株式会社エーウイング

ホームページ制作を中心に、グラフィック（DTP）や映像、Webシステム開発による“マルチクリエイティブ”を手がけている、株式会社エーウイング。ホームページに動画を仕込んだり、パンフレットのQRコードからホームページに飛ばすといった立体的なクリエイティブを得意とし、顧客の集客増や売上増に貢献している。

ホームページは「つくったら終わり」の制作会社が多い中、同社は「つくってからがスタート」という信条のもと、サポートセンターを組織化して改善・運営までしっかりフォローアップしているところが特長的だ。

「毎月何百商品を更新するといった作業もありますが、基本的には『どうすれば集客数が増えるか』『売り上げが上がるか』『応募者を増やせるか』といったホームページの明確な目的に従い、きちんと分析し改善提案に繋げるところを強みとしています。そのことで当社にご相談いただく機会も増え、まさに“Win-Win”の関係となっているお客様が多いですね」と代表取締役社長／エグゼクティブプロデューサーの門脇恵二氏は胸を張る。
最近では、SNS広告に関心を持つクライアントも少なくなく、その出稿戦略やクリエイティブのアドバイスを行う機会も多いという。

こうした姿勢でクライアントの業績向上に貢献することで、紹介や評判によってクライアントが増加。現在、定期的な運用まで手がけるクライアントは50社／団体を超えている。その半数以上は、立川市役所、立川市商店街連合会、帝京大学、JUKI株式会社、株式会社壽屋、立川ロフト、公益財団法人結核予防会複十字病院など、同社の立地する立川市を中心とする多摩地区の企業や医療機関、教育機関、行政機関が占めている。

残りの半数は、東京23区の企業が多い。「東京のお客様はクリエイティブに対する要求度が高いところが多く、当社のクオリティを高める上でためになっている。」と門脇氏は話す。

2008年2月に東京都立川市で同社を創業した門脇氏は、それまで制作会社でホームページやグラフィックのデザイナーとして活躍していた。「バンド活動もしていて、本当はプロとしてデビューしたかったもののままならず、自分の得意なWebデザインで独立することにした」と打ち明ける。そのきっかけは、既存の組織のやり方に満足できなくなったこと。

門脇氏は次のように話す。
「当時、クリエイティブに非常にこだわりがあって、自分のやりたいようにやりたくなったのです。そんな環境を自分でつくろうと、当社を設立することにしました。」
当初は自分一人で営業とデザインを手掛けていたが、徐々にクライアントとともに社員を増やしていった。

「会社の経営にとっては、お客様とできるだけ長くお付き合いさせていただくことが重要で、そのことで当方のお客様に関する理解も深まり、結果的にお客様のためにもなると再認識しました。そこで、“ホームページはつくってからがスタート”という信条を持って取り組むようになったのです。その結果、この2月で10周年を迎えることができ、社員も18名まで増えました」と門脇氏は振り返る。

そんな同社の経営方針には“地域貢献”がある。東京都の西側に広がる多摩地区に生まれ育った門脇氏は、現在も立川市で暮らし、自分の会社も立川市で設立した。門脇氏以外の17名の社員も、多摩地区出身・在住者が大半を占めている。

「多摩地区にはいい企業が数多く存在している一方、立川には当社ほどの規模のWeb制作会社は極めて少数です。私も社員も、さらにお客様も多摩地区が大好きですが、Web制作面や当該人材の雇用に関しては当社が責任を持ち、この地区の発展に貢献したいと考えています」と門脇氏は意気込む。そして、立川まつり国営昭和記念公園花火大会協賛、立川市公認なりそこねキャラクター・ウドラプロジェクトメンバー、ファーレ立川アート修復再生事業サイト制作協力といった数々の貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

18名の社員のうち13名を女性が占めているところが、同社の大きな特徴だろう。「意図的にそうしたのではなく、自然とこうなった」と門脇氏。女性主体の制作会社のためか、立川駅から7分ほどの中心街にある広々としたオフィスはきれいに整理され、スタイリッシュな雰囲気が漂う。

同社が風土づくりとして力を入れているのは、“立川市で最も働きやすい会社”を目指した環境整備。その一つが、イントラネットの充実だ。同社の“ルールブック”的な位置づけで、経営方針や年間スケジュール、就業マニュアルなどをわかりやすく掲載している。年間スケジュールにはあらゆる社内イベントの記録を掲載し、ちょっとした“想い出アルバム”に。

ChatWorkやSalesforce、Trelloなどのツールも積極的に導入し、業務効率化を追求している。
ユニークなのは、“業務コアタイム”制度。毎日午後3時間は、できるだけ社内で人とコミュニケーションをせずに、自分の業務に集中するというものだ。その狙いについて、門脇氏は次のように言う。

「私が現役のクリエイターの頃に経験したことが大きいのですが、ガチャガチャした環境で集中できなかったり、気持ちが整理できずデザインに迷いが出ると、いいものがつくれないのです。逆に集中することでドライブがかかります。クオリティを上げる効果があると確信しています。」

反対に、社員同士がコミュニケーションを深める機会も設けている。毎月、社員の誕生日を祝うランチ会を社内で行ったり、暑気払いや忘年会は毎年の恒例行事。さらに基本的に年1回、社員旅行にも出かけている。

また、上司と部下の面談の機会とする「ランチトーク」制度では、会社がランチ代を支給。
産休を取り復帰した女性社員はまだ1名であるが、女性主体の会社として就業時間管理にも気を配り、始業、昼休み、終業時間にはチャイムを鳴らしている。「社員からは『学校みたい』と好評」と門脇氏は笑う。なお、今後、在宅勤務などリモートワークも検討する。

門脇氏のマネジメント・ポリシーは、3面ある。一人ひとりの個性を最大限尊重し、それぞれの強みを伸ばすこと。全員に共通して謙虚であるように働きかけること。そして、成長するモチベーションを刺激することだ。このため、スキル研修やデザインに関する勉強会、Webマーケティングのトレンドの勉強会といった学ぶ機会を就業時間内に設けている。

同社が募集しているのは、Webデザイナー、Webエンジニア、営業。Webデザイナーは、チームワークを取りながらも、個としてより良いクリエイティブを追求できるタイプ。Webエンジニアは、同じく研究者のようにいいシステムを追求するタイプ。営業は、クライアントの業務とホームページのあり方を理解し、少しでも改善させていくことに熱意を持って取り組める人材。そして、3職種に共通するのは、Webが大好きで、自分から動ける人であることだ。
「自分の得意なこと、やりたいことこそが最も強力な武器になると思います。それを当社でぜひ発揮してください！」と門脇氏は呼びかける。