つ目は「空間検知AIを活用した不正・不適切受講の防止システム」である。
『E-learning ASP』は建設業・医療など公的な教育でも広く利用されているが、その中でeラーニング固有の問題に直面していた。
それは本人以外がなりすましで受講する不正受講問題であった。
このような問題に対策するため、受講中にAIで顔をリアルタイムに検知し、本人が受講しているかを確認する仕組みを3年前から実用化していた。しかし一方で、本人が受講していたとしても、「よそ見」「寝ながら」「不適切な場所」といった、いわゆる”不適切受講”が行われ、適切な受講が行われないケースがあるという課題を抱えていた。
これを近年の画像認識AIやLLMなどの技術を活用した空間検知AIにより、顔を認証するだけでなく、受講にふさわしい場所・姿勢での受講まで検知できるようにした。これはeラーニングの業界には大きな革命だが、まだ一部の企業でしか活用できていない。これを様々な企業で使ってもらうことでeラーニングによる学習効果を引き上げたいというのが狙いだ。

それ以外にも学習データをもとにして、各学習者に合わせた学習プランを提供する”アダプティブラーニング”の仕組みを目下開発中だとのこと。詳しい内容は企業秘密とのことだが、Web学習に新しい価値を提供できることは間違いないだろう。

OMSはなぜこのような機能開発を進めているのだろうか？
「”eラーニングは便利であるが、学習効果は座学より劣る”ーこういった常識を変えたい。eラーニングの学習効果が座学より高いのが常識という世界を私は作りたいんです。」と宮下氏は語る。
確かにeラーニングは利便性が高い一方、いつでもできるために学習に集中できないなど、座学に劣るところもあった。OMS社が開発しているAI空間検知などで不適切受講を防ぎつつ、eラーニングの強みである”データやAI”を活用した学習プランの提供などの付加価値により、eラーニングが座学よりもあらゆる面で優れていると評価される時代が来るのかもしれない。

その時代を共に作りたいと思うエンジニアの人は、ぜひ同社の求人に応募してみてはいかがだろうか。

2020年以降、OMS社の事業拡大はやや緩やかになっていった。
その大きな要因は、社長である宮下氏が別のIT企業の代表を兼務するようになったからだ。

公認会計士とテック、双方に強みを持つ宮下氏に目を付けた士業のメンバーとともに創業した株式会社foxcaleは、不正調査に特化した技術開発というユニークなテーマを掲げ2019年12月に創業し、宮下氏が社長に就任し、OMS社と兼務する形となった。その後純国産のE-Discoveryシステム（foxcope-DI）の開発に成功し、2023年の日本の適時開示対象の不正調査で業界シェアNo1を獲得するなど、華々しい成果をあげてきた。

”一区切りしただろう”ーそう思うとともに、宮下氏の中でOMS社でWeb教育改革を実現したいという想いが強くなっていった。
そこで、OMS社を上場させるべく本気で組織作りを進めていくという決意で、foxcale社の経営から退き、本採用募集に踏み切ったという経緯がある。

そんな同社が求めるのは、「Web教育改革」や「教育テック」に興味のある技術者やコンサル営業の人材だ。
現在は5名体制のアジャイル開発のチームを持っており、その中で宮下氏がPDM/PMの役割を担っている。
”営業が誰もいない”という状況からの脱却のため、まずは当社の営業を担う人材と、優れたテックリーダーと将来のPDM/PM候補となるべく優れた技術力をもつエンジニアを募集している。

まだまだ未成熟な企業ではあるが、だからこそ今加わることで大きな役割と成長を得る機会も多いといえるだろう。
伸びしろは充分、テックに強い社長の新たなチャレンジに賛同する人は、ぜひ一度話を聞いてみてはいかがだろうか？