株式会社NTTPCコミュニケーションズ

誰もが知っている大手通信会社のグループ企業であり、またIT業界の老舗でありながら、まるでベンチャー企業のように、次代に芽吹くサービスを幅広く手がけている企業がある。それが、株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ（以下、NTTPCコミュニケーションズ）だ。

同社が手がけるサービスには、業界やクライアントの規模といった制限は一切ない。親会社から下りてくる仕事を行うのではなく、自社で営業を行い、サービスを開発し、提供している。特定の企業向けに開発したプロダクトは、その業界で広く使いやすいように標準化し、業界全体に向けたソリューションに仕上げて販路拡大を目指す。つまり、NTTPCコミュニケーションズは、すでに決まった仕様に基づいて開発の下流のみを担当するのではなく、企画から企業への提案、デザイン、開発、カットオーバー後の運用・保守、将来の改善に至るあらゆる領域を担当しているわけだ。

「なにごとも言い出しっぺが責任を持ってやる、というのが当社の仕事の進め方です。もちろん業務ですので、世の中やクライアント企業様に全く役に立たないものは問題外ですし、実現可能性が極端に低いものについてはなかなか認められませんが、“現時点でビジネスにつながるかどうかが曖昧なこと”でも、熱意と推進力さえあればやらせてもらえるのが当社の面白いところです」（経営企画部 人材開発担当課長　荻原氏）
実際、この考え方は社内の共通認識のようで、誰にインタビューしても同様の答えが返ってきた。

「チャレンジしたいことがあっても、仕事は一人では完結しません。当社では、必要なスキルを持ったメンバーたちが協力しあって開発にあたります。面白そうな案件には自ら手を挙げて参画することもできます。もちろん、好きなことだけではなく、自分に与えられた業務をしっかりとこなしていかなければなりません」（経営企画部 人材開発担当　井藤氏）

実際、NTTPCコミュニケーションズでは、入社1年目や2年目の若手でも自ら手を挙げて仕事に取り組み、ユニットのリーダーとして活躍している例も多いというから驚きだ。

現在、収益を上げているサービスのなかには、当初はどの程度の需要があるのか分からないまま、社員のアイデアから開発がはじまったものが数多くあるという。たとえば、動物を捕らえる檻をIoT化した「みまわり楽太郎」。“檻を含めたわなが動くと、画像付きのメールでお知らせする”という、仕組みそのものはいたってシンプルなものだ。しかし、現在鳥獣駆除を行う猟師の高年齢化が進み、広い山野を少人数でカバーしにくくなったことや、害獣の増加により農作物の被害が多発していることなどから注目を集め、これまでに約50の自治体がこの「みまわり楽太郎」を採用。しかも、罠の作動状況などの情報は、たとえば“春になるとこのエリアでイノシシが多く現れる”といったビッグデータとして蓄積され、活用の余地もさらに広がるのだ。

また、クライアントとのやりとりから生まれ、実現に至ったアイデアもある。なかでも面白い取り組みが「インテリジェントトイレ」だ。便器などのトイレ製品で国内トップのシェアを持つ企業とNTTPCコミュニケーションズのIoTが結びついたもので、排出されたガスの成分を検知することで腸内環境をチェックし、病気や、病気の予兆をさぐるという画期的なもの。市場への投入はまだこれからだが、日常生活のなかで身体の異常を的確に捉えられるようになれば、健康の維持管理に役立つことはもちろん、医療機関を受診する手間や費用も抑制できる可能性をも秘めているのだ。

この2つの事例は、NTTPCコミュニケーションズがインターネット黎明期から手掛けてきた通信サービスのインフラや長年蓄積してきたノウハウを様々なカタチで活用することで実現している。これは同社の大きなアドバンテージであり、今後も新たなサービスへの応用が期待できるだろう。

「社員たちが社会の情勢や外部の企業とのやりとりのなかで思いつき、開発に取り組んだことで誕生したサービスは他にも数多くあります。いま取り組んでいることが何年か先に実を結ぶこともあるでしょう。当社には、すぐに結果が出ずとも自ら主張して取り組んでいる仕事は応援する土壌があり、継続して開発に打ち込む社員が多くいます。このように、社員がまるで独立したフリーランスのように仕事をしている状態を“個人商店の集まり”と呼んでいます」（荻原氏）

NTTPCコミュニケーションズではいま、海外の展示会などに積極的に技術者を派遣しており、今後は全職種に拡大していく方針だという。これは、世界の最新の動向に触れることで、新たな発想や柔軟な思考を養い、自分の仕事に変革をもたらしてもらおうという考えで実施しているもの。ほかにも、オライリー・メディア社の講師を招いた講演会を開催したり、プログラミングスクールと提携したオンライン学習を導入したりと、社員教育には力を入れている。

「当社は非上場ではありますが、NTTグループの一員であり、教育や福利厚生などの制度面でも上場会社に引けをとりません。社員にとって居心地がいいのは、離職率の低さからも明らかです。ただ、こうした環境であるがゆえに、新たなチャレンジへの意欲を失ってしまっては意味がありません。やりたいことに向かってモチベーションを持ち続け、チームメンバーと協力して取り組んで行ける人こそ、当社で活躍できるのです。」

全社員の3分の1にあたる約200名が中途採用だというNTTPCコミュニケーションズ。前職の業種などに関係なく、どんな経験も活かせるのも同社の強みだ。しかも現在、新しいサービスをつくっていく核となるエンジニアが不足しているというのだ。安定した環境で新たなチャレンジをしたい向きには大いなるチャンスだといえよう。

「特に、開発チームを率いるリーダーが不足しています。たとえば、プログラマーとして数年のキャリアを積んでいる方で、今後はシステムエンジニアとして活躍したい、さらにはサービスの企画も手がけたい方、近い将来にチームリーダーに、さらにはプロダクトやプロジェクトのマネージャーなど、ひとつのサービスユニットをまとめる立場を目指してキャリアアップしていきたいと考える方なら、当社はピッタリの環境を用意できます。キャリアパスについても、制限となる人事制度はなにもありません。」（荻原氏）

取材を通して感じたのは、“NTT”の冠があることで持っていた「手堅い業務だけを淡々とこなしているのではないか？」「縦割りの組織なのでは？」といった先入観が、良い意味で瓦解したことだ。百聞は一見に如かず。NTTPCコミュニケーションズの募集が気になった方は、ぜひ一度コンタクトをとり、同社を訪問してみることをオススメしたい。