株式会社スタークラフト

株式会社スタークラフトは、自社Webメディア事業を主軸に、Webサイト企画や集客代行事業、SEO事業などを展開し、急成長を遂げている。2014年の設立から毎年、売上倍増を達成し、設立１０期目で月商３億円を達成。

売上300億円、社員数400名規模の広告会社の主要取引先としてナンバー１の実績を誇っている。

取り扱っている商材は、健康食品や美容、転職、通販など多分野、数十種類に及んでいる。成果報酬型のビジネスモデルということを考えれば、得意分野に集中した方が効果を出しやすい気がするが、「ユーザー起点を徹底すれば、あまり関係ない」と代表取締役社長・中倉大吾氏は語る。

「ユーザーは、いろいろな悩みを抱え、それを解決する情報をネットで探しています。私たちは、『インターネットを通じて本当に価値ある商品・サービス・情報を提供し、世界中の人々の生活をより良いものにして、幸せにする』という理念を掲げています。Webメディアを運用しているのも、この理念を実現するための手段の一つであり、ユーザーの悩み解決に貢献したいという思いが根底にあります。だから、商材の良さを押しつけがましくアピールするのではなく、ユーザーのニーズを徹底的にリサーチして、悩みの本質をつかむことを大切にしています。本質を明らかにして、訴求ポイントを抑えれば、どのような分野でもユーザーに響くメディア運用が可能になると考えています」。

この考え方が間違っていないことは、売上など、同社の現状からも明らかだ。
これが許されるのも、同社が大きな実績を残しているからにほかならない。

中倉氏が、インターネットビジネスを知ったのは、2009年頃のことだった。
それまでは実家の旅館を手伝っており、IT業界とは無縁だったが、たまたま手に取ったインターネットビジネスの書籍で興味を持ち、知識もスキルもまったくない状態から独学で始めたという。
そこから５年ほどは個人事業主として事業を行っていたが、すでに年商数億円に達していた。

2020年には3500億円に達するともいわれる成果報酬型広告市場は、今後も拡大が期待できる分野であり、この追い風に乗り、数年内には売上100億円、社員数30～40名規模を目指すという。
「その先は、Webメディア事業を主軸にしつつ、新しい事業の創出にも挑戦していきたいと思っています。理念にもあるように、私たちが目指しているのは、ネットを通じて商品・サービス・情報を提供してみんなを幸せにすること。それは、Webメディア事業に限ったことではありませんから。今現在、具体的なプランが固まっているわけではありませんが、誰もが知っているような自社サービスを立ち上げられればと思っています」。（中倉氏）

急成長を遂げているスタークラフトを支えているメンバーは、確かな実力を備えている。しかし、そのほとんどは、同社に入社するまで経験がなかったというから驚きだ。それではなぜ、短期間のうちに成長できるのか？それは「失敗を繰り返しながら学べる環境があるからだ」と中倉氏は語る。
「私自身がこれまでに培ったノウハウは、動画やOJTによって積極的に伝えていきます。その上で、社員に裁量と予算を持たせて、いろいろな手法を自ら試しながら実践的に学んでもらうようにしています」。

社員が自由にできる広告予算は一人当たり月に数百万円から数千万円にのぼることもあるという。これを使って有効な広告の組み合わせなど思考をめぐらし、成果を上げるために社員は試行錯誤を繰り返すのだという。

「失敗したときに、その原因を外部に求めるような人では、成長につながりません。だから、ベクトルが自分に向いている人――行動とその結果を自分事として受け入れ、間違っていたこと、次回さらに工夫できることを整理して自分の成長につなげていける人を求めています。当社は、自社メディアということもあり、社員が試行錯誤できる領域が広いですし、案件は基本的に一人で担当するので、知見を蓄積しやすく、そこから得た発想を試しやすい環境があります」。

社員同士や役員と社員の距離感も近く、きさくに質問しやすい雰囲気もある。また、成果さえ出してくれれば、働き方を厳しく縛るようなこともないと中倉氏はいう。

「別に昼寝していてもかまいません。理念にある幸せにする対象には、当然社員も含まれていますので、働きやすい環境づくりには、今後も気を配っていくつもりです。こういった、自由さを自身が成長するために活用できる、責任感ある人と一緒に働きたいですね」。