代表取締役　中山 博光氏 佐賀県生まれ。デザイン系の仕事に就きたいと、流通業界の広告媒体を制作する会社に就職、版下作業を経験する。その後、『ナニワ金融道』（講談社）など多数のヒット作を世に送り出している青木雄二氏のデザイン事務所に勤務。マイカル（旧ニチイ）で販売促進・経営企画などを経験した後、岡山県にできる新規開発SCのコンサルティング依頼があり、独立を決意する。

現在、27期連続黒字を継続していますが、創業の経緯やリゾームに対する念いについて教えてください。

何もないところからのスタートだったこともあり、創業当時は経営も安定せず、厳しい時期でした。その中で、少しずつ形になっていった念いがありました。「自分の商品が欲しい」、「仕入れなくていい商売がしたい」、「自分で販売価格が設定できる商売がしたい」、「毎月定期的に収入がある商売がしたい」。現在、このすべてが実現しています。当社が扱っているのは、自社開発商品であり、毎月保守料や利用料が発生するストック型のビジネスです。また、独自性が強く、完全な競合といえる商品がほとんどないため、販売価格設定の自由度もあります。 創業から10年ほどして、お客様の声をヒントに顧客分析システムを完成させてからも、「売上・賃料の分析パッケージをつくりたい」、「経営理念に基づく経営を実現したい」、「リーシングのご支援ができるサービスを実現したい」、「全国のSC・百貨店のデータベースを構築したい」など、強い念いを持ち、それを実現することで成長してきました。私は、会社は、社長の夢（念い）以上にはならないと思っています。これは裏を返せば、強い念いさえあれば、たいていの事は実現できるということでもあります。

代表が思い描いた念いが、現在の事業優位性につながっています。将来を見越して的確な選択をしてくることができた理由は何でしょうか？

時代の変化、技術の進化を前向きに捉え、何が課題なのかをはっきり意識していることが大切だと考えています。大事な情報を見逃すのはアンテナをはっていないからです。例えば、何が欲しいのか聞かれて瞬間的に答えられる人は、日頃からアンテナをはっている人だといえます。こういう人は、深い念いがあるから、好機や課題を見逃しません。だから、経営者の仕事とは念うことだと考えています。お金がない、人がいないなどと前提条件をつけず、常に考え、アンテナをはって、何を実現したのか念い、発信し、行動することです。 理念やビジョンもそうですが、目指すべき先を明確に示すことで、社員もゴールを設定しやすく、会社という組織全体のベクトルも揃いやすくなります。こういう組織は質が固くなり、目標へ向かう推進力も大きくなるはずです。

社員に対する想いや期待することを教えてください。

会社というのは、働いている社員が主役です。だから、仕組みや制度、ルールといったものも、社員たち自身が必要だと考えるものを形にしていけばいい。経営者の視点だけではなく、社員の視点でも整えていくべきです。そのほうが、働く人にとって幸せな会社になると思うからです。当社には介護のために出勤日を減らして働いている社員もいます。その制度も社員たちで話し合って創ったもの。そういう意味では、当社は社員が意見を発しやすい風通しの良さや自由な気風のある会社、そして大切な家族を第一にして働いていく事が当たり前の会社といえるかもしれません。 また、当社は100年続く企業を目指しており、必ず私の後を引き継ぐ人が必要になります。だから、次を託すべき人材を育て、次代へつないでいく。それを繰り返すことができなければ企業は存続していくことなどできません。 ただ、代が代わっても、当社は流れに乗るのではなく、流れを創る会社であってほしいと願っています。今後は、これまで以上のスピードで環境が変化していくことと思います。技術の進化も目まぐるしいものになるでしょう。そのような変化にしなやかに適応しながら半歩、一歩先を見たビジネスを生み出し、独自性あるビジネスで勝負し続けてもらいたいと思います。

最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

今後SC業界は試練の時代を迎えます。勝ち組と負け組の二極化が進み、テナントの退店・倒産も増えていくことでしょう。飲食・サービスの人材不足は深刻さを増していき、地方のSCの衰退が加速度的に進むことも予想されます。これは、SC業界に限ったことではなく、さまざまな業界で大きな変化が訪れるはずです。このような時代のうねりに翻弄されることなく、『お客様の課題解決』という自分たちの役割を認識して、自分たちにしかできない商品・サービスを提供していく。そして、当社のビジョンや理念に共感していただけるお客様と共に、100年企業を目指していきます。 この念いに共感できる人であれば、また素直に仕事に取り組める人であれば、必ずや自己成長を実現できる会社だという自信があります。SC業界でトップシェアを獲得している会社であり、これまでに築き上げたネットワークも自慢できるものだと自負しています。社内には、意見を言い合い、切磋琢磨し合える仲間もいます。当社に少しでも興味を持っていただけたなら、一度、じっくり話しましょう。お待ちしています。