起業までの経歴を教えてください。
外資系のコンサルティングファームに勤め、マネジャーになったところで独立しました。自営業の家庭で育ち、自分もいずれ何かやるだろうと思っていたので、会社を辞めることには全く抵抗はありませんでした。 コンサルティングファームを退社後、直ぐに会社を創業し、他社との統合や再度の独立を経て、アルカセット・コンサルティングの創業に至りました。それが2010年のことです。 これまでに関わってきた会社は、勿論今も営業を続け、成長しています。 お互いに切磋琢磨していければと思います。 高校の先輩には、山本五十六先輩がいます。多くの経営者に影響を与えた格言を残した方でもあり、私も僅かながらでも学び身に着けたいと思っています。
「世の中をもっと簡単に」このビジョンはどこからきているのですか?
思想的にはずっと私の中にあるものです。前社にいたときからそうなのですが、私はどちらかというと、繰り返しの仕事があるとそれを自動化するための仕組み作りに一生懸命になるほうです。要は同じことをするのが嫌いなんですね。その仕組みで1人日かかる仕事が0.3人日になったらいいじゃないか、残り0.7人日で新しいことをやればいいじゃないか、という考え方です。PCも、極力マウスを触りたくなくて、ぜんぶショーカットキーで操作をしたい(笑) そんな瑣末なことをはじめとして、物事を構造化して、その要素と機能、関係性を網羅することで、達成すべき要件に対して一貫した仕組みやプロセスを作ることができるはずで、そうすれば、要件を達成する最短距離が見えるはずです。 例えば、コンピュータアプリケーションのUIや家電のインターフェース、そういったものも、ユーザが達成したい要件(=やりたいこと)を最短距離で実行できるようにしてあげることが必要です。そのためには、ユーザの行動ややりたいことを構造化する必要があります。 世の中には「なんでこんなに面倒くさいんだろう」と思うようなことが沢山あります。要件・目的を見定め、全体感を持って最適化を行う。全体のスループットを最大化するように効率的にする。それを人間性を踏まえて実現する。結果的に“簡単にできる”を当たり前にする。それが積み上がったら、世の中にもっと余裕が出てくると思うんですよね。
どんな会社を目指していますか?
社員にとっての当社、お客様にとっての当社、両方の面で考えています。 働いてくれている社員にとって、自分が胸を張って帰属意識を持てる、“働きたい場所”を提供すること。 「アルカセットで働いている」と言ったら「それはすごい、いい会社だね」と言っていただけるような会社になりたいと考えています。そのためには、ある程度の規模もブランドも必要になります。それらは実績に裏打ちされるべきもので、提供する製品やサービスの品質と継続によるものです。 それから当然ながら、社員とその家族の皆さんが経済的・物理的な充足感を得られること。こうした色々なものを含めて、「アルカセットで働いている」ということに満足して、社員が誇りに思える会社にしたいと思っています。 お客様にとって、“一緒に働きたい、目標達成には欠かせないビジネスエンジン”となること。 お客様が「一緒に働きたい」と思ってくださるということは、たった一つの要素では成り立ちません。業務知識・理解、技術的素養、発想・アイディア、コミュニケーションの仕方・人となり、価格・・・。 それらの要素を踏まえて、当社の社員が皆、お客様に「一緒に働きたい。目標を達成するためのパートナーだ」と言っていただける、そういったチームとなることを目指しています。 そして、それらを達成するためには、我々のお客様が喜んでくださることが何か、を知ることができる会社でありたいと思います。
社員のモチベーションアップのために意識していることは?
1つ前の質問にも通じることですが、1つは会社として成長する、ということだと思います。小さな会社ゆえの苦労もありますが、ひとりひとりが自分自身の成長と会社の成長をリンクして実感できる、そうであれば、日々の苦労を上回る充実があります。 “成長痛”はあるかもしれませんが、それは個人として組織としての成長に必要な糧だと思います。そうして仲間を増やし、仕事も増やし、仕事の質も高くする。 その中で、社員の皆さんには少しずつ“背伸び”をしてもらうようにしています。 毎日背伸びをしていれば、それがいずれ普通の高さになり、また次の高さへ背伸びができるようになると思っています。 大変だと思いますが、そうして社員の皆さんは、お客様に認めていただくようになっていっています。私自身も毎日背伸びしているつもりです(笑) また、できる限り裁量を大きくしています。 どうしてものところは、他のメンバーや役員がフォローすることはありますが、基本的に任せるところは任せています。これも背伸びのひとつですね。
社員の皆さんに望むものは?
まず何より、社員の皆さんにしっかりした生活基盤を持っていただくために、安定した仕事を用意することが会社の役目のひとつだと思います。ですが同時に、大小関わらず多くのチャレンジもして欲しいです。 新しい技術が沢山出てきますが、それらをバズワード的に終わらせずに、ビジネスのレベルでかたちにできる。そういうチャレンジができる環境を提供したいのです。そういう意味でも“想い”を持っているエンジニアを歓迎したいです。 勿論、未だ10人そこそこの体力の小さい会社ですので、実現できることの限度があることも十分に理解しています。一方で小さい会社であっても、コンサルタントだけの視点、エンジニアだけの視点だけでなく、両方の視点を持ち、ビジネスとして実現するためにお客様に耳を傾けてもらえる提案に仕上げることができる。そんな動きを身軽に取る事ができる、それは当社の強みです。 会社としてやれることを広げることも、どんどんやってもらいたいと思っています。例えば、ビジネスやサービスの形も、既存のものに囚われる必要はありません。お客様と会社のためになるのであれば、アイディアを形にすることに躊躇はいりません。 システム開発事業も、現場が開発を独自に進めたことから始まっています。 当社はようやく、成長のための基盤が整い始め、チャレンジもできるようになってきました。お客様とより一層関係を深めていき、その基盤を強固にし、新しいサービスを提案し作り上げることもできると考えています。やりたいことのイメージに制限を持たないでほしいですね。