株式会社アトミテック

独立系SIerの、株式会社アトミテック。特に、統合運用管理を始めとするITインフラ構築・運用支援サービスに強みを発揮している。
同社の事業部門は、Hinemosソリューション事業部とSES業務を手掛けるサービスデリバリー部に分かれる。このGreenでは、Hinemosソリューション事業部のエンジニアを求めている。

「Hinemos」は、主に（株）NTTデータが開発・提供する統合運用管理パッケージ。あらゆるデータを収集し、見える化や外部基盤と連携する収集・蓄積機能、収集したデータをもとに、稼働状況を確認し異常を検知する見える化・分析機能、環境の最適化など検知した異常に紐づけした対応を自動で実行する自動化機能を備える。これらにより、多くのサーバーを管理したり、少数のサーバーでも多くのジョブを実行しているユーザーに対して、システム管理業務の統合・効率化、システム異常などの予測と予防の自動化、および運用コストの削減といったメリットを提供する。

「Hinemos」はOSSによって構築されていることもあり、他の商用の運用管理ツールと比べてケタ違いに低価格である点が大きな特長。「Hinemos」並みの性能を備えたOSSによる統合運用管理パッケージは、ほかにない。
なお、「Hinemos」は、（株）NTTデータ、NTTデータ先端技術（株）、（株）エヌ・ティ・ティ・データ関西、（株）クニエのNTTデータグループ4社に、独立系のアトミテックを加えた5社による「Hinemosアライアンスグループ」によって運営されている。この中にあって、アトミテックは、「Hinemos」本体の新バージョンの開発や、中堅・中小企業の顧客開拓、顧客への導入（運用環境構築、バージョンアップ、商用運用管理ツールからの移行など）および保守運用サポート（教育、監視・ジョブ設定、追加機能開発など）を担う中核的存在となっている。

「当社がいないと、実質的に『Hinemos』のサービス運営は立ち行かなくなるほどのポジションを占めていると自負しています」と、代表取締役の中西康貴氏は胸を張る。

サービスデリバリー部においては、AWS活用サービス、インフラ構築サービスといったITインフラ基盤構築支援を始め、一般的なシステム開発も手掛けている。「両部門間の異動については、本人の希望を重視している」（中西氏）という。

同社は、2004年7月、代表取締役の松本浩司氏が山口県宇部市でWeb制作会社として創業した（有限会社アトミテック）。06年には株式会社への変更および福岡営業所の開設、08年には東京営業所（現・東京本社）開設と順調に成長を続ける。

「しかし、Web制作の世界は競争が激しくなり、価格競争も起きて、さらなる成長を続けるのは難しい情勢となりました。そこで、より発展性のある領域をコアとすべく、社内にインフラに強いエンジニアが存在していたことを足掛かりに、インフラ領域にフォーカスすることにしたのです」と中西氏は現在の業務領域にシフトした経緯を説明する。
当該領域に着手すると、運用管理を改善させるニーズが多いことに直面。そこで、「Hinemos」に着目しNTTデータにアプローチする。
一方、NTTデータはリリースした「Hinemos」のビジネス展開策として、低価格のメリットを発揮させるべく、比較的小規模の企業への導入を促進させるためにも小回りの利くリセーラーを求めていた。ここで両社のニーズが合致し、09年、両社はHinemosソリューションパートナー契約を締結する。以来、アトミテックは「Hinemos」を主力商材として、その販売および導入・運用支援に関わってきた。

「この業務を通じて『Hinemos』の知見を深め、また実績も重ねて、徐々に開発も任されるようになりました。こうして現在のポジションを獲得したのです」（中西氏）
同社では、今後も引き続き2部門それぞれの成長を図っていく。Hinemosソリューション事業部としては、国内だけでなく海外展開にも打って出る準備を進めている。その進出先は、まずはアメリカだ。

「当地にも大手ベンダーによる類似のソリューションがありますが、今一つ評判が良くなく、『Hinemos』には大きなチャンスがあると見ています。アメリカは市場が大きく、かつ英語圏ということもあって、進出のハードルも比較的低いと踏んでいます」（中西氏）
こうした事業拡大を担う人材の確保が、当面の課題だ。

「『Hinemos』ユーザーはまだ数百社レベルで、これからまだまだ伸びていくのは確実です。成長を実感できると思いますので、ぜひアクセスしてください！」と中西氏は呼びかける。

創業18年目を迎えている同社は、現在約110名の社員を擁する。平均年齢は31歳と若い。うちHinemosソリューション事業部は約50名で、女性比率は30％ほど。同社の風土は、肩書ではなく“さん”づけで呼ぶといったフラットさが特色だ。

業務運営で力を入れているのは、効率的に働いて18時の定時帰宅を目指すこと。残業は申請制で、「妥当な理由のない残業は認めない」と代表の中西氏。このため、月間の平均残業時間は5時間程度と少ない。（フレックスタイム制〈コアタイム：10～15時〉）

「各メンバーのタスク状況は、スケジューラーを共有して細かくチェックし、状況が悪化しそうになったら即座に芽を摘むようにしています」とHinemosソリューション、事業部長の設楽氏は言う。
人材育成においては、NTTデータが運営する「Hinemos」に関する研修を受講できるほか、会社が資格取得を支援。さらに取得者には手当が支給される。そのほか、情報処理技術者試験、LPIC、Javaなどの資格取得も支援している。

また、半期ごとに上司と部下の面談を行い、「チャレンジシート」を活用して当該期間における目標設定や振り返りを行っている。
社員間の親睦は、東京本社においては「月例会」と呼ばれる飲み会などで図られている。さらに、宇部や福岡のメンバーも加えた全社で、毎年3月に社員旅行に出かけている。18年はグアム、19年は香港（コロナのため20〜23年は未実施、24年再開予定）。

同社が求める人材像について、中西氏は次のように話す。
「当社では、上から『あれやれ、これやれ』ということはなく、やるべきことは自ら考えて主体的に動く風土があります。したがって、明るく能動的に動ける方が望ましいと思っています。気兼ねなく人に話しかけ、人から話しかけられるようなキャラクターの方が好ましいですね。また、当社は時間には厳しいので、平気で遅刻をするような方は難しいかもしれません」

また、東京・福岡・埼玉・徳島・山口と5つの拠点があるので、UIJターン希望者もぜひ、アトミテックを知ってほしい。