株式会社レッカスグルーヴ

2008年2月に設立され、現在11期目となる株式会社レッカスグルーヴ。現在、EC関連の総合企業として幅広い活動をしていることで知られる同社は、設立当初はWEB広告代理業としてネットショップをメインターゲットとし、広告の提案をするところから事業をスタートしている。

その後、クライアントから商品ページなどの制作依頼を受け、制作事業を開始、アパレルメーカーやショップ、美容系のWEBサイト制作や商品撮影、モデル撮影も請けるようになった。さらに、ネットショップから「商品を卸してほしい」という相談を受け、カラーコンタクトから卸売事業を展開。販売店が増えたことから、自社でもブランド『Love Holic』を立ち上げて、美容、コスメまわりの取扱品目を増やして成長、子会社を設立してBtoCの販売チャネルも整備するなどして、現在の陣容へと発展を遂げてきている。その経緯について創業メンバーの同社取締役、宮崎 智行氏に伺った。

「立ち上げ当初は広告代理業でしたが、いろいろなことをやっていこうと考え、仕事の話が来たらできなくても『やります！』というような勢いで事業化してきました。その広告代理業も設立時にメンバーが得意だったからで、特にこだわりがあったわけではないんです。ただ、当社としてはクライアントが1からビジネスを立ち上げるというときに、全面的にサポートできるような環境は整えたいという気持ちがありました」（宮崎氏）

その結果が、いわばECサイトのオールインワンサービスともいえる同社の多様な事業展開につながっている。極論すれば、クライアントはネットショップをしたいという意思と資本さえあれば、同社から商品を仕入れ、WEBサイトを作り、プロモーションまですべてを“お任せ”できるのだ。その発想はごく自然な流れだったと同社では捉えている。

「例えば卸業でいうとカラーコンタクトがきっかけですが、カラコンを買うユーザーは若いので、そこに当てはまる商品を集めると、昔ならつけまつげやヘアーウィッグを増やすことになります。今ならカラコンをつける人は30代40代まで拡大しているので、美容・コスメというジャンルを加えていくというスタンスですね」（宮崎氏）

同社は、クライアントやユーザーの嗜好や時代の空気を的確に読み、しなやかに前進を続けている。

同社は順調に成長を続けている。その秘訣はどこにあるのだろうか？

「設立メンバーの多くが営業出身で、クライアントに満足してもらえるような仕事をするよう心がけてきたので、立ち上げ当初から11年間、長くおつき合いをしていただけている企業が多いのだと思います。そういうクライアントがさらに新規の仕事を紹介してくれるという、良い循環になっています」（宮崎氏）

クライアントは、数店舗規模の企業から、名前を聞けば誰もがわかる大企業まで、そして通販で大きな市場を持っている企業、ECショッピングモール内の店舗など幅広い。今後の見通しについても聞いてみた。

「ベースはできあがってきたので、現状のものをどう伸ばしていくかということと、当社が実現できていないことはまだあるので、そこに新しい人を迎えて、できることを増やしていきたいですね」（宮崎氏）

活躍の場をより大きく、広くしていこうとしている同社。山口県にサテライトオフィスを設置するなど、足場固めも進行中だ。他県にもサテライトを増やす計画もあるという。サテライトオフィスとどのように仕事を進めているのか、取締役副社長の野間 尊寛氏に伺った。

「地元の企業などからお話もいただけますし、WEB制作に関するセミナーを開く取り組みなど、東京ではできないことにも挑戦しています」（野間氏）

「開発系の会社では多いようですが、制作系ではまだ少ないようです。地方に戻りたいというクリエイターが増えていますが、地方にはWEB制作会社が少ないので、そういう人たちとWin-Winの関係が築けるのではないかと考えています」（宮崎氏）

ECも手がけている同社ならではの視点から、地方のものを通販で売るという展開も見据えている。既存のビジネスの方向性についても、重ねて伺うことにした。

「ECについては、10代20代の女性がメインターゲットなので、今後は30代以上をターゲットにした商材を探して、そのサイトを立ち上げていくという流れになると思います」（宮崎氏）

「WEB制作事業では、これからECに進出してくる企業、ジャンルを掴んで結果を出していきたいと考えています。地方に進出してみると、地場の大手企業などの案件を紹介されることもあるので、積極的に対応していきます」（野間氏）

人がやっていないことに挑戦し、開拓していく姿勢が同社の成長を底から支えている。

撮影スタジオもある同社のオフィスは部署ごとにフロアが分かれているが、集う人々の半数以上は女性で、和気あいあいとした雰囲気だという。2018年には社員旅行が実施されるなど、イベントも用意。

「忘年会などは部署合同で行っています。制作部署は帰りが遅いこともありますが、早く終わったときはみんなでご飯を食べるなど自然と交流も行っています。」（野間氏）

「EC関連の部署は、19時前後には帰っています。月一くらいのペースで集まったりしていますね」（宮崎氏）

サイト制作からプロモーション、販売まで業務が多岐にわたる同社。どのように仕事を進めているのだろうか。

「制作に関しては担当はプロジェクト単位で大枠で決めています。仕事量が偏った場合は相談して調整しています。山口県のサテライトオフィスにも制作メンバーがいるので、Skypeなどで話しながら進行していますが、現在は黙々と仕事を進める人が多いですね」（宮崎氏）

経験が浅い社員でも、成長しやすい環境も整っている。

「当社では、スクールや職業訓練で学んでから入社した方も活躍しています。実務はほぼ未経験という状態でも、小さな運営委託から大規模サイト制作まで、請けている案件の幅が広く量も多いので、レベルに合わせた実務を通じてスキルアップをしていくことができます」（野間氏）

「EC関連部署では経験なしからスタートする人が多いのが特徴です。そのため、研修期間を3ヶ月用意しています。同じようにゼロからスタートした先輩社員が教えるので“わからないことのツボ”が的確で、すぐに仕事は覚えられると思います」（宮崎氏）

会社として意識していることもある、それはユーザー目線だ。

「当社が、BtoBで仕事をしても、最終的に購入するのはエンドユーザーです。そういう意味で、当社はBtoBtoCのビジネスをしていることになります。購買者はそれぞれ異なる考え方を持っているので、そのニーズにどう合わせるかということ、クライアントが必要としていることのバランスをとることを意識しています」（宮崎氏）

「レッカスグルーブ」の社名は、「REC」（RECord：レコード＝私たちを記憶して）と「RE Customer」（顧客重視への回帰）と「groove」（巻き起こす）をかけ合わせた造語。ユーザーやクライアントを大切にする環境で、フレキシブルにさまざまな仕事を経験したいと考えている方は、ぜひ同社にトライしてみてほしい。