株式会社ティー・コム

システム開発会社の、株式会社ティー・コム。銀行およびクレジットを中心とする金融系を得意とし、基幹系や情報系、業務系の諸システムの提案から設計、開発、導入までを全般的に手掛けている。現在、メガバンクや大手カード会社、大手生命保険会社、地方銀行のシステム開発案件に、SIerを経由しSESの形で携わっているところだ。これまで、下記のような実績がある。

●銀行／地銀共同システム、統合システム（融資・流動性・為替などの勘定系および情報系など）
●クレジット／3社統合基幹システム（売上・入金・残高・延滞など、債権系）
●生命保険／保険金システム（契約管理などの基幹系および販売支援系など）
●証券／バックオフィス管理システム
●年金／確定拠出型年金システム
●その他／輸送業システム統合プロジェクトなど

同社が金融系に強いのは、実際にユーザー内部でシステム開発に関わり、当該業務を知り尽くしたメンバーが複数在籍しているから。元銀行員として長年情報システム部門で要件定義までの最上流工程に関わった人材、元信用金庫職員としてシステム開発に従事の後、支店長を歴任した人材、元システム開発会社の社員としてクレジットカード会社に出向し最上流工程から一貫してシステム開発に関わった人材が顔を揃えている。
「銀行やクレジット会社の専門的な業務内容を熟知しているのは、大きなアドバンテージであると自負しています」と代表取締役社長の大賀正人氏は胸を張る。

大賀氏は、20歳の時にシステム開発会社に入社し、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせる。
「何もわからない自分は、付いた先輩に仕事だけでなく人としてのあり方までも教え込んでもらったのです。その後、その先輩とともに何社かを経験しましたが、このことからシステム開発の仕事においては、人との関わりが何よりも重要であると学びました」

金融系を中心に20年ほどエンジニアとしてのキャリアを積んだところで、一念発起。「自分はどこまでできるか試したくなった」と、2006年2月に同社を創業する。社名のティー・コムは、“Total Coordinate by Communication”からの造語。大賀氏は、そこに込めた思いを次のように語る。
「仕事をはじめ、全ての行動の結果は人とのコミュニケーションによって導き出されると思います。ですから、意思の疎通など人との関係構築を行動の起点とし、物事の全ての結果をよりよいものにすることを目指す意図で、命名しました」

信用を最重視する金融機関の案件に、12年の間安定的に従事できているのは、同社の信頼性の表れといえる。そのキーポイントは、まさに“コミュニケーション”にあるのだ。
「当たり前のことを当たり前のようにやる“凡事徹底”を大切にしてきました。メンバーには、『何かあった時、真っ先に“一番やりたくないこと”をせよ』と言っています。自分で何とか取り繕うとするのではなく、まずは報告しろ、といったことです」（大賀氏）
些細なことでも、積み重なれば信用を棄損する。そこで、大賀氏は各現場を月に2回ほど回ってメンバーとコミュニケーションを取り、簡単そうで簡単ではない“凡事徹底”を図ってきたのである。

一方、「今後は新分野へのチャレンジにも力を入れたい」と大賀氏。このほど新オフィスをITベンチャーが集積し始めている五反田に構えたことにより、持ち帰り開発案件も手がけていく。
「個人的なネットワークから、システム開発ニーズを拾っています。まずはこうした案件から取り組んでいきます」（大賀氏）

さらに、SI案件だけでなく、RPAやAIの領域にも取り組む方針だ。
「知人の経営するシステム開発会社が、センサーを活用するアグリテックを手掛けています。そこにメンバーを預けて、知識やノウハウを吸収してもらうといった話をしていますが、こうして少しずつ広げていきたいですね」と大賀氏は意気込む。そのためにも、この「Green」で若手エンジニアを求めている。

2018年6月現在、同社の社員は8名。現在、5カ所ほどの常駐先に分かれて業務に就いている。以前は外のミーティングスペースを借りて月1回ほどのペースで帰社日を設けていたが、自社オフィスでできるようになった。
「帰社日に全員で顔を合わせる時間を大切にしています。それぞれの持ち場での状況報告や技術トピックス、会社の今後の方針や計画などの共有を図り、その後の時間はおいしいものやお酒をみんなで楽しみ、親睦を深めています」と大賀氏は頬を緩める。
家族同伴でのBBQや社員旅行の実績もあり、「メンバーが希望すれば、また実施したい」と大賀氏。フランクにコミュニケーションを図る機会も大切に考えている。

そんな同社として若手社員の採用にかける思いを、大賀氏は次のように言う。
「自分がそうであったように、経験のない若手が現場でお客様の業務について学び、知識を深めてお客様に直接提案できるようになるというところに、システム開発を手掛ける会社として大きな価値を感じています。幸い、当社には前述のとおりの金融系の識者が揃っていますので、未経験の若手でも育てることが可能です。また、ベテランには馴染めないようなAIやロボティクスといった新分野への取り組みも若手に期待しています。ぜひ飛び込んできてください」

求める人材は、吸収力のある素直な人。そして大賀氏は“失敗経験”を重視するという。
「誰にも失敗はあります。肝心なのは、失敗した時にどう対処したかということ。失敗ほど糧にできるものもありませんから」
「IT業界でエンジニアとして働きたいが、自信がなかったり不安がある」といった人でも、同社ならスムーズにキャリアを積んでいけるに違いないだろう。